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公約未達のトランプ大統領に焦り、要クリプレ

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総括

公約未達のトランプ大統領に焦り、要クリプレ

ドル円=104-109、ユーロ円=115-120 、ユーロドル=1.08-1.13

通貨ごとの注目ポイント

*円「通貨2位、株価13位、早いが秋の円安の兆しか」
 夏の円高は、例年通り8月中旬で一服、ほぼ横ばいの8月下旬を経て9月第一週は最弱通貨となり、年間最強通貨の地位をカナダに譲った。他の通貨との差も一気に縮められた。晩秋に向けて円安需給となるが
少し前倒しかもしれない。米中貿易戦争や英のEU離脱問題が改善の方向へ向かえば、ドル安円安株高のリスク選好型となる。それに例年の日本の輸出の剥げ落ちや輸入増、また欧米企業の本国へのリパトリが加われば円安が加速するかもしれない。
 日本は賃金が伸びないところが気になるが、世界経済が米中貿易戦争で減速し、どの中銀も利下げ方向へ向かっているところへ消費増税をするのだから、成長率も低下する。マイナス金利の深堀り観測もあるが、後述するように、ラガルド次期ECB総裁やドイツ金融筋もその効果に懐疑的だ。株価は余剰資金で上昇するが、大方の個人は可処分所得が減少して消費は伸びなくなるだろう。
もし円高となるとしたら、海外の期末に向けて円キャリーの巻き戻しくらいだが、今はドル円の大暴落があった1998年のLTCMショックのような円売りポジションは持たれていないだろう。怖いのはおそらく為替で差損の大きいLTCMのヘッジによる円買いだが、さすがそれは混乱を招くだけで政府などの常識派が踏みとどまらせるだろう。GPIFなどの機関投資家は少々の為替差損でジタバタしてはいけない。

*米ドル「通貨4位、株価(NYダウ)10位、公約未達のトランプ大統領にあせり、要クリスマスプレゼント、利下げは「粗末な手段」」
 平均的にみれば指標はやや弱い。ミシガン大消費者信頼感指数、ISM製造業、雇用統計は弱く、ISM非製造業や賃金は改善した。米中貿易については7月は中国からの輸入が6.4%増加、輸出が3.3%減少と大統領の思惑とは逆の流れとなっている。2019年成長率は大統領の公約の3.5%を大きく下回るものとなる。対中貿易問題で強硬策をとればとるほど低成長になっていくのだろう。トランプ大統領も任期が残り1年となり焦りが出てくるものと見られる。これから感謝祭、クリスマスへ向かうまでに国民が潤う政策を打ち出さないといけない。その一つがFRBへの利下げの強要だが、すでにFRBからはトランプ大統領の政策のまずさによる景気減速に言及されている。
 ベージュブックでは米中の通商を巡る先行き不透明感によって投資が低迷する見通しなど、関税を巡る企業のさまざまな懸念を列挙した。シカゴ地区連銀のエバンズ総裁は、通商政策を巡る不確実性が企業の投資に関する判断を遅らせているとしたほか、貿易や移民に関する制限が経済成長全体の鈍化につながる可能性があると述べた。ミネアポリス地区連銀のカシュカリ総裁は、米中貿易摩擦の悪影響を緩和する上で利下げは「粗末な手段」ではあるが、連邦準備理事会(FRB)はそれでも利下げをしなければならないという考えを示した。
 利下げだけでなく関税撤廃方向へ進めば世界がリスク選好の流れとなりドル安円安になる。

