焦点は2Q・GDP。内憂外患続く、通貨最下位、株価11位


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総括

焦点は2Q・GDP。内憂外患続く、通貨最下位、株価11位

予想レンジ トルコリラ/円 17.0-19.0

(ポイント)
*7月は最強通貨となり年間最弱通貨を脱したが8月は再び最弱通貨へ
*次の焦点は9月2日発表の2Q・GDP
*中銀総裁を更迭 エコノミストも更迭
*シリアから空爆受ける
*鉱工業生産は悪化、小売売上は改善
*インフレ見通しは下方修正
*経常収支が改善
*ロシアからのミサイル搬入についてトランプ大統領は理解者の立場だったが、米国事務方の対応は厳しい
*元副首相がAKPを離党
*外交、内政での問題点が多い
*エルドアン大統領は利下げを要求し続ける
*フィッチが格下げ

(概況、7月は最強通貨だったが、8月は上昇分を吐き出す)
7月は月間で最強通貨だったリラは、一転、8月は月間で6%下落し、年間では11.5%下落、再び最弱通貨となっている。7月は経済指標の好転、インフレの低下、ロシアのミサイルシステム導入に対してトランプ大統領が理解を示したことなどで4.5%上昇した。今月は米中貿易戦争激化でのリスク回避、トルコ中銀が利下げに反対していた総裁に続きチーフエコノミストなども解任したこと、米国務省当局者がパトリオット売却計画は無効となったとしたこと、シリア北西部でトルコ軍の車列がテロ組織から空爆を受けたこと、それに関連して、テロ組織とみなしているPKKとつながりがあるとして、南東部3都市のクルド系市長の職務を一時停止するとともに、400人超を拘束したこと、預金準備率を引き下げたことなどがリラ売りを誘った。小売売上や消費者信頼感が改善していただけに失望感が広がったがこれがトルコリラたる所以だろう。内外の政治的トラブルが多すぎる。今週は企業信頼感指数(結果は改善)や貿易収支の発表がある。2Q・GDPは9月2日の発表となる。

(トルコへのパトリオット売却計画は「検討対象外」)
 トランプ大統領がロシア製ミサイルシステムの購入に理解を示していたが、米国務省は厳しい見方を示した。米国務省当局者は、パトリオット・ミサイル防衛システムをトルコに輸出する計画について、トルコがロシア製のミサイル防衛システム「S400」購入を決定したことで無効となり、現在は「検討対象となっていない」と述べた。 米国とトルコの緊張は、7月にS400の一部がトルコに到着したことで悪化。米政府はトルコに対する追加制裁の可能性を警告している。国務省当局者は、米国はトルコにS400購入手続きを進めればパトリオット売却計画は頓挫すると繰り返し伝えてきたと説明。「われわれはトルコに対し、S400の納品を受ければパトリオット売却は検討対象から外れると伝えてきた。パトリオット売却計画は無効となった」と述べた。

(時期尚早か、準備率引き下げ)
 政策金利の引き下げはインフレが20%台から10%台へ低下し経済の正常化へ向かったとして市場は好感したが、今回の準備率引き下げは市場の理解は得られずリラは下落した。やや早急だった感がある。
トルコ中銀は、融資の伸び率が高い銀行に対して預金準備率を引き下げたことは、国営銀行の利益を押し上げる見通しで、民間銀行に融資を拡大して追随するよう促すことになると分析されている。
中銀は前月も政策金利を24%から19.75%に引き下げている。エルドアン大統領は中銀に利下げ圧力をかけ続けており、中銀の前総裁は大統領の指示に従わなかったことから解任された。トルコ経済は前年比ベースで2四半期連続のマイナス成長を記録しており、エルドアン大統領は借り入れコストを押し下げることでプラス成長への回帰を目指している。ただ、エコノミストは、政府が市場が待ち望んできた構造改革ではなく、一時しのぎの方策に終始していると指摘。 一時しのぎの方策では、長期にわたるバランスが取れた持続可能な成長は達成できないとされた。長期見通しを改善するためにトルコは早急に包括的な構造改革を打ち出す必要があるとされている。

(シリア問題)
トルコ国防省は、シリア反体制派最後の拠点、シリア北西部イドリブ県でトルコ軍の車列が空爆を受け民間人3人が死亡、12人が負傷したと非難する声明を出した。一方シリア政府は19日、トルコ軍車両が国際法に反し、武器や弾薬を積んで越境したと国営通信を通じ批判した。トルコ軍は県南部の要衝ハーン・シェイフーンに向かっていたとされる。これに関連して、テロ組織とみなしているPKKとつながりがあるとして、南東部3都市のクルド系市長の職務を一時停止するとともに、400人超を拘束した。

(鉱工業生産は悪化、小売売上は改善、GDPは)
6月の鉱工業生産指数は前年同月比3.9%低下と、10カ月連続の低下となった。 昨年の通貨危機後から低下が続いている。 予想は1.01%低下だった。 製造業指数は前月比4.2%低下、鉱業・採石場指数は2.4%上昇。 トルコ経済は、通貨危機や高金利を受けて昨年4Qと今年1Qにマイナス成長を記録している。
 6月小売売上は前月比2.3%の増加で前月の0.5%増加や予想の0.7%増加を上回った。8月消費者信頼感指数や企業信頼感指数は改善した。
9月2日に2Q・GDPが発表されるが予想は前期比で0.5%上昇、前年比で1.1%の減少。

(高止まりする失業率)
 4-6月の失業率は12.8%で、3-5月の13%から低下した。前年同期からは3.1%ポイント上昇した。 非農業部門の失業率は、3-5月と同じく15%だった。

テクニカル分析(トルコリラ/円)

長い下ヒゲ

日足、8月26日にボリバン下限を大きく下抜くも、長い下ヒゲを残しバンド内へ戻す。ボリバン下限は18.10あたり。8月23日-26日の下降ラインを上抜けるか、そのラインが上値抵抗となるか瀬戸際。5日線下向き
週足、上昇し一時雲の中に入るが反落。ボリバン下限を大きく下抜くがバンド内へ戻し長い下ヒゲを残す。7月29日週-8月5日週の下降ラインが上値抵抗。
月足、19年5月-7月の上昇ラインを下抜く。19年2月-3月の下降ラインが上値抵抗。ボリバン下限は14.75あたり。
年足 4年連続陰線、今年も陰線。15年-18年の下降ラインが上値抵抗。

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メルハバ

5カ年計画
トルコ国民議会は、第11次開発計画(5カ年計画)を採択、可決した。建国100周年となる2023年までを目標としている。2023年の名目GDPを1兆800億ドル(18年は7840億ドル)、1人当たりGDPを1万2,484ドル(同9632ドル)に設定し、インフレ率は5%(同20.3%)に低下させるなどの目標が示された。

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