米中通商協議進展観測も、国内経済指標は悪化

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総括

米中通商協議進展観測も、国内経済指標は悪化

予想レンジ 人民元/円 14.80-15.80

(ポイント)
*8月小売売上、鉱工業生産は悪化
*李首相も成長に悲観的
*米中通商協議は長期戦か
*米国からの輸入品に対する追加報復関税について、16品目を免除の対象とすると発表
*米中通商会議は9月19日から準備会合、10月に閣僚会議
*香港証券取引所は、ロンドン証券取引所(LSE)に買収提案
*今年3回目となる市中銀行の預金準備率の引き下げを実行
*香港は「逃亡犯条例」改正案を正式に撤回した
*8月の財新サービス業PMIが予想を上回った
*習主席は2049年までのリスクへの闘争を示唆、一方トランプ大統領は早期解決を望む
*米国は中国を為替操作国と認定
*中国は通貨バスケット制に基づき元を変動させる.
*トランプ大統領は米企業の中国撤退を促す
*米国は9月1日に発動予定の追加関税を一部延期
*2Q成長率は6.2%に減速 今後は6%割れ予測も出ている
*全人代のCPI上昇目標は3% 

(市況)
先週対円、対ドルで人民元は上昇したが今週はやや一服。通貨バスケット制を採用しているのでその主要構成通貨のユーロが上昇していることで、人民元も上昇した。対ドルで7.18まで上昇したが、先週末は7.05あたり。今週は7.08。
国慶節を前に中国も米国に対して大人の対応を見せているが、米国も国慶節に対して譲歩しているのだろう。米国は来年の大統領選に向け関税合戦が米経済に与える影響を懸念して、中国に限定的な貿易合意案を提示することを協議しているようだ。知的財産や農産物購入に関する中国の約束を取り付ける代わりに、一部関税の発動を延期、あるいは撤回する内容だという。
中国も追加関税の対象とする米製品から大豆や豚肉などの一部農産物を除外すると報じられている。トランプ大統領は一部中国製品への関税引き上げを延期するなど互いに譲歩姿勢を示している。昨日、8月小売売上 鉱工業生産が発表されたが前月、予想をともに下回る弱いものとなった。

(8月鉱工業生産、小売売上悪化)
8月の鉱工業生産は前年同月比4.4%増と、2002年2月以来、17年半ぶりの低い伸びにとどまった。小売売上高も前月から伸びが鈍化し、貿易面の逆風や内需低迷による景気の一段の減速を示唆した。
鉱工業生産の伸びは7月の4.8%から鈍化し、予想の5.2%も下回った。
8月は米中貿易戦争が激化した月だった。その影響が顕著に表れたのが鉱工業品の輸出で、前年比4.3%減と少なくとも2年ぶりの前年割れとなった。
8月の小売売上高は前年比7.5%増。こちらも予想の7.9%増や7月の7.6%増を下回った。

(李克強首相も悲観的)
李克強首相は、中国の経済成長について、ベースラインの高さや複雑な国際情勢を踏まえれば6%以上の成長を維持するのは「非常に難しい」との見解を示した。また、世界経済の減速や保護主義などの台頭により、中国経済は「一定の下方圧力」に直面していると述べた。
ここ数週間、中国の経済成長率はすでに政府の通年目標(6-6.5%程度)の下限を試している、との見方が出ている。2Qの成長率は前年比6.2%と約30年ぶりの低成長だった。

(日本の中国向け輸出も減少)
日本の8月の貿易統計によると、輸出から輸入を差し引いた貿易収支は1363億円の赤字だった。米中貿易摩擦が長引き、中国向けの輸出が前年同月比12.1%減と振るわなかった。液晶デバイス製造用の半導体製造装置の落ち込みが大きかった。

(長期戦か、米中通商交渉)
米国と中国は今週貿易協議を再開し、次官級会合を行う。ただ両国が何らかの合意に達するとしても、それは非常に表面的な解決策にとどまる。両国の貿易戦争はもはや政治的、思想的な闘争に突入し、単なる関税のやり取りという範囲を大きく超えている。
中国共産党が、「官営」の経済を根本から改めろという米国の要求に屈する公算は乏しいし、米政府もいくつかの中国企業を国家安全保障上の脅威とみなす考えを撤回するつもりはない。クドロー米国家経済会議(NEC)委員長は、米中の対立解消には10年かかってもおかしくないと発言。中国人民銀行の有力な政策顧問だった余永定氏は、中国は合意を急いでいないと語った。

テクニカル分析(人民元/円)

10連続陽線ならず

日足。9連続陽線で止まる。ボリバン上限から反落。9月13日-18日の下降ラインは上抜くか。9月12日-18日、8月26日-9月4日の上昇ラインがサポート。5日線上向き
週足。ボリバン下限下抜きから戻す。8月12日週-9月2日週の下降ラインを上抜く。
4月22日週-7月29日週の下降ラインが上値抵抗。
月足、6月-7月の上昇ラインを下抜きボリバン下限を下抜く。4月-5月の下降ラインが上値抵抗。9月は漸くボリバン内へ回復。
年足、16年-18年の上昇ラインを下抜く。16年-18年の下降ラインが上値抵抗。11年-12年の上昇ラインがサポート。

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チーファンラマ

香港で来週から市民対話、林鄭長官が約束

香港政府トップの林鄭月娥行政長官は、市民との対話に直接関与すると表明、来週から対話を開始する方針を示した。対話はできる限り開かれたものとし、市民が申し込みを通じて参加できる形にすると約束した。しかし、抗議活動の沈静化につながるかどうかは不透明だ。
林鄭長官は今月4日、抗議デモの発端となった「逃亡犯条例」改正案を完全撤回すると発表したが、抗議活動はその後も継続。先週末も政府に抗議するデモ隊と親中国派のデモ隊が衝突するなどし、89人が逮捕された。抗議者側は普通選挙の実現など「五大要求」の実現を訴えている。
林鄭氏は、住宅・土地の不足など「問題は改正案だけにとどまらない」と表明。暴力行為の停止も改めて求めた。また格付け会社ムーディーズが「香港の制度の強さが損なわれる」リスクを理由に香港の格付け見通しを「安定的」から「ネガティブ」に変更したことについては失望感を表明。「同意できない。特に一国二制度が守られているかどうかを見通し変更の根拠としている場合は同意できない」と述べた。中国は一国二制度を順守しているとの立場を示している。

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