「延期後の合意なき離脱の可能性は一段と高い?」(ナットウエスト・マーケッツ証券 劔崎 仁氏 特別寄稿)ハードブレグジットに備えよ!英国EU離脱特集

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延期後の合意なき離脱の可能性は一段と高い?

英10月末のEU離脱期限まで残すところ3週間となる中、17、18日の欧州首脳会議で新たな合意を交わすには、向こう1週間余りに協議に実質的な進展が必要となる。ただ、現時点でEU側が、英政府が提案した南北アイルランド間の国境管理策をそのまま受け入れるのはもちろんのこと、大幅な譲歩を用意する可能性も低い。

一方、ジョンソン首相は、離脱延期法が成立した後も、合意なき離脱も辞さない構えを崩していない。仮に、同首相が離脱期限の延期要請を拒否し続けた場合、野党勢は内閣不信任案を提出する可能性が高い。とはいえ、19日以降に内閣不信任案が可決した場合でも、10月末までに同首相に代わる暫定首相を擁立できるかは極めて不透明である。

離脱延期法の条文では、政府ではなく、首相に離脱期限の延長要請を義務づけていることから、暫定首相が擁立できず、10月末時点でジョンソン氏が首相の座にとどまっていれば、訴追や弾劾を覚悟で離脱期限の延期要請を拒否し、そのまま離脱期限を迎える恐れがある。
ただ、上記の事態を警戒し、19日の期限が来る前にジョンソン首相に離脱延期要請に応じる司法命令を下すことを求める訴訟や、同首相が離脱期限の延期を要請する書簡に署名しない事態に備え、裁判所が書簡に署名・送付することを求める訴訟も提起されている。以上を総合して、現段階で10月末の合意なき離脱の可能性は完全には排除できないものの、我々のメインシナリオではない。

一方、10月末に延期が決定されたとしても、来年1月末での合意なき離脱の可能性は一段と排除できないかもしれない。解散総選挙を経て過半数を超える保守党によって構成される政府が誕生した場合、EUの譲歩が不十分な状況に対して、現時点以上に合意なき離脱を容認する姿勢が鮮明となる可能性がある。こうした事態に直面した場合、BoEは大幅な利下げに踏み出す可能性が高く、英ポンドの大幅な下落は避けられないだろう

<英国EU離脱特集>

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ナットウエスト・マーケッツ証券
ジャパン・チーフエコノミスト 劔崎 仁氏

慶應義塾大学大学院経済学研究科修士課程修了後、2004年4月に日興シティグループ証券(現シティグループ証券)に入社。シティではエコノミストとして日本経済指標の予測、日本経済に関するレポートの執筆、日本・海外経済に関する機関投資家向けプレゼンテーションに従事した。2013年4月からアール・ビー・エス証券会社東京支店(現ナットウエスト・マーケッツ証券会社)において、外国債券ストラテジスト、2015年7月からシニアエコノミスト、2019年9月からチーフエコノミストとして海外経済・金利・為替(主 に米国、欧州、中国)の調査・分析を担当するとともに、2016年1月以降はナットウエスト・マーケッツの日本経済見通しの責任者も務め、年間200件の機関投資家向けプレゼンテーションに従事している。

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