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「チャンスは必ず来る ~後輩投資家へのアドバイス~」野村雅道氏 特別インタビュー <後編>

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中編ではFX投資に必要な需給の考え方などを伺いました。
後編ではベテラン投資家の野村さんから、アドバイスを伺っています。

▼目次
1.チャンスは必ず来る
2.素直なトレードとポイント&フィギュア
3.パッと手を出す大事さ
4.ミスしたらすぐ切る
5.お金の大事さを知っている人は強い
6.区切りの大切さ

チャンスは必ず来る


PickUp編集部:
それでは最後に、読者のFX初心者の皆さんにアドバイスを頂きたいのです。
FXトレードするときに心に留めていることなどはありますか?
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野村雅道:
前編の続きになるんだけど、「為替は野球だ」ということ。野球の試合のように、FXもだいたい1日のうち2~3回チャンスが来るんだよ。そのときにちゃんと結果を出せるかが大事。東大の野球部って、ほかの大学が甲子園経験者ばかりレギュラーにいる中、試合に勝てないことが多かったけど、それでもチャンスは来るわけ。実際「あそことあそこをうまくやれば勝っていたのに」という事もあった。

PickUp編集部:
FX初心者にもベテラントレーダーにも、等しくチャンスが来るんですね。
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野村雅道:
そう。だからFXで頑張りたい人は、チャンスをつかめるように準備をしておいてほしいね。ニュースやチャートの確認はトレード前にしておいて、トレードが終わったら、次に活かすために振り返りをする。だけど最近はドル/円が動かないでしょ、それはちょっとかわいそうだよね。プラザ合意のあとみたいに、毎年40円ずつ3年間動いている時と違うからな。

PickUp編集部:
一日に数回チャンスがあるということで、ずっとチャートを見ていればいいんでしょうか。
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野村雅道:
それでもいいと思うよ。まず仲値(なかね)の時に一度チャンスがあって、仲値が終わった10時半ぐらいに、またもう一回動き出すとか、為替相場にはリズムがあるからその時間帯を見たらいいんじゃないかな。

PickUp編集部:
つまり、仲値近辺は一つのチャンスだっていうことですね。
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野村雅道:
仲値は重要なんだよ。ただ、「仲値の前にドル買いが出てドル/円が簡単に上がる」とか言う人がいるけど、そこまでは言い切れないな。仲値は日本の貿易収支が結集されているから、その動きをしっかり見ての判断が大事。継続して見ていると、今日は売りの方が多いのか買いの方が多いのか大体わかるね。

PickUp編集部:
その日一日をFX相場の方向を探る上で仲値は大事なんですね。
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野村雅道:
そうだね。あとは、とにかく自力、自己責任。自分で考えて、自分でやる。やることは簡単だよね、ポジション持ったままでいるか、決済するか、ひっくり返すか、その3つの決断をやればいいだけ。

自分で考えて決めて、儲かれば続けていいし、やられたら辞めればいいんだよ。FXと相性が悪い人もいるんだから。判断が遅い人はエコノミストとかに向いているわけよ。まあ、分析している間に、相場はもう次のテーマ探しをやっているんだけどね。

PickUp編集部:
なるほど、自分で考えてトレードすることで、FXへの向き不向きがわかるんですね。
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野村雅道:
あとは、自分で実際にFXをやっている人の解説を参考にすること。 為替経験者は、あんまり喋るのが上手じゃないこともあるんだよな。そりゃあ相場解説の専門の人の方が話はうまいよね、きれいに説明するから。ただ、FX経験者がボソボソっと言うことの方が価値あるわけよ。

PickUp編集部:
実際のFXトレードしていた人、している人の見通しをしっかり把握しようという事ですね。

素直なトレードとポイント&フィギュア

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野村雅道:
中編話した需給の話がピンと来なかったら、要するに素直にやるってことじゃないかな。具体的な方法としては「ポイント&フィギュア」をつけること。ずっとイントラデイ(日中)で記録し続けて素直にトレードしておけば、上がっている時はロングにするし、下がっている時はショートにするわけだから、損を我慢することはないわけよ。少なくとも大損は防げる。

PickUp編集部:
ポイント&フィギュアでFXトレンドに乗ってトレードするってことですか。
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野村雅道:
そうそう。ファンダメンタルズで考えているんじゃなくて、ただトレンドに乗ることを意識すればいいんじゃないかな。ポイント&フィギュアは5銭から10銭行った時に自分で印をつける独自のやり方でもいいと思うよ。私はいまでもノートに手書きしてるけどね。

