“貿易戦争から通貨戦争へ。”

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トランプ大統領が、これまでは制裁の対象外だった中国からの輸入品約3000億ドル分相当に対して9月1日から10%の制裁関税を課すとツイッターで表明して事実上の第4弾制裁関税が発動され、米国は中国からのほぼ総ての輸入品に対して制裁関税をかけることになったが、中国はこれに対する対抗措置として8月5日、国営企業に対し米国産農産物の輸入を停止するよう要請した。

同時に中国人民元は2008年3月以来の人民元安となる1ドル=7元を超え、中国当局が人民元安を容認したことに対してトランプ大統領は“中国政府の米国に対する対抗措置”であり、“重大な違反行為”で、これは“為替操作”にあたるとしてすかさず中国を為替操作国として認定した。
米中間の軋轢は今や“通商交渉から貿易戦争へ”、そして今度は“貿易戦争から通貨戦争へ”と発展した感が有る。

米国では、主要貿易相手国を為替操作国とする判断基準として、
1)米国に対する貿易黒字が年200億ドル以上
2)為替介入による外貨購入が1年で6カ月以上かつ国内総生産(GDP)の2%以上
3)経常黒字がGDP比で2%以上
を挙げていて、原則としてこれらの基準の2つに該当すれば“監視リスト”に指定され、3つすべてに当てはまると為替操作国への指定を検討することになっており、5月に発表された為替報告書では、中国は1)にしか該当せず、為替操作国への指定は見送られたが今回トランプ大統領の鶴の一声で為替操作国として認定された。
因みに我が国は“監視リスト国”の一つである。

はっきり言って制裁関税などのペナルティは既に中国に対して課されており、中国にとっては為替操作国として認定されたことによる大きな経済的実害は無いと思うのだが、市場の反応は“更なる米中対立の激化”=“更なる米国・世界経済混迷化”を嫌気して大きくリスクオフが進み、結果として円が買われることとなった。

“更なる米国・世界経済混迷化”により9月のFOMC.に於いての利下げは確実視され、市場では利下げ幅も0.50%と大幅になるとの観測も増えつつある。
米国株式市場では利下げ期待を好感してリスクオフにも拘わらず多少値を上げているが、債券は買われて金利は大きく下げ、10年物利回りは1.64%台まで急落した。

これではドル・円相場は上がらない。
昨日東京市場が日曜日の“山の日”の振り替え休日で休場の中、安値115.06を示現したが115.00をストライクとするオプションや英フィナンシャル・タイムスが“Stealth Intervention.”=(極秘介入)として紹介したGPIF.や他の政府系金融機関を使ってのドル買いと見られるBid.=(買い。)が存在し、105円を割る事は無かった。

政府・日銀は5日午後、急激な円高、株安を受けて財務省の武内財務官、金融庁の遠藤長官、日銀の前田理事らが参加して緊急会合を開き、“金融市場の混乱に際して連携を密にすることを確認し、円高をけん制する狙いがある。”としたが、その流れを受けての極秘介入であったのだろうか?

実は1月3日のフラッシュ・クラッシュの教訓からか、ゴールデン・ウィークの直前にもこの3者会談が行われ、ドル・円相場はゴールデン・ウィーク中111円前後で極めて静かに推移したが実は年初、ゴールデン・ウィーク前、そして直近の市場のポジションは大きく異なる。

先週からド転して円の買い持ち(ドルの売り持ち)に転じたシカゴ・IMM.ではなく大手外為業者8社が公表する正月、ゴールデン・ウィーク前、そして直近の個人投資家のポジション・データを見ると
     ポジション(ドルの買い持ち) 相場
1月2日  25億ドル @108.42
4月23日  5億ドル @111.86
7月30日  33億ドル @108.60
数十億ドルのポジションの動きが巨大なグローバル為替市場を左右するとは言わないが、これが何を意味するかと言うと、
‐フラッシュ・クラッシュが起きる直前、個人投資家は大きなドルの買い持ちポジションを保持しており、急激なドル安&円高の動きに対してドル売りを迫られた。
そして104.43まで暴落。
‐ゴールデン・ウィーク前、個人投資家は112円近くまでのドル高&円安の動きに沿ってドルの買い持ちの利食いを行っており、当局が懸念するドル安&円高を誘発する大きなドルの買い持ちポジションは存在しなかった。
そして111円前後で小動き。
‐最後のデータが発表された7月30日から凡そ3円近くドル安&円高になっているにも拘らず個人投資家がドルの買い持ちポジションを減少、或いは解消した気配は無い。
さて、どうなる?

以上から鑑みてフラッシュ・クラッシュが再現されるとは言わないが、105円の大台割れは極めて注意すべきだと感じる。

お上に楯突く気は毛頭無いが“Stealth Intervention.”が何時までも効果を持つとも思えない。

相変わらず“戻り売り戦略”は有効と痛感する。

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