*ユーロ「通貨10位、株価9位(DAX)、他力で上昇 今週は政策金利決定だが利下げへの副作用もあり」
 欧州の指標は軒並み弱い。先週はユーロ圏のGDP確定値、小売売上、製造業PMI改定値独の鉱工業生産、鉱工業受注、製造業PMI改定値が弱かった。ただ先週はユーロが上昇した。米中通商会議の10月開催観測、英のEUからの合意なき離脱の交代という他力で上昇した。これからも米中貿易戦争や英のEU離脱問題が市場が好感する方向へ向かえば、ユーロの反転も続くだろう。
 今週のECB理事会では理事会での0.2%の利下げの可能性を60%織り込んでいる。
 ただ次期ECB総裁のラガルド氏は、金融緩和を長期間維持する必要があるとしながらも非伝統的政策が及ぼす副作用にも注意しなければならないと強調している。独ではドイツ銀行 とコメルツ銀行 のCEOは、ECBによる利下げで預金者のほか、金融システムが痛手を被ると警告した。利下げにより「資産価格が押し上げられ、預金者が一段の阻害を受ける」と述べた。 その上で、金利の低下は債務を抱える人や資産投資を行う人には恩恵となるが、国民の大半は恩恵を受ける立場にないとし、「社会の分断が一段と進む」と指摘。長期的に見ると、低金利は金融システムの阻害要因となっているとの考えも示した。 低金利政策は「持続可能な政策ではないと考えている」と述べた。 ECBは理事会で、利下げのほか、マイナス金利が銀行に及ぼす影響を軽減するための金利の階層化、および低金利政策の長期的な継続を確約するフォワードガイダンスの強化を含む包括的な刺激策を決定する方向に傾いているとされている。

*ポンド「通貨9位、株価12位、国益優先派の主張でポンド上昇」
 合意ある離脱のメイ首相も合意なき離脱のジョンソン首相も成果を上げられない不思議な英国だ。英国下院で9月4日、10月31日の英国のEU離脱(ブレグジット)をさらに延期することに道を開く法案が賛成327票、反対299票で可決された。政府はこれを不服とし、民意を問うための議会解散を求める動議を提出したが、賛成は298票にとどまり、解散に必要となる下院総議席数(650席)の3分の2(434票)には遠く及ばなかった。合意の有無にかかわらず、同期限に離脱することを最大の目標に掲げていたジョンソン首相にとって、大打撃となった。一方、上院では、離脱延期に反対する議員らが100前後の修正案を提出して時間稼ぎをしており、9月9日の週に議会が休会される前に法案が成立するかは、なお予断を許さない。ジョンソン首相も新たな対抗措置を打ち出してくる可能性もあり、状況はなお流動的だ。
 市場は「合意なき離脱」避けられる可能性が高まったことでポンド高が進んでいる。先週は対円で1.65%上昇し131円台のせとなった。
  ジョンソン英首相の弟であるジョー・ジョンソン氏が、閣僚を辞任するとともに、議員も辞職する意向を表明した。家族をも説得できない首相ではだめだろう。ハモンド前財務相は、与党・保守党の造反議員と野党議員が手を組むことで、EU離脱を巡ってジョンソン政権を敗北に追い込めるだけの票を確保できるとの見通しを示した。「個人やキャリアへの脅しよりも国益を優先すべき時だと強く感じている保守党議員のグループがあると思う」と述べた。
 一方、カーニー英中銀総裁はEU離脱により英経済が受ける影響について、昨年末以降に実施された準備により、これまでの想定ほど大きな阻害は受けないとの見解を示した。 また、EU離脱後に英ポンド相場が急落したとしても、中銀は外国為替市場に介入しないとの姿勢を示した。

*豪ドル「通貨6位、株価7位、政策金利を0.25%まで引き下げ見通しも。ただ米中通商会議次第」
豪ドル、豪株価ともに上昇した。米中通商会議の10月開催観測が支えた。さらに需給が改善した。2Q経常収支が1975年以来の黒字となった。主要な輸出産品である鉄鉱石の価格が大きく上昇したことが寄与した。2Qの経常収支は59億豪ドルの黒字。予想は15億豪ドルの黒字を見込んでいた。前期は11億豪ドルの赤字。44年ぶりの経常黒字は、鉄鉱石価格の異例かつ予想外の急上昇が背景だ。供給を巡る混乱や中国の記録的な鉄鋼生産が値上がりを加速させたが、8月は鉄鉱石価格が大きく下げ、経常黒字が短命に終わる可能性が示唆されている。
 2Q・GDPは前年比1.4%増と、約10年ぶりの低い伸びとなった。消費が軟調で、金融・財政政策による景気支援の必要性を浮き彫りにした。プラス成長は大部分が政府支出と輸出の寄与によるもので、国内消費は賃金の伸び悩みに圧迫され、住宅建設は大きく落ち込んだ。
 RBAは政策金利を1%に据え置いた。6月と7月に実施した利下げの影響を見極める狙いとみられ、予想通りの決定となった。RBAは追加利下げに含みを持たせた。ロウ総裁は、国内消費が主な不透明要因になっていることを認めた上で、雇用・物価の押し上げには「長期にわたる低金利が求められると予想するのが合理的だ」と改めて表明した。RBAは「労働市場などの動向を引き続き監視し、経済の持続的成長と長期的なインフレ目標の達成を支えるために必要に応じて金融政策をさらに緩和する」との声明を発表した。
 ANZ銀行はRBAが2020年5月までに政策金利を0.25%まで引き下げるとの見通しを示した。また「量的緩和の必要性を排除することはできない」と述べた。 ただ米中貿易戦争が好転すれば、これらの見通しも一気に覆され先週のように豪ドル高となろう。

