秋の円安もボリバン上限でドル円伸び悩み

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総括

秋の円安もボリバン上限でドル円伸び悩み

ドル円=106-111、ユーロ円=119-124 、ユーロドル=1.09-1.14

通貨ごとの注目ポイント

*円通貨4位、株価11位、秋の円安もボリバン上限でドル円伸び悩み
 先週のドル円は伸び悩んだが、クロス円では上昇し全体的には円安が進んだ。上半期や夏の円高とは打って変わって秋の円安が進んでいる。需給のなせる業である。日経平均も円安で、年初来の上昇幅が二桁にのせた。マイナス金利は為替相場には大きな影響はないが、株式市場には日銀の株購入もあり、需給を支えている。為替は別の話で貿易収支と、季節的に起きる輸出入業者のリーズ&ラグズ(上半期は輸出の円買い先行、秋から輸入が目立つ)で動いていく。
 政府は日米貿易協定によりGDPが、同協定がない場合と比べて約0.8%押し上げられるとの暫定試算を公表した。関税引き下げで牛肉などの価格が下がることで所得が増え、輸入・投資も増えるとの前提で、一般的な経済モデルで計算した。今後の協議対象となっている米国側の自動車・同部品関税については撤廃されると仮定している。18年度の年度のGDP水準で換算すると約4兆円のGDP押し上げ効果があり、労働供給も、同貿易協定がない場合と比べ約0.4%増えるとみている。消費が増えることは円安要因だ。
 一方、10月の月例経済報告では「輸出を中心に弱さが長引いている」として総括判断を5カ月ぶりに下方修正した。雇用の安定などを理由に「景気は緩やかに回復している」との基本認識は維持したが、世界経済の減速の影が濃くなってきた。先行き不透明感も強まっており、消費増税後の消費者心理や台風19号などの被害の影響に留意する考えを示した。
 ムニューシン米財務長官は、日本と米国が正式署名した貿易協定には、意図的な通貨安誘導を防ぐ「為替条項」が「盛り込まれていない」と述べた。

*米ドル通貨5位、株価(NYダウ)10位、クリスマス前に成果を出したい大統領、FRBでは意見分かれる
 感謝祭、クリスマスが近づき、大統領も成果を出したいところだ。米中通商協議は部分的とは言え合意しそうだ。トルコのシリア侵攻については取りあえず5日間の停戦で合意したが、そもそも米軍のシリア撤退という失策があったのではないだろうか。トランプ大統領はまたFRBに利下げを常々要求しているが、FRB内では意見が分かれている。ジョージ・カンザスシティー連銀総裁は金融政策余地が限られる環境において「予防的」な緩和政策は金融不安定化を招く恐れがあるとし、追加利下げは必要ないとの見解を示した。一方カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁は、景気見通しに対するリスクを踏まえると金融政策は「幾分緩和的」である必要があるとし、一段の利下げを引き続き支持する姿勢を示した。 カシュカリ総裁は、米国の家計消費はなお堅調だが雇用の伸びは減速したとし、米中貿易戦争と英国のEU離脱を巡る先行き不透明性で見通しが引き続き影響を受けていると指摘。リセッション入りは予想していないとしながらも、ここ半年の間に下方リスクは増大したと指摘。関税措置は物価押し上げには寄与せず、むしろ信頼感が損なわれることで低インフレにつながるとの見方も示した。金利先物市場では、今月のFOMCで利下げが決定される確率は90%であることが示されている。先週の経済指標は9月小売売上、鉱工業生産、住宅着工、フィラデルフィア連銀業況指数が弱かった。ベージュブックでは景気が「わずかから緩やかに拡大」したと、従来の「緩やかに拡大」から判断を下方修正した。米中貿易摩擦で企業が慎重姿勢を強めていると指摘した。

