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若手トレーダーKさんに聞く!(前編)「確率論で攻めるFX」

大手化学メーカー研究職のKさんは、現在29歳の兼業トレーダーです。わずか3年のFX歴ながら、年間収支で約200万円を超える好成績を収めるまでになりました。毎日、会社で働きながら、一体どうすれば、それほどの成績を残せるようになるのでしょうか。投資家として短期間で急成長できた理由や本業との両立などについて話を伺いました。

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I・K氏 プロフィール
年齢性別:20代男性
職業:化学メーカー勤務
取引歴:約3年
FXの年間収支:約200万円
投資商品:個別株とFX
趣味:ゴルフ

遊ぶところがなくて始めたFX

PickUp編集部:
Kさんは大手化学メーカーで勤務されている兼業トレーダーですが、そもそもFXを始められたのはいつですか?
Kさん:
働き始めてからなので、約3年前ですね。当時、私は会社の寮がある茨城に住んでいました。することといえばゴルフぐらいで、他に遊ぶものがないんです(笑)。稼いだ給料を使うところがないので、お金はどんどん貯まりました。ある程度貯まったときに、「眠らせておくのはもったいない」という気持ちになりました。「どうしようかな」といろいろ考えましたが、ただ、単元株に手が出せるほど、お金があったわけではなかったので、少額からできて、手数料もそんなにかからないFXがいいのではないかと思いました。

お金に余裕はできてきましたが、特に出会いがあったわけでもなく、結婚の予定もなく、ゴルフ以外にすることはないし、「それじゃあFXでもやってみようか」という感じです(笑)。

遊び好きからFXトレーダーへ

PickUp編集部:
FXを始めるようになる具体的なきっかけはありませんか?
Kさん:
私はもともと遊びが好きなんです。茨城はパチンコ店が結構多くて、よく通っていました。私にとってFXは「24時間できるパチンコ店」みたいなイメージでした(笑)。それで「ちょっと投資にチャレンジしてみよう」と思ったんです。自分は大学でデータサイエンスを専攻していましたから、確率論の知識は十分にあると思っていました。パチンコは情報がすべてオープンになっているので、本来であれば、絶対に負けるはずなんですけれど、なぜか特定の機種で、やたらと勝っていたんです。同じ機種なら、どの台に座っても勝つんです(笑)。
PickUp編集部:
FXに対する関心は昔からあったんですか?
Kさん:
私には投資に興味を持つようになる原体験がありまして、実は中学校の社会科の授業なんです。「100万円あったらどの株を買って、いくらもうけられるか」というような授業があって、それがすごく楽しかったんです。みんなは途中で飽きてやめてしまいましたが、私はずっと続けてノートに記録していました。1社の株に全額を投入して、1円でもプラスになったら、利益を確定する行為を繰り返し、架空ですが「財」を築いた記憶があります(笑)。これが最初のきっかけかもしれません。

ドル/円市場はなくならない

PickUp編集部:
最初の投資金額は?
Kさん:
有り金をすべて突っ込みました。390万円を入れた計算になります。あっ、100万円だけ残したんだ。100万円を残したのは「それくらいあれば、何かあっても大丈夫だろう」という考えからです。
PickUp編集部:
通貨ペアは何を選びましたか?
Kさん:
ドル/円です。レバレッジは、どんな場合でも7倍までしかかけないのですが、当時は15倍でやっていましたね。その後、いろんな教訓を学び、今は7倍にしています。なぜドル/円を選んだかというと、大手といわれるような会社に勤めていますが、会社の経営がどうなるかなんて正直分かりませんし、持ち株会で手にした株も、この先どうなるかなんてわからないわけです。でも通貨は、最後まで残るんじゃないかと思うんです。もし仮になくなるとしても、いろんな会社が潰れた後じゃないでしょうか。さらに、いろんな通貨ペアの中でも、市場がなくならないのは、ドル/円だと。アメリカと日本のどちらかがなくならない限り、ドル/円の市場はなくならない。その二つの国がなくなる前に、ほかの国の通貨がなくなっているはずで、そういうときは資金が集中してくるはずで、そういう意味でも、FXをやるなら、ドル/円でいいと思っています。

確率的に1%でも勝ちが多ければFXは勝てる

PickUp編集部:
FX取引の勉強は事前にされましたか?
Kさん:
実は知識がほとんどないまま始めてしまい、最初の1週間で100万円を超える損失を出してしまったんです。その後、またすぐに損失を出して、負けが180万円になりました。残金が200万円になった段階で、初めてFXの本を読み始めました。
PickUp編集部:
その時点で取引をやめようとは思いませんでしたか?
Kさん:
それはなかったですね。失敗をしたときと反対の売買をすればいいと思っていましたから。FXは「売り」からでも入れますから。
PickUp編集部:
大負けしても、取引をやめずに、踏みとどまれた理由はなんですか?
Kさん:
特に理由はなかったですね。ただ、こじつけかもしれませんが、確率を勉強していたので、なにごとも、「ずっと同じ方向にいくことはない」と思っていました。株式では成長企業がずっと成長を続けると株価が上昇をし続けるようなことがあるだろうと思いますが、FXの場合は、国の情勢が変わると、簡単に相場が反転します。それに対して各国政府は、為替相場で自国の経済に影響が出ないように対策を取りますので、どんなに相場が動いても、最終的に一定の範囲に入るはずなので、FXは勝率が60%でも勝てるはずです。なんだったら51%でも、勝ちが多ければ勝てるはずだと思いますから。だから、「負けが大きくなっているので、もう止めてしまおう」なんてことは思いもしませんでした。
PickUp編集部:
これまでたくさんインタビューしてきましたが、確率からFXを考えているトレーダーに会うのは初めてです。
Kさん:
本当ですか?そうは言うものの、確率論を持ち出して、自分を奮い立たせていたのかもしれません。結構失いましたから(笑)。それでも、「ずっと失うばかりではない」と思っていました。