PickUp編集部:
ちなみにポイント&フィギュアは、外為情報ナビの高機能チャート「チャートタイプ」で表示させられます。(「P&F」のボタンを選択)
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パッと手を出す大事さ

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野村雅道:
あとは、チャンスがあると思ったらトレードする、だね。

PickUp編集部:
とりあえずやってみるということですか?
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野村雅道:
ちょっと違うんだけど。将棋で大山康晴名人っていう方がいたんだよ。彼は6割勝てると思ったらその手を指すとか言ってたから、そんな感じでいいんじゃないの。

上手いやつは、パっと手を出すんだけど、なんかちょっと違うと思ったり、想定してなかったニュースが出たら、ポジション閉じたり逆の方向に持っていったりするんだ。FXが下手で頭のいい人は、じっくり考えてポジション作って、その後はなかなか考え方を変えないのよ。思惑と違う反対のニュースが出たら、そんなの相場に関係ないだろうと言うわけよ。それじゃだめだね

PickUp編集部:
トレードのアイディアが浮かんだらまず行動、撤退の判断もすぐに、という事でしょうか。
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野村雅道:
うん。あとは自分の懐に応じたお金でトレードをしよう。スワップポイントで長期にポジションを持つんだったら、元本が崩れないぐらいのレバレッジで。そうじゃないと金利もらえないよ、と。

デイトレードは別に好きにやればいいんじゃないかな。レバレッジ高ければ高いほどすぐやられちゃうからさ。それはそれで健全なんじゃないかな。よく言うやつよ、勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし。

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ミスしたらすぐ切る

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野村雅道:
あとは…、日ごろの行いをよくすることかな。

PickUp編集部:
え?一日一善とかですか?
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野村雅道:
うん。FXをやっていると時々ミスがあるわけよ。私が銀行時代に、キーボードを掃除していたんだよ。そうしたら女性のスタッフが「野村さん!ドル売ってますよ!」って言ってさ。掃除してたつもりが、注文出していたということ。あと、昔は電話でやっていたからさ、売りと買いの注文を言い間違えたりはある。そういうミスが結構あるわけ。

こういうのは、自分のミスもあるし、アシスタントが絡むミスもあるんだけど、そういうミスも全部自分のせいにしてすぐポジション閉じたほうがいい。ミスでもさ、儲けに繋がるミスとやられに繋がるミスがあって、普段の行いがいい人は、割とミスしたら儲けにつながることとかがある。

PickUp編集部:
そ、そういうものなんですか?
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野村雅道:
これも銀行員時代の話だけど、ヘッジファンドのLTCMが破綻したとき、8000万円とか一瞬のうちに儲かったんだけどさ。そのとき生保がドルを20本買って言ったてきたんだよ。それで、ドルをカバーするから20本ドル買わなきゃいけなのに、私はなんか勘違いして売っちゃったんだよ。だから40本ドル売っていることになるわけ。そしたら急に2~3円ばっと下がった。40本で2円で8000万円儲かった。これ、逆にやっていたら、すぐ8000万のやられだからさ。そういう時ね、普段のゴミ拾いとかが活きるわけです。

PickUp編集部:
日々の、小さな行いが…。
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野村雅道:
今のはラッキーな話だったけど、要するにミスなんていっぱいあるから、間違ったことをしたらすぐやめた方がいいということ。損が膨らんでもやめないで、損を取り戻すために徹夜したりするんじゃなくてさ。

PickUp編集部:
間違ったって分かったら、すぐカットですね。

お金の大事さを知っている人は強い

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野村雅道:
あとはそうだなあ、運動神経のある人が勝つっていうのと、お金の感覚が分かっている人って儲かるんだよね。元々ブローカーをやっていて、銀行や外銀に移ってきた人って結構儲かるんだよ。

要するに彼らはブローカーフィーを稼ぐために、細かい取引をいっぱいやっているわけでしょ。お金の大切さを知っているんだよ。ミスったらどれだけやられるとかさ。お金の大切さを知っている人はね、結構儲かるよね。

PickUp編集部:
ちなみに、人の性格はトレードの良し悪しに関係しますか?
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野村雅道:
関係すると思うよ。ずっと我慢する人は気をつけなきゃね。結構いるんだよ、あんまり根性を出し過ぎて、結構致命的なところまで行っちゃうという。マネーマネジメントというか、どこで損切るか考えておいて、実行できないとね。
要するに、やられる人って、優しくてお人好しなんだよ。逆に、そうじゃない人が勝つ。こんなこと言うと怒られるかもしれないけど。

