米中通商協議、英EU離脱、米大統領弾劾などゴタゴタあるも金融市場は落ち着いている2019年

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総括

米中通商協議、英EU離脱、米大統領弾劾などゴタゴタあるも金融市場は落ち着いている2019年

ドル円=106-111、ユーロ円=118-123 、ユーロドル=1.08-1.13

通貨ごとの注目ポイント

*円通貨3位、株価11位、秋の円安だが小規模に留まる
(先週=貿易統計 全産業活動指数 景気先行指数 →今週=企業向けサービス価格 東京消費者物価 小売販売 日銀会合 鉱工業生産 住宅着工 消費者態度指数 雇用統計)

(トランプ大統領は、米軍がシリアで行った軍事作戦の結果、過激派組織ISの指導者、バグダディ容疑者が死亡したと発表した。市場には大きな影響はないだろう)

 日銀は今週の金融政策決定会合では緩和姿勢を示しつつ追加策は温存する政策を続けるだろう。海外経済が減速しているが、国内経済は堅調さが続く見通しのためだ。為替相場の安定も、緩和策の温存を後押ししている。日銀の黒田総裁も、金融緩和の長期化に伴う副作用に十分に配慮した政策運営に努める考えを強調した。追加緩和に踏み切る際は「副作用にも手当てする」と述べ、緩和と副作用を和らげる措置を一体で検討すると改めて訴えた。緩和の長期化が避けられないなか、政策の持続性を高める狙いもありそうだ。
一方、10月の月例経済報告の総括判断では「緩やかに回復」の基調判断を維持しつつ、表現を「輸出を中心に弱さが長引いているものの、緩やかに回復している」に下方修正した。日本の輸出は前年比で10か月連続減少している。若干だが貿易赤字になりつつあり、かつ円売りが出やすい秋の実需需給もあってドル円相場は安定している。海外の年末決算前のリパトリもありこの円安の流れは続くだろう。
 既にGPIFは外債投資の拡大を表明しているが、生保も下半期運用計画では慎重ながらも円高局面では外債投資を増加させる計画であることを公表している。


*米ドル通貨5位、株価(NYダウ)10位、雇用統計は悪化か、大統領は成果を出したい
(リッチモンド連銀製造業  耐久財受注 新規失業保険 製造業・サービス業PMI 新築住宅販売 →ケース・シラー住宅価格 消費者信頼感 ADP雇用統計 FOMC 個人所得支出 新規失業保険 シカゴPMI 雇用統計 ISM製造業景況指数 建設支出)

 今週のFOMCではFF金利の誘導目標レンジを0.25ポイント引き下げて1.5-1.75%とする決定が下されると見方が多い。ただ追加利下げがあった場合、パウエル議長が次回利下げがあるにしてもそれまでしばらく休止する可能性を示唆するだろうとの予測も高まっている。パウエル議長はさらなる利下げに何らかの形で抵抗を示唆する可能性があり、タカ派的な利下げとなるのではないかとの見方もある。
 今週は10月雇用統計も発表されるが、GMのストの影響で非農業部門雇用者数が少なくとも4万6000人押し下げられる可能性があるようだ。ストに入っている間に無給となる従業員は統計上は失業者として扱われる。GMのストの影響は製造業活動に関する経済指標にも広がっており、9月の鉱工業生産指数は製造業部門が0.5%低下。前月の0.6%上昇から反転し、予想の0.2%を超える低下となった。
 2019会計年度の財政収支は、赤字額が9840億ドルとなり、前年度の7790億ドルから拡大して7年ぶりの高水準になった。税収が増える一方、歳出や国債の利払い費がかさんだ。
さて民主党によるトランプ大統領の弾劾調査は進んでいる。テイラー駐ウクライナ代理大使の証言は重要な手掛かりを与える衝撃的なものとなった。証言内容は近く公表される見通しだ。
 苦しい状況に置かれているトランプ大統領だが劣勢挽回のためには米中通商協議で成果を出すことが最低条件だろう。株価は弱い経済指標が続いても強い。米国だけではなく世界的な金融緩和で株価に資金が流れやすい状態となっている。

