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【ファイナンス】FX初心者が成長していくために必須の投資日記の付け方と続けるコツとは?

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FX取引のスキルをあげ、資産を増やしていくためには、取引ごとの「振り返り」が大切です。
なぜ、そのタイミングで新規発注したのか、そして、なぜ、そのタイミングで決済したのか。
取引ごとの自分の思考、心理と向き合って、自己研鑽しないと、FX取引のスキルはあがりません。
その自己研鑽の手法のひとつが投資日記です。
今回は投資日記の付け方と、継続するためのコツを紹介いたします。

最初から上手にできる人はいない

補助輪なしの自転車に初めて乗れるようになったときのことを覚えていますか。
ハンドルを握り、サドルに腰をかけたとき、「本当に倒れずに前に進むのだろうか?」と不安になりませんでしたか。
地面から足を離し、ペダルを漕ぐことが怖くて、勇気を振り絞ってペダルを漕いでも、やっぱりうまくできなくて、何度も倒れたのではありませんか。
それでも、何度もチャレンジして、バランスの取り方を学び、スピードの調整ができるようになって、自転車がようやく運転できるようになったはずです。

FX取引も自転車の運転と似ています。
FX初心者の中には、「FXで成功した人は何か特別な才能や世に出回っていない情報を持っている」と思っている人がいます。
また、「ものすごく運がよかったのだろう」と思って、とても真似できるものではないと思っている人がいます。
しかし、実際にFXで成功している人の話を聞くと、まったく損を出さずに、取引を続けている人はいません。

ほとんどの人が、自分の予想に反して相場が動き、損切りをした経験を持っていると思います。
ただ、FXの経験がある人は、損切りするまでの判断と行動が速く、その損切りの原因となる取引の頻度は少ない傾向にあります。

どうしてそのようなスキルを身につけたのか、その人たちに聞いてみると、「何度もチャレンジして経験を積み、結果的にスキルアップしてきた」と答える人が少なくありません。
結局、FX取引のスキルは、何度もチャレンジして、初めて磨かれるものなのです。

FX取引は資産運用であり、自分に最適な方法は人それぞれ

FX取引は資産運用です。
投資家の資産、知識、経験、相場と向かい合える時間、投資目的によって、その人にあった最適な方法は異なります。
世の中には、FX初心者向けの書籍やインターネット上のまとめサイトなど、ありとあらゆる情報があふれていて、そこからたくさんのことを学べますが、最終的には、自分の状況や目的にあった最適な方法を、自分で見つけださなければなりません。

自分に最適な運用を見つけるために投資日記をつける

そのために私がしてきたのが投資日記です。
資産を増やしたり、減らしたりしながら、FX取引を行い、取引ごとに振り返る作業を、日記をつける行為で、長く続けてきました。

その投資日記は、何に書くのがよいのでしょうか。
日記を書くことの目的は、自分の取引に対する考えを、「深掘り」することなので、深掘りさえできれば、"Excel"でまとめても、"Word"でまとめても、"手書き"でまとめても構いません。
手書きで投資日記をつけて、好成績を出しているトレーダーは何人もいます。
投資日記専用の手帳も販売されているので、それを使ってもかまいません。

書かなければいけない項目は、ツールの取引履歴で確認できるものと、取引したときに、自分が考えていたことを書きましょう。

①ツールの取引履歴で確認できるもの
例:通貨ペア、注文方式、売買、注文区分、指値

②取引したときの自分の考え
例:
・なぜこの取引をしたのか?
・どのような時間足のチャートを見ていて取引をしたのか?
・どのようなテクニカル指標を見ていて、発注したシグナルは何なのか?
・発注前に「何Pips動いたら決済する」などのシナリオを描いていたか?

①のツールの取引履歴で確認できるものは、「漏れなく詳細に書こう」とせずに、「自分にとって必要だな」と思う項目を、抜粋して書くようにしましょう。

書く項目について考えすぎると、日記は続きません。
自分に合った資産運用の方法があり、それを見つけるのだという意識を持ちながら、自分にあった日記のフォーマットに仕上げましょう。

②の項目は重要です。
何を考えて取引をしたのかは、ツールでは確認できないからです。
それは自分の頭の中にあります。
頭の中で考えたことを文章にして、初めて自己研鑽はスタートします。
だから、なるべく丁寧に記述してください。
ただ、最初は深く考えすぎず、「なぜ取引をしたのか」「見ていたテクニカル指標は何なのか」程度でいいと思います。
投資日記を長くつけていると、日記に「なぜ取引をしたのか」「見ていたテクニカル指標は何だったのか」だけではなく、「アメリカの長期金利の動向」や「米中貿易戦争の状況」について記載するなど、自分の知識がどんどん増えて、自分の思考が深くなっていることに気づきます。
そして、特に重要なのは、損失を出した取引について振り返ることです。

③振り返り
例:
・それは想定していた損失だったのか?それとも想定外の損失だったのか?
・損失をもっと限定的にできたポイントはなかったか?
・新規発注の根拠(テクニカル指標のシグナル)は正しかったのか?
・損失が膨らんでいったときの感情はどうだったのか?

