総括
あせりのトランプ大統領に中国はじっくり対応、通貨8位、株価5位
予想レンジ 人民元/円 14.30-15.30
（ポイント）
＊米国は中国を為替操作国と認定
＊中国は通貨バスケット制に基づき元を変動させる.
＊人民銀行は元相場を適切な水準と主張
＊米国が追加関税を課すと中国は報復関税を課す
＊トランプ大統領は米企業の中国撤退を促す
＊トランプ大統領は中国が交渉再開を望むとするも中国は否定
＊8月31日（土）は製造業PMIの発表
＊米国は9月1日に発動予定の追加関税を一部延期
＊7月鉱工業生産、小売売上は予想より弱かった
＊米中貿易不均衡は19年上半期では改善するどころか拡大
＊米国の中国向け輸出が大幅減少
＊2Q成長率は6.2％に減速
＊政府・中銀は利下げを含め景気刺激策を準備している
＊19年成長見通しは6-6.5％
＊米国の華為技術への輸出は緩和か
＊全人代のCPI上昇目標は3％
（米企業へ中国から撤退要求、トランプ大統領）
中国が米国製品に対する追加報復関税を発表したことを受け、トランプ米大統領は8月23日、対中関税の新たな引き上げを発表した。さらに米企業に対し中国からの事業撤退も要求した。通商問題を巡る米中の対立は深まる一方となっている。
中国商務省は、米国から輸入する750億ドル相当の製品に対5-10％の追加関税を課すと発表。米国が９月１日から発動を予定する対中制裁関税「第４弾」に対する報復措置とみられる。一部製品に対する追加関税は9月1日、残りは12月15日に発動する。
（米企業団体、トランプ大統領に対中追加関税引き上げの延期を要請）
全米小売業協会や全米民生技術協会など160以上の企業団体は、トランプ米大統領に対する書簡で、今年予定されている中国輸入品に対する関税引き上げはホリデーシーズン中の価格上昇を引き起こす可能性があると警告し、あらゆる対中追加関税の引き上げを延期するよう訴えた。
（どちらが嘘をついているのか）
トランプ大統領は8月26日に、中国側から「米国の貿易担当トップ」に「交渉の席に戻ろう」と電話で伝えてきたと主張、合意成立に中国が必死になっていると語った。
この発言は即座に世界で報じられ、一時的に株価を押し上げたが、中国政府内で何を指しているか理解した者はいなかった様子だ。それどころか、中国側が圧力に屈しているかのようにトランプ大統領が述べたことで、中国はトランプ氏に抱いていた最悪の不安を確認した。つまり合意成立させるにはトランプ氏は信用できないと。
中国当局者によると、中国は合意できない場合に備えた緊急計画を準備しており、それには米企業を「信頼できない」企業のリストに加え、国内経済の刺激策を打ち出すことなどが含まれるという。
（米中株価は）
トランプ大統領は、米国の中国への関税制裁は効果を出しているとしているが、株価においては、双方互角である。
（人民元相場は米の圧力に屈せず、バスケット制度で安定）
元相場はバスケット制度を採用していることもあり、米ドルが上昇すれば当然、元は安くなる
テクニカル分析（人民元/円）
ボリバン下限下抜きから反発
日足。8月13日-22日の上昇ラインを下抜き下落。ボリバン下限を下抜いたところから反転。8月26日-28日の上昇ラインがサポートできるか。8月22日-23日の下降ラインが上値抵抗。5日線下向き。
週足。ボリバン下限下抜きから戻す。8月12日週-19日週の下降ラインが上値抵抗。
月足、6月－7月の上昇ラインを下抜きボリバン下限を下抜く。4月－5月の下降ラインが上値抵抗。
年足、16年-18年の上昇ラインを下抜く。16年-18年の下降ラインが上値抵抗。11年-12年の上昇ラインがサポート。
チーファンラマ
中国のコストコ大混雑
トランプ大統領が米企業の中国撤退を求める中で米会員制小売大手コストコが8月27日、中国に初の実店舗をオープンさせたところ客が殺到。「あまりの混雑」で、閉店時間を早める事態に陥った。米国と中国はこのところ、貿易をめぐって関係が悪化している。コストコはそうした状況でオープニングを迎えた。
レジには長い列ができ、会計までの待ち時間が2時間にもなった。駐車場でも3時間待ちの車両の列ができたという。
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