*ユーロ通貨10位、株価6位(DAX)、低成長だが追加金融緩和に反対論あり
(欧 製造業・サービス業PMI 政策金利 独 生産者物価 GFK消費者信頼感 IFO企業景況感→欧 経済信頼感 失業率 GDP 消費者物価 独 雇用統計 消費者物価)

 ECBは政策金利を据え置いた。また11月から月200億ユーロのペースで資産買い入れを再開し、「必要な限り」継続することを確認した。ユーロ圏全体の成長率は低調だが、ドラギ総裁は緩和的な金融政策の恩恵はリスクをはるかに上回るとし、「できる限り最善の方法で職務を全うしようとしてきた」と主張。理事会内部の対立に関しては「継続する議論の本質的部分であると捉えている」とした。
また、ECBが超低金利やマイナス金利による意図しない影響に引き続き注視しているとした上で、これらの金利が融資拡大を通じて経済を刺激し、雇用増加を支援したと述べた。資産買い入れ再開を巡っては、独やオランダ、オーストリアの中銀総裁など少数のタカ派だけではなく、フランスの理事会メンバーも反対している。ECB内の混乱は続くもようで、ラガルド次期総裁は超緩和的な政策が預金者や金融機関、年金基金の打撃となり、物価押し上げ効果はほとんどない一方で金融バブルにつながるという反対論に対処しなければならない。ECBは2%に近いが下回る水準とインフレ目標を設定しているが、9月はわずか0.8%にとどまる。ラガルド氏は政策を見直す方針で、新体制の下でこの目標は変更される可能性もある。
 独IFO経済研究所が発表した10月の業況指数は9月と同じく94.6で、予想(94.5)をわずかに上回った。IFOは独経済は4Qに若干の成長を取り戻すとの見方を示した。ただ3Qの独経済は独連銀は、3Qにマイナス成長となった可能性があり、輸出の減速の影響が国内経済に波及する恐れがあると指摘した。


*ポンド通貨3位、株価13位、12月12日の総選挙案浮上、ただまだ不透明
(ライトムーブ住宅価格→GFK消費者信頼感調査 製造業PMI)

 ここ数週間は、英国のEU離脱を巡る展開でポンドは乱高下した。ジョンソン首相がEUと離脱協定案で合意した際は市場心理が好転したものの、英議会が離脱合意案の実行に不可欠な関連法案をスピード審議する議事日程を否決したことで慎重な姿勢に戻った。その後、EUは、英国の離脱期日の延期で合意した。ただ延期後の新たな期日は示さず、ジョンソン英首相が提案した総選挙実施について英議会が討議する時間的な猶予を与える格好となった。EU当局者は協議後、「延期が必要との完全な見解の一致があった」と述べた。週末にかけてさらに協議を進め、今週28日、もしくは29日に再度会合が開かれる可能性があるとしている。
ジョンソン首相は前日、EU離脱を巡る混迷打開に向け12月12日の総選挙実施を提案。ただ首相に議会解散権はなく、野党の同意が必要となるため、総選挙が実現するかどうかは不透明だ。
 ジョンソン首相は最大野党・労働党のコービン党首に宛てた書簡で、「この悪夢を終わらせ、理にかなった形で可及的速やかに解決策をもたらすことがわれわれの責務である」と述べ、総選挙実施への支持を訴えた。首相はさらに「何度も繰り返される延期は景気にとって悪いだけでなく、企業や将来の計画を立てようとしている大勢の国民にとっても悪い」と記した。 労働党は合意なき離脱の可能性が排除され、EUが離脱期限延期を認めるなら総選挙実施を支持するとの姿勢を打ち出している


*豪ドル通貨9位、株価8位、IMFが成長見通しを下方修正
(なし→消費者物価 住宅建設許可、輸入物価指数 卸売物価) 