中編で言ったみたいに「おいしいリンゴ」が必ず高いわけじゃないし、「まずいリンゴ」は味だけ見れば安いはずなのに、高い時も結構ある。需給のことも色々考えなきゃいけない。ニュースだってすぐひっくり返るのもあるし、常に裏の裏を考えないといけない。エコノミスト的な考えで行くと、出てくるニュースをすぐ信じちゃうじゃない。それではいけない。

ちなみに、時々相場に影響するようなびっくりするニュースが出るけど、この「びっくりニュース」というのは、大体後から打ち消されるんだよ。
なぜかと言うと、びっくりニュースというのは「特ダネ」なんだよ。特ダネというのは書いた記者が褒め称えられるわけでしょ。そうするとほかのニュースベンダーや記者に嫉妬心が起きるわけ。だから例えばR社が「特ダネ」を出すと、N社とかD社とかB社の記者は、取材して打ち消そうとする記事を書くわけ。

PickUp編集部:
●●中銀総裁が利上げの話をしたって「特ダネ」が出たら…。
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野村雅道:
ほかのニュースベンダーや記者が、直接総裁本人か、関係者へインタビューしてその事実はないっていう話を流す。だから、びっくりするけど納得できないようなニュースって結構あとから打ち消されるんだ。

PickUp編集部:
なんでも鵜吞みにしてトレードしちゃいけないんですね…。
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野村雅道:
FXの世界はね、お人好しは金利をやればいいんだよ。金利の方が素直だよ。今ならアメリカが利下げするか、しないかでしょ。為替の方は、上がると思っていても下がる時あるから。相当裏の裏を考えてやっていった方がいいね。

PickUp編集部:
スポーツもそうですよね。相手の裏をかいて、ここぞっていう時に勝負をかけることがありますから。
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野村雅道:
そういうところは、FXも運動もわりと似てるのよ。野球なら、バッターボックスでまっすぐの球を待っていても、カーブ来るから。運動選手はね、みんな裏の裏まで考えてやっているんだよ。だから勝負勘は割とするどいよね。野球なら、ショートとか守っているやつは頭いいんだよ。試合中にイレギュラーがあったらどう動こうか、次を考えておく癖がついている。

区切りの大切さ

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野村雅道:
あとは、デイトレードは勝ったにしろ負けたにしろ、区切りのつくとこでやめた方がいいよね。そうじゃないと、負けたら負けが翌日に繋がってさ、考え方もうまくいかない。勝ったら勝ったで、翌日に影響するから区切りを入れたほうがいいんだ。勝ったら相場が自分の思惑通りになってると思って、何か油断してうまくいかなくなる。

私も、トレードが振るわない時はポイント&フィギュアに立ち戻っていた。ポイント&フィギュアの法則に従えば、やられは大きくならないから。ポイント&フィギュアなら相場観とかあんまり関係ないわけ。一番素直な感じ。そうやって区切りをつけることも大事だな。

PickUp編集部:
トレードは区切りを設けて、毎回気持ちをリセットしていくんですね。
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野村雅道:
もう、だいぶ話したからこれでいいだろう。

PickUp編集部:
いやー、名言ばかりいただいて、おなかいっぱいです。本日は長時間、どうもありがとうございました。

PickUP編集部より 取材を終えて

前・中・後と3回にわたって行ったロングインタビューで、野村さんのFXトレードに対する考え方が垣間見えました。ベテラン個人投資家の考え方を、読者の皆さんのFXトレードに活かしていただければと感じました。

↓↓↓前編はこちら
https://www.gaitame.com/media/entry/2019/10/09/180808

↓↓↓中編はこちら

https://www.gaitame.com/media/entry/2019/10/24/193000

野村雅道 氏
FX湘南投資グループ代表 1979年東京大学教養学部を卒業後、東京銀行(現三菱UFJ銀行)入行。82年ニューヨーク支店にて国際投資業務(主に中南米融資)、外貨資金業務に従事。85年プラザ合意時には本店為替資金部でチーフディーラーを務める。 87年米系銀行へ転出。外資系銀行を経て欧州系銀行外国為替部市場部長。外国為替トレーディング業務ヴァイスプレジデントチーフディーラーとして活躍。 財務省、日銀および日銀政策委員会などの金融当局との関係が深く、テレビ・ラジオ・新聞などの国際経済のコメンテイターとして活躍中。為替を中心とした国際経済、日本経済の実践的な捉え方の講演会を全国的に行っている。現在、FX湘南投資グループ代表。