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人生を「ブチ抜く」ために、私は投資家の道を選んだ これが与沢翼流「働き方改革」だ!(前編)

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撮影:森口新太郎



かつて「秒速で1億円稼ぐ男」「ネオヒルズ族」などと持てはやされ、世間の話題をさらった与沢翼が5年ぶりに上梓した新刊『ブチ抜く力』(扶桑社3月2日発売)の売れ行きが好調だ。発売から2カ月ほどで8刷、10万部突破とビジネス書としては大ヒットと言える部数を記録している。(書影あり)

2014年、事業家として華々しく活躍しながら、法人税滞納から会社を清算し、すべてを失うことになった転落ぶりを『告白』(扶桑社)で赤裸々に語り、私たちの前から姿を消した彼が、活躍の舞台を海外へと移し、純資産70億円を超える資産家として5年ぶりに戻ってきた。いったい彼はどこで何をしてきたのか。奇跡の復活劇はどうして起きたのか。3月末に一時帰国した与沢氏を直撃した。

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想定外の売れ行きに驚く


PickUp編集部:
5年ぶりに上梓された『ブチ抜く力』が好評だそうですね。

与沢:
今回は売れないんじゃないかと思っていました。出版社に迷惑をかけないか、すごく心配でした。(笑)ところが、Twitterを見るとみんなが買っていて、本が出たことを喜んでくれました。自分が想像した以上の反応でした。

PickUp編集部:
前回の書籍から5年もの時間が空いた理由は?

与沢:
昔ほどPRに積極的ではないんですよ(笑)。今は海外に住んでいますし、日本に来る機会もあまりありません。「来るもの拒まず」のスタンスなんですが、テレビ番組で「スタジオ出演してほしい」というようなオファーが何度もありましたけれど、「そのためだけに帰るのは難しい」とお断りしていました。ただ、今回の本は、編集者の方がシンガポールやドバイまで足を運んでくれて、だから、書いてみることにしました。本は片手間にできるものではありませんし、中途半端なことはしたくなかったので、かなり苦労しましたが、今回の本は自分の中で納得感がありました。必要としている方には、絶対に役に立つ。何かのきっかけになると思っています。

海外移住で自分をリセット


PickUp編集部:
2014年に事業を清算し、滞納していた法人税を納めて、資産がまったくない状態なのにもかかわらず、海外に行かれたのはなぜですか。日本が嫌いになったからですか。

与沢:
私、日本を「ディス」ってないですよ(笑)。だから、嫌いになったとか、恨んでいるとかじゃないんです。ただ、日本を出たときは「分が悪いな」って思っていました。自分自身のイメージも悪かったし、一度それをリセットしようと思いました。正直「やり尽くした」とも思っていました。日本国内にいたらいたで、今度は「破産芸人」みたいな感じで(笑)、有料メルマガも出せたし、ニコニコチャンネルに出演すれば収入もあったし、十分に生活はできたと思います。でも、やるからには「ブチ抜くか」、それとも「死ぬか」でないと。だから、新天地でまたゼロからやることを選びました。

当初、移住先としてフィリピン、シンガポール、ドバイの3カ国を検討しました。実際に現地に行ってみて、フィリピンは治安に少し不安がありました。また、5年前のドバイには、日本人が全然いない印象でした。政府の要職にあるような人は知っていても、一般のアラブの人たちは日本人のことをよく知りません。"アウェイ"感があふれていて、みんなが「お前、中国人か?」と言ってきます。そうしたことから、最初の移住地として、文化、衛生、安全、日本人の多さなどから、シンガポールを選びました。

「ブチ抜く」ために投資家の道を選んだ


PickUp編集部:
学生時代から事業家としてチャレンジしてきた与沢さんが、3度目のチャレンジで選んだのは事業ではなく投資家の道でした。なぜ起業せずに投資を選択されたのですか?

与沢:
それは自分の中でも一番考えたことでした。もちろん、葛藤もありました。結論から言うと、大学生で起業してから15年が経ちましたが、自分の適性が分かりました。私は経営者に向いていません。まず大前提としては社会不適合な私のような人間が「ブチ抜く」ためには、起業するか、投資家を目指すかしかないと思っています。海外に出てからも、「会社を経営すればいいじゃないか」など、外野からさまざまな声が聞こえてきて、正直、迷った時期もありました。でも、今はもう迷っていません。経営の世界に戻るつもりはないです。

PickUp編集部:
経営者に向いていないというのは、具体的にどういうことですか?

与沢:
人の心を動かすのは得意だと思っています。例えば当時の会社の朝礼などでは、みんな話をよく聞いてくれました。だから自分にリーダーシップがないとは思いません。ただ、自分は組織特有の合議制が合わないと思いました。役員会を開き、対話の上で意思決定し、計画的にプロジェクトを実行するよりも、自分の感覚で即断即決してお金を投じる。ダメな場合は勝手に撤退するという気ままなやり方がいいんです。話し合いは面倒ですし、取締役会も会議も嫌いです。(笑)自分の頭の中で議論して、決断、実行するのが、一番成果が出やすいんです。

PickUp編集部:
社長のスピード感に部下がついていけなかった?