豪ドル円は3週連続陽線とならなかった。IMFは豪の経済のGDP成長率の見通しを2019年が1.7%、2020年が2.3%と、いずれも前回(2019年4月時点)からそれぞれ0.4ポイント、0.5ポイント引き下げた。RBAが2019年8月に公表した経済見通しでは、2019年が2.4%、2020年が2.8%の予測だったが、それを大きく下回る結果となった。IMFは貿易障壁や地政学的な緊張の高まり、先進国における生産性の低下によるものとしている。RBAが10月1日に政策金利を過去最低の0.75%に引き下げたが、低金利が国民の所得や貯蓄に対してマイナスの影響を与え得ることを認め、金融刺激策が期待どおりに機能していない可能性について議論していた。
 ただIMFは、豪の経済成長は米国を除くG7各国を上回る見通しだとして、「現時点では新たな財政政策よりも、減税、インフラ投資、雇用、自由貿易の推進など、これまでの経済運営を継続することによって、力強い経済を確保していく」と述べている。今週はRBA総裁の講演や消費者物価の発表がある。


*NZドル通貨11位、株価4位、貿易赤字が続く。利下げ見通し消えず
(貿易収支 →住宅建設許可 NBNZ企業信頼感)

 米中通商協議の進展で世界的にリスク選好の流れとなったが、3週連続のNZドル円の上昇とはならなかった。需給的には2Qは貿易黒字であったが、3Qは7,8,9月とも赤字に終わったことも伸び悩んだ理由だ。
3Qの消費者物価は、前年比では1.5%上昇し予想の1.4%上昇を上回った。賃貸料やたばこの値上がりが前年比の伸びを加速させた。しかしバスカンド中銀副総裁は追加利下げが必要になるかもしれないとの認識を示した。「インフレ率や持続可能な完全雇用という目標を達成するため、一段の低金利がまだ必要かもしれない」と発言した。さらに、政策金利が「事実上の下限(ELB)」に達した時のために、より伝統的でない金融政策手段を講じるための準備を進めていると説明した。民間からも中銀が引き続き注目するのは減速中の経済で、インフレ見通しを支えるため、中銀は11月と2月、5月に利下げを行い、政策金利は0.25%にまで引き下げられるとの見方が出ている。

テクニカル分析

*ドル円=「ボリバン上位でもみ合う秋需給」
日足、ボリバン上位で横ばい推移。10月23日-25日の上昇ラインがサポート。10月17日-25日の下降ラインが上値抵抗。5日線上向き。
週足、10月14日週-10月21日週、8月26日週-10月7日週の上昇ラインがサポート。10月14日週-10月21日週、4月22日週-10月14日週の下降ラインが上値抵抗。
月足、月のボリバン下限に到達してからは戻す。19年5月-8月の下降ラインを上抜く。18年12月-19年4月の下降ラインが上値抵抗。19年8月-9月の上昇ラインがサポート。雲下。
年足、3年連続陰線。今年は陽線スタートであったが5月に陰転。15年‐17年の下降ラインが上値抵抗。16年-18年の上昇ラインを一時下抜く


*ユーロドル「4週ぶり週足陰線」
日足、10月21日のボリバン上限上抜きの波高し線から下落し雲中へ。10月24日-25日、10月21日-24日の下降ラインが上値抵抗。10月8日-9日の上昇ラインがサポート。ボリバン中位。5日線下向き。
週足、4週ぶり陰線。ボリバン中位上抜けきれず。9月30日週-10月14日週の上昇ラインがサポート。6月24日週-10月21日週の下降ラインが上値抵抗。
月足、19年7月-8月の下降ラインを上抜く。17年1月-19年9月の上昇ラインがサポート。19年1月-6月の下降ラインが上値抵抗。
年足、17年-18年の上昇ラインを下抜く。14年‐18年の下降ラインが上値抵抗。02年‐17年の上昇ラインがサポート


*ユーロ円=「ボリバン上限で山なりに下落
日足、ボリバン上限で山なりに下落。10月24日-25日の下降ラインが上値抵抗。10月17日-18日、11日-15日の上昇ラインがサポート。5日線上向き。
週足、9月16日週-23日週の下降ラインを上抜く。10月7日週-14日週の上昇ラインを下抜く。9月2日週-10月7日週の上昇ラインがサポート。7月1日週-10月21日週の下降ラインが上値抵抗。
月足、ボリバン下限下抜きから戻す。19年7月-9月の下降ラインを上抜く。3月-4月の下降ラインが上値抵抗。
年足、16年-17年の上昇ラインを下抜く。15年-18年の下降ラインが上値抵抗。12年‐16年の上昇ラインも一時下抜く。

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