*NZドル「通貨11位、株価2位、企業は弱気、株価絶好調、雇用も安定、通貨は若干安すぎる」
 先週は米中通商協議の10月開催観測で、対円で2.48%上昇したが、まだ今年の最弱通貨の一つから抜け出せない。インフレが抑制されていることで中銀の11月追加金融観測があるからだ。8月の企業信頼感指数が、大幅悪化したことも影響している。ただ総悲観ではなく、通貨安と株価上昇でNZ株価指数は先週4.29%上昇、年初来では27.33%高となった。2019年も2.0%前後の成長が予測され、最近の失業率は3.9%で、2008年9月以降では最も低い数字である。低金利と通貨安を享受し株高となっている。ただ他国の通貨安は気になるようで、乳製品大手フォンテラ は人民元の下落は、同社製品をドル建てで買う消費者の購買力低下につながっているとの見解を示した。

テクニカル分析

*ドル円=「ボリバン下限から上限到達、夏の円高から、秋は円安スタート」
日足、8月26日のボリバン下限から9月5日のボリバン上限へ上昇し先週末は一服。9月4日-5日、9月3日-4日の上昇ラインがサポート。9月5日-6日の下降ラインが上値抵抗。5日線上向き。
 20日線は越えている。
週足、2週連続陽線。ボリバン下限から反発。8月12日週-19日週、7月29日週-8月26日週の下降ラインを上抜く。7月29日週-9月2日週の下降ラインが上値抵抗。8月26日週-9月2日週の上昇ラインがサポート
月足、19年6月-7月、18年3月-19年1月の上昇ラインを下抜く。月のボリバン下限に到達してからは戻す。19年5月-8月の下降ラインが上値抵抗。16年6月-19年8月の上昇ラインがサポート。
年足、3年連続陰線。今年は陽線スタートであったが5月に陰転。15年‐17年の下降ラインが上値抵抗。16年-18年の上昇ラインを下抜く

*ユーロドル=「6連続陰線から下ヒゲで戻すも20日線で抵抗され上ヒゲ」
日足、6連続陰線から盛り返すも20日線で跳ね返される。9月3日の長い下ヒゲで上昇も、9月5日の上ヒゲで止められる。9月3日-6日の上昇ラインがサポート。9月5日-6日の下降ラインが上値抵抗。5日線上向き。
週足、ボリバン下限下抜きから逆カブセ的な陽線。8月26日週-9月2日週、8月12日週-8月26日週の下降ラインが上値抵抗。
月足、8月は長い上ヒゲを残す陰線だったが今月は陽線スタート。17年1月-19年7月の上昇ラインを下抜く。19年7月-8月の下降ラインが上値抵抗。17年1月-19年8月の上昇ラインがサポート。ボリバン下限は1.07後半。
年足、17年-18年の上昇ラインを下抜く。14年‐18年の下降ラインが上値抵抗。02年‐17年の上昇ラインがサポート

*ユーロ円=「ボリバン下限から20日線越え」
日足、8月29日-30日の下降ラインが上値抵抗。9月4日-5日の上昇ラインがサポートできるか。9月3日-4日の上昇ラインがサポート。5日線上向き。20日線越え。
週足、8月12日週-26日週の下降ラインを上抜き上昇。7月1日週-9月2日週の下降ラインが上値抵抗。
月足、ボリバン下限下抜きから9月はバンド内へ戻してスタート。19年7月-8月の下降ラインが上値抵抗。
年足、16年-17年の上昇ラインを下抜く。15年-18年の下降ラインが上値抵抗。12年‐16年の上昇ラインも下抜く。

情報提供元:FX湘南投資グループ
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