与沢:
まぁそういう視点もありますが、役員の中には、社員のことをよく見ていたり、イチから丁寧に教えてあげたり、部下から大変慕われている人が何人もいました。率直に「すごいな」と思っていました。しかし、私は「わかるでしょ」「どうしてわからないの?」ってなってしまう。自分がわかっていることは、みんなもわかっているという前提で発言してしまう。アパレル会社を経営していたときは、プライベートでは仲がいい役員たちとも、しばしば経営方針については、ケンカになっていました。

ただ、みんなが正しいことを言っていると思う場合も、かなりありました。私のアイデアを部下が上手にオペレーションしていました。マネジャーにふさわしい人間は私ではないと思いました。つまり、自分は"そこそこ"の経営者にはなれても、一流の経営者にはなれないのだと思いました。

だから個人で動ける今がいいんです。この5年間で個人ビジネスも少しやりましたが、誰一人雇っていません。請求書の発行から領収書の発行、税務申告(シンガポール時代の所得税やドバイでもVATが導入されたため)に至るまで、すべて自分でやっています。説明するぐらいなら、雑用すら自分でやるほうが手っ取り早いですし、効率的だと思っています。

PickUp編集部:
だから、会社を経営して事業で勝負するよりも、投資家を選択したということですか?

与沢:
当時は「隣の芝生が青く」見えました。「経営者ってかっこいいな」と。メタップスやリブセンスが上場したときは、羨ましい気持ちもありました。村上社長(リブセンス)は、大学時代からの友人でしたし、佐藤社長(メタップス)もMIXIでメッセなどしてお互い知人でした。じげんの社長の話もいろいろなところでよく聞いていたし。でも今はもう隣の芝生が青く見えることはありません。もし仮に私がビジネスをするとしても、100〜200人の組織を率いることはありえません。すべて一人でやるでしょう。ただ、事業会社の株主ならば可能性がないとは言えませんが・・・。

アフィリエイト収入を株やFXで複利運用


PickUp編集部:
今では現金で不動産が購入できるほどの資産をお持ちですが、そもそも投資の原資はどうやって用意したのですか?

与沢:
定期的な広告収入(アフィリエイト含む)が当初よりありました。それを元手に、株やFXで、デイトレードやスキャルピングのような1日で取引が完結する短期売買で増やしました。始めた頃は適当でした。チャートを見て感覚で取引しましたが、今はかなりロジカルにやっていますよ。

PickUp編集部:
スキャルピングということは、パソコンの前に張り付いてチャート見ながら売買していたんですね。

与沢:
海外からだったので、株式は個別株ではなく、日経平均連動型のETFをやっていました。日本時間のザラ場中にひたすら売買していました。上がるか下がるかのブル型・ベア型双方ともに。そしてFXです。FXはドル/円の通貨ペアだけをずっとやってきました。最初は日本国内の金融機関で証券口座を開いて取引していたんですが、私はTwitterにいろいろあげるせいか、途中で注意された後、結果的に凍結されてしまいました(笑)。それからは、海外の証券会社で口座を作って、そちらで取引しています。私はシンガポールでカジノも結構本気でやっていましたが、FXは最初カジノ感覚で取引していましたね。

PickUp編集部:
広告収入の稼ぎから、まず株やFXのための原資を作ったんですね。

与沢:
そうです。私は「労働資本」と「金融資本」は完全に分けて考えています。労働資本は自分の労働力を通じて回収できる資本、金融資本は現金及び投資資産です。この両方を同時に成立させていくことが重要なんです。「与沢さんはどうしてそんなに儲かるのか、私には意味がわからない」と人から言われることがよくあるのですが、例えばビジネスで儲かったお金を、1円も使わずに全額を金融資本に投資するんです。「稼いでは投資に回す」ことを、何度も続けます。投資で儲かったら、それも再投資します。労働で稼いだお金を金融資本として運用し、利回りが出たら、その利回りをまた金融資本として再投資するんです。私はこうして純資産を増やし続けました。

日本人の比較優位性を生かし、ドル/円相場で勝負


PickUp編集部:
FXを本格的に始めたのはいつですか?

与沢:
2015年4月で、それから今までずっとやっています。通貨ペアはドル/円だけしかやっていません。2015年4月から現在に至るまで、リアルタイムで相場を経験してきました。

PickUp編集部:
どうしてドル/円だけなんですか?