損失を出した取引について深掘りをし、思いついたことをどんどん書き込み、次はどのようにするのかも記載しましょう。

④ネクストアクション
例:
・テクニカル指標のシグナルが遅い気がする。パラメーターを変えてみよう
・感情にまかせて発注してしまった。発注する前はしっかりとシグナルをみよう。
・ポジション管理ができていなかった。いまの自分の資金では◯枚が限界。発注数量を守ろう。
・損切りが遅い。発注と同時に、ATRで計算したストップロスを必ず入れよう。

このようにして、取引したときの自分の考えを毎回書いていくことで、自然と取引の振り返りができ、自分だけの投資日記のページが増えていきます。
そして、それは唯一無二の投資の極意書になっていく可能性があるのです。

投資日記を続けるコツ

以上のような投資日記を書き続けることができれば、FX取引のスキルは上がりますが、人間とは、なかなか続けられない生き物です。
毎年元旦に、「今年は◯◯をするぞ!」と目標を決めても、そのうち、その目標さえも忘れてしまいます。
そこで、投資日記を忘れないようにするコツをお伝えしましょう。

・「投資日記を書く」という付箋をパソコンの画面に貼る
・日記帳を開き、パソコンの横に置く
・スマートフォンのリマインダーに設定する

上記したような忘れないための工夫をしてみましょう。

また、日記をGoogle Docsなどのクラウド上に記載している人だけのアドバイスになりますが、Google カレンダーのリマインダーを設定し、そのリマインダーの詳細に日記投稿画面のURLを貼り付けておくとすごく便利です。
例えば、23時になるとGoogleカレンダーからリマインダーの通知が届きます。
その通知をクリックすると日記投稿画面のURLが表示され、それをクリックすると日記の執筆が開始できます。

投資日記の労力を減らす工夫

今までやってこなかったことを習慣づけさせるためには、労力を減らすことも大切です。
「よし、日記をつけるぞ!」と、気合をいれなければならないようなフォーマットでは、いつかやらなくなってしまいます。
とにかく「省エネ」が大切なのです。

パソコンの画面キャプチャ(スクリーンショット)を使う

この工夫も、日記をGoogle Docsなどのクラウド上に記載している人限定のアドバイスになりますが、パソコンの画面キャプチャ(スクリーンショット)機能を使って、取引履歴を日記に残しましょう。

『Windows 画面キャプチャ』で検索すると画面キャプチャの方法はすぐに調べられます。
画面キャプチャができると、取引履歴はタイピングする必要がありません。
取引したときのチャートも2ステップで完了です。

1)キャプチャをとって
2)貼り付ける

そうすると、取引履歴やチャートがイメージとして取引日記に残せます。

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この画面キャプチャの下に、取引したときの自分の思考を書き、もっと良い取引をするための振り返りを書けばいいのです。
取引履歴やチャートの画像が、その時の記憶をより明確にしてくれるはずです。

定型文を作る

日記に書く項目は、毎回思い出して書くのではなく、定型文を決めておくといいです。

例:
・なぜ注文したのか?
・使っていたテクニカル指標とその値
・発注した後の利確の指値、損切りの逆指値の値とその理由
・その日の経済指標
・直近の重要人物の発言
・トレード時に考えていたこと
・体調

このようなテンプレートをGoogle Docsなどのクラウドに作っておくと、それをコピーすると、もれなく、その日の投資日記が書き始められます。
クリップボード履歴管理ソフトなどをインストールすると、パソコンの機能として定型文を保存しておくことができ、「貼り付け」で、定型文を貼り付けられるので、さらに労力は減ります。
投資日記を続けるためには、「忘れにくくする工夫」と「労力を減らす工夫」が必要です。

FXの初心者が成長していくためには、FXに関する勉強だけでなく、自分の生活にあった投資手法を見つけ出さなければなりません。
そのためには、長く投資し続けることが大切なのですが、何も考えずにやっていると、成長は遅くなります。
成長する前に資産を大きく「溶かして」しまい、市場から退場させられるかもしれません。
そのようなことが起きないように、毎回、取引から確実に成長できるように、投資日記をつけるように心がけてください。

岩田仙吉(いわたせんきち)氏
株式会社タートルズ代表/テクニカルアナリスト
2004年、東京工業大学から一橋大学へ編入学。専門は数理経済学。卒業後、FX会社のシステムトレードプロジェクトのリーダーになり、プラットフォーム開発および自動売買プログラムの開発に従事。その後、金融系ベンチャーの立ち上げに参画。より多くの人に金融のことを知ってほしいと思い金融教育コンテンツの制作に集中するために会社を創業。現在は、ハイリスク・ハイリターンの投資手法ではなく、初心者でも長く続けられるリスクを抑えた投資手法を研究中。