*ユーロ通貨7位、株価5位(DAX)、FRB同様にECB内で意見分かれる
 英のEU離脱交渉進展で対ドルで3週連続、対円で2週連続上昇した。ただユーロ圏内では、ドラギ総裁は、金融市場と不動産市場で過大評価の「緩やかな兆候」が出ているとし、景気が減速する中、安定に対するリスクが台頭しているとの考えを示した。総裁は「世界的な見通しの悪化を受け、金融安定を巡る環境が厳しい状況は続いている。金融市場と不動産市場の一部の高リスク部門でバリュエーションが過大評価される緩やかな兆候が出ている」と指摘した。ECB理事会には引き続き必要に応じてすべての政策手段を調整する用意があるとしたほか、金融政策の効果を他の政策で拡大させることは可能で、拡大されるべきとの考えも示した。
 一方、独連銀のワイトマン総裁はECBがユーロ圏の物価安定化という責務を堅持すべきとの見解を示した。 ラガルド次期総裁の下でECBがどう政策を変更すべきかという議論の中で、ワイトマン氏は「中銀がその責務を綿密に解釈することにこだわるのが一層重要だと思う、もし責務の解釈が拡大されれば、いずれ中銀の独立性が問題になるだろう」と警鐘を鳴らした。 また、ECBがユーロ安を誘導しているというトランプ米大統領の批判を一蹴し、「米国とEU双方が25%の追加関税を課せば、連銀の試算では米国の生産レベルが中期的に1.5%縮小する可能性がある」と述べた。 また、ECB理事会メンバーのホルツマン・オーストリア中銀総裁は、ECBが拡張的な金融政策や物価目標を再考すべきだと語った。 ホルツマン総裁は「根本的には枠組みに疑問を持っている」とし、「現状が正しいかどうか見直しを求める」と述べた。 ラガルド次期総裁の就任後に、2%に近いがこれを下回る水準としている物価目標が修正される可能性は高いとし、現在のユーロ圏の経済環境において慢性的に低いインフレ率を引き上げるために膨大な取り組みをすることは疑問の余地があると述べた。

*ポンド通貨3位、株価13位、EU離脱に合意観測で上昇も、まだ不透明
 英のEU離脱交渉進展観測で先週のポンドは対ドル、対円でそれぞれ約2.4%上昇した。年間通貨番付では円を抜いて3位に上昇した。ただポンド上昇でFT株価指数は1.3%下落した。10月19日、英下院は、ジョンソン首相がEUと合意した新たな離脱案の採決について、関連法案が成立するまで先送りするとの動議を322対306の賛成多数で決議した。この決議は、先に首相がEUと合意した新離脱案に対する英議会の承認が同日中に得られないことを意味した。これにより、議会が9月に成立させた法律に従って、首相は英国の離脱期限を当初予定の10月31日より先に延ばすよう書面でEUに要請する義務を履行しなければならない。
しかし、首相は決議後、改めてその義務を拒否、10月末の離脱実施に向けた強硬姿勢を強調した。「私はEUと離脱延期について交渉するつもりはないし、法律にそれを強制されることもない」と議会で表明。EUとの離脱合意について、10月22日に英議会で採決すると述べた。
 さて経済指標では、6-8月の英就業者数は5万6000人減の3269万人と、予想外の減少となった。厳しい経済情勢を受けて、これまで好調だった英国の雇用に陰りが見え始めているとされた。
9月の小売売上高指数は、前月比横ばい、前年比3.1%上昇だった。ともに8月(前月比0.3%低下、前年比2.6%上昇)から回復したが、前年比上昇率は予想にわずかに届かなかった。
不振が数カ月続いた食品販売店が持ち直す一方、百貨店については悪材料が増えている。百貨店など、非専門店の売上高は前年比2.0%減少と、英経済がリセッションに陥った2009年1Q以降、最大の落ち込みを記録した。

*豪ドル通貨8位、株価7位、雇用改善、RBA総裁はマイナス金利に否定的
 米中通商協議の進展と雇用統計の改善で2週連続で上昇した。9月雇用統計は、失業率は7カ月ぶりに低下した。労働市場の引き締まりを示す初期の兆候が出始めている可能性がある。失業率は5.2%と、1年ぶりの高水準だった前月の5.3%から低下。求職活動者の減少が背景にある。フルタイム就業者数は2万6200人増で、全体の増加分全てを占めた。RBAは景気浮揚に向けて今年3回の利下げを行っており、雇用統計の改善は歓迎すべき材料となりそうだ。ただ、失業率は中銀が望ましいとする4.5%を引き続き大幅に上回っているため、さらに改善しなければ追加緩和策の必要性が低下したとは見なされないとみられる。
先物市場が織り込む11月利下げの確率は20%となっており、12月は同確率が60%に上昇している。
 ロウRBAロウ総裁は、インフレや経済成長の目標を達成するためにマイナス金利が必要になる可能性は「非常に低い」との認識を示した。ただ、低金利だけでは、必ずしも投資を促すことはできないかもしれないとも指摘した。通商や地政学面での不透明感を払しょくするための措置を講じ、設備投資環境の改善に向け構造改革を行う必要があるとの認識を示した。
総裁は「明らかにわれわれは現在、金融緩和によりリターンが縮小しているという状況にある」とし「それを踏まえると問題の解決策は他にある。つまり、投資を奨励する環境を作り出すことだ」と強調した。