与沢:
そもそも私たちは円について詳しいですよね。日本語もよくわかります。だから、クロス円でFXをやるというのは、そもそも海外投資家と比較すると優位性があるということです。外国人で日本語が読める人はあまりいません。しかも、ドルは基軸通貨で日米の関係は濃厚なのでわかりやすい。私の資産の60%はドル建てです。ロイターニュースもブルームバーグも和訳がありますし、FOMCだって英文で読まなくても、全文の翻訳版がでています。ドル/円以上に投資しやすい通貨ペアはありません。今住んでいるドバイは英国領だったこともあり、文化的にはヨーロッパの影響が強いのですが、ディルハムはドルペッグされているし、逆に正直ユーロはよくわかりません。

全資産に占める割合を小さくすると投資は勝てる


PickUp編集部:
自分なりの投資スタイルやルールはありますか?

与沢:
はい、全資産に占めるポジション量が小さいと、投資は勝てるのだという自分なりの法則を見つけました。過大な量のポジションを持っているときは負けるんです。時間が経てば経つほど、「これは真実だな」と思いました。私は仮想通貨のリップルを、まだ1億6000万円程度それからビットコインを1億円程度持っています。先日、雑誌の取材で、私の資産に占める仮想通貨の割合を計算してもらったら3%程度でした。

PickUp編集部:
想像以上に少ないですね。

与沢:
周囲の人たちからは「与沢さん、リップルにすごく賭けているんですね」って言われるんですけれど、全体の3%に過ぎないんです。裏を返せば、仮想通貨に対する私の信用はその程度なんです。「何を投資対象にするか」ということは重要ですが、「投下資金の配分及び量」ということも大切なんです。FXはロットを小さくして、ゆっくり長くやると成功するということを、皆さんにも気がついて欲しいです。

PickUp編集部:
原資を増やす段階でも、小ロットで投資していたんですか?

与沢:
実はロットを大きくしたことがあります。50万ドル入れてやっていたことがあったんですが、あれはやばかった!(笑)。1日で30万ドルにまで減って、46万ドルに戻したところでやめました。生きている心地がしませんでした。

結局、投資は純資産を毎年積み上げていくことに意味があります。最初に「バフェット思考」を勉強したからかもしれません。資産が急に増えたり、減ったりするのではなく、毎年20%でもいいので堅実に増やしていく。それが投資の「正義」だと考えています。FXで20万ドル失い、他の投資でまた20万ドル稼ぐのは相当にきついですからね。

(中編に続く)

PickUp編集部

「最短・最速」を謳う与沢氏の投資スタイルは、意外にも、純資産をコツコツと積み上げる堅実なバフェット思考に基づくものでした。中編ではFXに対する具体的な投資方法について包み隠さず話しています。中編もお楽しみに。

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「ブチ抜く力」 与沢翼 扶桑社 定価 本体1600円(税別)
ISBN978-4594-07943-7
法人税滞納で会社を清算し、資産ゼロで日本から姿を消したあの"秒速男"が、一点突破で局面を打開し、地獄から生還。5年ぶりに投資家として私たちの前に姿を現した。資産ゼロで海外移住した彼は、どうやってわずか4年間で資産70億円を作り投資家として成功することができたのか。失敗を恐れることなく、常に挑戦し続ける強い心、何度となく困難を乗り越えるバイタリティーを持った男、与沢翼が、奇跡の復活劇のすべてを余すところなく語っている。
https://www.fusosha.co.jp/Books/detail/9784594079437

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「告白―秒速で転落した真実」 与沢翼 扶桑社 定価 本体1300円(税別)
ISBN 978-4594-07056-4
事業家から個人投資家へ、5年の時を経て、華麗な転身を遂げた与沢翼。なぜ彼は秒速で稼ぎながら、秒速で地獄の底まで転落してしまったのか。法人税滞で"破綻宣言"をした直後の2014年7月に発売された。ここからなぜ彼は事業家ではなく、投資家として奇跡の復活を遂げたのか。現在の与沢翼の成功を正確に読み解く上で欠かせない1冊。
https://www.fusosha.co.jp/books/detail/9784594070564

与沢 翼氏
1982年11月11日生まれ。埼玉県出身。高校中退後、偏差値30から猛勉強の末、大学入学資格検定に合格。8カ月後の入試で早稲田大学に見事入学。大学生ながらアパレル通販会社を起業し、3年半で月商最大1億5000万円、年商実績で10億円の会社にまで拡大させるも6年で倒産。2011年に再起をかけて、手持ち資金10万円でネットビジネスに参入し、半年で7億円を稼ぐと、2013年には「秒速で1億円稼ぐ男」とのキャッチコピーで自身の書籍の電車ジャック広告を出し、大きな話題を集める。しかし、2014年に法人税の滞納で資金繰りに窮し、会社を清算することに。その後、海外に移住、今度は投資家として奇跡の復活を遂げる。2016年からはドバイに拠点を移し、株、為替、仮想通貨、不動産、債券、保険などに分散投資して、純資産70億円超を保有するまでになっている。