土俵を割らなかったが、土俵際が続く、低成長で財政悪化

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総括

土俵を割らなかったが、土俵際が続く、低成長で財政悪化

(先週=失業率 卸売物価 貿易収支 製造業PMI 財政計画 ムーディーズ格付け RWC →今週=製造業生産)
予想レンジ 南アランド円 6.8-7.8

(ポイント)
*ムーディーズは南ア格付けの投資適格級を維持(見通しはネガティブに引き下げ)
*中期財政計画では財政赤字拡大、成長見通し引き下げ
*10月製造業PMIは改善、3Q失業率は悪化
*電力計画が発表された
*南ア議会はエスコム社の支援を承認
*8月小売売上は弱い
*2016年から安定しているのは貿易収支の改善から
*世銀は成長見通しを下方修正
*資源価格は堅調
*中銀は金融政策ではなく財政政策を要求、中銀は追加緩和を否定
*海外での起債は成功している
*エスコム分割案が提示された
*土地収用問題では温和な報告書が提示された
*2Q・GDPは予想外の改善
*南アへの投資は増加
*移民排斥運動が勃発
*中銀はランドの平均的な水準を1ドル14.5としている

(ジャンク債への格下げは免れる)
 注目のムーディーズの格付けであったが、格付け見通しは「安定的」から「ネガティブ」に引き下げられた。格付けは予想通り投資適格級で最低水準の「Baa」に据え置かれた。
経済成長の先行きや公的債務の負担を巡り引き続き悪化がみられるとした。また、電力不足問題、高い失業率、所得の不均衡、社会的・政治的な諸問題が予想より厳しいと指摘された。

(中期財政計画、財政赤字拡大)
財務省は10月30日、中期財政計画を発表した。今年の経済成長率見通しを0.5%とし、従来の1.5%から下方修正。債務の対GDP比は今後2年間70%を超える見通し。財政赤字はGDP比5.9%と従来見通しの4.5%を大きく上回り、2009年の世界的な金融危機以降で最悪となる見込みだ。ムボウェニ財務相は「困難な状況に陥ることになる」とし、債務安定化に向け歳出削減や公務員給料引き下げなど難しい決断を迫られる可能性があると述べた。

南ア議会は10月22日、経営が悪化している国営電力大手エスコムに対する590億ランド(40億ドル)の追加支援案を承認している。

(最近の経済指標)
 経済指標では10月の製造業PMIは48.1で前月の45.1から上昇したものの、景況拡大と悪化の節目である50を引き続き下回った。2月連続で悪化していたビジネス活動指数が上昇に転じ、新規受注も9月の急落から幾分持ち直した。しかし両指数とも依然50を下回っており、需要や生産の縮小を示しているとされている。また19年3Qの失業率は29.1%と、11年ぶりの高水準となった。2Qは29%。
 
(最大の懸念、電力問題)
 南ア政府は、2030年までのエネルギー政策を定めた電力統合資源計画(IRP)を発表した。IRPでは、2030年時点での発電7万7,834メガワット(MW)のうち、エネルギー別の電源比率は、石炭43.0%、再生可能エネルギー39.6%、天然ガス/ディーゼル8.1%、揚水6.4%、原子力2.4%、その他0.5%となっている。

最大の電源である石炭火力の比率は現在58.8%。環境・気候変動問題を考慮し、現在建設中のメデュピ、クシレ石炭火力発電所以降は、大規模な発電所は新設しない意向を示した。他方で、電源比率の33.1%を現在占める再生可能エネルギー(水力8.4%、太陽光6.3%、風力17.8%、太陽熱0.6%)は、太陽光と風力発電事業者の新規参入やオフグリッド案件を増やし、2030年までに39.6%(水力5.8%、太陽光10.5%、風力22.5%、太陽熱0.8%)まで拡大させる計画を示した。

IRPでは、2030年までのGDP成長率を年平均4.3%と仮定して南アの電力需要の伸びを試算しているため、需要が過大に見込まれているとの報道も出ている。なお、南アでは現在、電力公社エスコムの経営危機と既存設備改修の遅れにより、計画停電が断続的に行われており、経済活動に影響を及ぼしている。

テクニカル分析(ランド/円)

急落後に雲中へ戻す

 日足。ボリバン上限近くから
10月16日-25日の上昇ラインを下抜き下落。一時雲の下へ。10月29日-30日の下降ラインが上値抵抗。10月8日-11月1日の上昇ラインがサポート。5日線下向き。ボリバン下位。
 週足。10月14日週-21日週の上昇ラインを下抜く。8月26日週-10月7日週の上昇ラインがサポート。7月22日週-10月28日週の下降ラインが上値抵抗。
月足。7月-8月の下降ラインを上抜く。8月-9月の上昇ラインがサポート。4月-7月の下降ラインが上値抵抗。
年足、16年-18年の上昇ラインを下抜く。15年-18年の下降ラインが上値抵抗。

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喜望峰

ラグビーでは人種差別の改善進む

 南アは横浜で開催されたRWC決勝で3度目の優勝を果たした。南アは自国開催だった1995年RWCで初出場初優勝した。現在、チームの有色人種は当時の1人から10人超へ。白人、黒人、貧富の差を乗り越える術を世界に結果で示した。

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