北のミサイル攻撃で負け分を取り返す

PickUp編集部:
負けが込んだ状態になってから勉強されたということでしたが、具体的には、どのような勉強をしたんですか?
Kさん:
一応、インターネットで提供されているような情報は見ました。でも、あんまり“ピン”とこなかったんで、結局、自分で試行錯誤をしながら、学習することになりました。最初はレバレッジを15倍くらいに設定して、全額をかけていましたが、さすがにそれは“マズい”と気がつきまして(笑)。ネットの情報でも「負けパターン」として書かれていましたし(笑)。それから私は、世界情勢に関するニュースをチェックするようになりました。当時は北朝鮮がミサイルをバンバンと撃ち始めたころです。1ドルが110円を少し超えるくらいのレートでしたが、北朝鮮がミサイルを撃ったら、ドルが下がっていった。トランプ大統領の就任以降、ドル/円相場は1ドル104~110円のレンジで推移していましたが、為替レートがこのレンジの“上”のほうにあるとき、北がミサイルを撃つと「これはドルが下がる材料でしかない」ということになりますよね。ちょうど200万円を失ったタイミングで、国際的にそういう情勢になっていましたから、「まずはショートポジションで利益を狙っていこう」という方針をたてるようになりました。
PickUp編集部:
始めたころは、エントリーをするときに、方針をたてず、何も考えてなかったと。
Kさん:
何も考えていませんでしたね。でも、大きな損失を出してからは、きちんと考えるようになり、年内中に負け分をすべて取り返しました。レバレッジを一気に下げて、取引量は30枚だったのを1枚ずつにするなど、投資スタイルを大幅に修正しました。こうすると「様子見」ができるようになります。私の場合は、元手が390万円ですから、100万円以上減ると余力は半分になってしまいます。確率論になりますけれど、もう一度、同じことが起こったら、ゼロになっちゃうわけで。そこはリスクを減らさないといけないと考えるようになりました。
PickUp編集部:
心の余裕を持つことで、自分の考えが間違っていたら、修正できるようになったということですか?
Kさん:
そうですね。だから損切りをしても、「痛い」という感覚は減りました。
PickUp編集部:
ほかにはどのような勉強を?
Kさん:
うーん、勉強というよりも、単純に売買してきただけですかね。何かを読んで、学んで、実践したということは少ないかもしれません。ただ、どういうところで動くかは、相場を見ていると分かってくるので、当時は本当に北朝鮮の動向が為替相場に与える影響を大きくて、ミサイルが飛んできたときに、アラートがなったと思いますが、真っ先に口座にログインして、チャートを見ました。すると相場は激しく動いていました。
PickUp編集部:
自分の目で相場の変化を確認したんですね。
Kさん:
そうです。例えば、トランプ大統領はたくさんツィートしますよね。そうするとやっぱり相場が動きます。そういうことを経験して、ニュースを見るようになりました。今は経済新聞、テレビニュース、インターネットのニュースをチェックしています。特に世界のリーダーが大きな動きを見せたというようなニュースは注目しています。別に誰でも入手できるような情報でいいんです。金融専門のニュース番組なども見ますが、あんまり当たらないですよね(笑)。ニュースは、ただ見ているのではなく、ちょっとだけでいいから、ニュースで報じられた出来事が、相場にどのように波及していくのか、その先に、いったいどんなことが起こるのか、それを想像することを習慣にしています。
PickUp編集部:
最近はどのようなニュースに注目していますか?米朝交渉の行方ですか?
Kさん:
最近は中国とアメリカの対立ですね。今後、関税をかけていったら、米中関係は冷え込んでいきますが、それを回避しようと、トランプ大統領はしきりに「緩和する」と言っています。また、「現代貨幣理論(MMT)」という新しい経済観念が、メディアで紹介されるようになりましたが、これは金融緩和の「後ろ盾」になるわけじゃないですか。こうした理論を背景にして、日銀も「さらなる追加緩和を」ということになります。それでは、「ドルがあまりにも下落したとき、日銀はどうするんだろう」なんてことを考えながら、その場合、ドル/円相場はどのようなレンジで推移するかを考えています。世界のさまざまな動きから、その先を読んで、為替にどのような影響が出るのかを考えます。

PickUp編集部

大学時代からデータサイエンスに取り組んでいたKさん。もともとのギャンブル気質が災いしてか、最初から大きく張ってしまい、投資開始後1週間で100万円の損失を経験します。ところが、持ち前の論理的思考を駆使し、取引スタイルを見事に修正することで、数カ月後に負け分をすべて取り戻しました。後半では、Kさんがどのようなやり方で兼業しているのか、投資の具体的なテクニック、今後の目標などについて伺います。