*NZドル通貨11位、株価3位、2週連続NZドル上昇も利下げ見通しは強い
 NZ中銀のバスカンド副総裁は「インフレ率や持続可能な完全雇用という目標を達成するため、一段の低金利がまだ必要かもしれない」と発言した。3Qの消費者物価は、前年比1.5%の上昇、2Qの同1.7%から伸びが鈍化した。ただ予想(1.4%上昇)は上回った。10月15日の乳製品大手のフォンテラ社の入札も3回連続で上昇した。市場では米中通商協議の進展、NZ財政の改善、消費者物価が予想を上回ったことでNZドルは上昇した。
 政策金利については中銀だけでなく民間エコノミストでも利下げ観測がある。インフレ見通しを支えるため、中銀は11月と20年2月、5月に利下げを行い、政策金利は0.25%にまで引き下げられる、政策金利が「事実上の下限(ELB)」に達した時のために、より伝統的でない金融政策手段を講じるための準備も進めているというものだ。

テクニカル分析

*ドル円=「ボリバン上限から3連続陰線 20日線は107.80あたり」
日足、ボリバン上限から3連続陰線。10月11日-15日の上昇ラインを下抜く。8日-9日の上昇ラインがサポート。10月17日-18日の下降ラインが上値抵抗。5日線上向きも下抜き。20日線は107.80あたり。雲上。
週足、8月26日週-10月7日週の上昇ラインがサポート。10月7日週-14日週の上昇ラインはサポート出来ないだろう。4月22日週-10月14日週の下降ラインが上値抵抗。
月足、19年6月-7月の上昇ラインを下抜く。月のボリバン下限に到達してからは戻す。19年5月-8月の下降ラインを上抜く。18年12月-19年5月の下降ラインが上値抵抗。19年8月-9月の上昇ラインがサポート。
年足、3年連続陰線。今年は陽線スタートであったが5月に陰転。15年‐17年の下降ラインが上値抵抗。16年-18年の上昇ラインを一時下抜く

*ユーロドル「7月19日以来の雲の上に」
日足、10月11日-15日の下降ラインを上抜き4連続陽線。ボリバン上限上抜け。雲の上へ。10月17日-18日、15-16日の上昇ラインがサポート。5日線上向く。
週足、9月16日週-23日週の下降ラインを上抜き3週連続上昇。8月5日週-10月14日週の下降ラインが上値抵抗。9月30日週-10月7日週の上昇ラインがサポート。
月足、19年7月-8月の下降ラインを上抜く。17年1月-19年9月の上昇ラインがサポート。19年1月-6月の下降ラインが上値抵抗。
年足、17年-18年の上昇ラインを下抜く。14年‐18年の下降ラインが上値抵抗。02年‐17年の上昇ラインがサポート

*ユーロ円=「4連続陽線も10月17日の長い上ヒゲを18日は上抜けず」
日足、下限に近付いたかと思ったら急反発、一時ボリバン上限に沿いつつ上昇。雲の上。4連続陽線も10月17日の長い上ヒゲを18日は上抜けず。10月17日-18日の下降ラインが上値抵抗。10月17日-18日、11日-15日の上昇ラインがサポート。5日線上向き。
週足、9月16日週-23日週の下降ラインを上抜く。10月7日週-14日週、9月2日週-10月7日週の上昇ラインがサポート。7月1日週-10月14日週の下降ラインが上値抵抗。
月足、ボリバン下限下抜きから戻す。19年7月-9月の下降ラインを上抜く。3月-4月の下降ラインが上値抵抗。
年足、16年-17年の上昇ラインを下抜く。15年-18年の下降ラインが上値抵抗。12年‐16年の上昇ラインも一時下抜く。

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