総括
為替、株価ともに好調、米中貿易戦争で漁夫の利
（年初来通貨3位、株価5位）
予想レンジ 5.50-6.0
（ポイント）
＊ボリバン上限で陽線続く
＊今年は株も為替も好調
＊米中貿易戦争はメキシコに漁夫の利となった
＊自動車輸出は米国頼みである
＊3Qも経常収支は黒字となった、経常収支の改善でペソは弱くはない
＊米国は新NAFTA批准
＊ブラジルやアルゼンチン政局や経済の安定もペソを支えた
＊最近の経済指標は弱く次回の利下げ観測もあり
＊成長見通し下方修正
＊大型財政出動あり
＊消費者物価の低下や低成長で政策金利は3回連続引き下げられた
＊貿易収支も改善中
＊海外からの直接投資が増加している
＊政府はペメックスに支援、格付け会社は好感
＊大統領の支持率はピークより低下し60％を割り込んだ
（順調なスタート、ペソも株価も）
今年は通貨ペソ、ボリバル株価指数ともに好調なスタートを切っている
＊ペソ
＊株価
（これも好感、米上院、新NAFTA可決 トランプ大統領署名で批准へ）
米上院は1月16日、北米自由貿易協定（NAFTA）に代わる新協定、USMCA（米国・メキシコ・カナダ協定）を賛成89票、反対10票の賛成多数で可決した。新協定はすでに下院でも可決済みで、今後トランプ大統領の署名を経て批准手続きが完了する。
共和上院トップのマコネル院内総務は「協定書はこれからトランプ大統領の元に送付される。これは党を超えた大勝利だ」と語った。
こうした中、カナダでは今月下旬の議会休会明けを待って新協定を巡る審議が再開する予定だが、投票の日程などはまだ決まっていない。ただ野党保守党が賛成を表明しており、目立った反対はないとみられる。
（ロペス・オブラドール大統領も新NAFTAを称賛）
ロペス・オブラドール大統領は「米上院のUSMCA可決はメキシコ経済に自信を持たせ、投資を促す」と発言した。ただカナダの承認が遅れいることを懸念している
（漁夫の利、米中貿易戦争）
BBCによれば、米中貿易戦争の勝者は、メキシコ、台湾、ベトナムだとしている。貿易戦争で2019年の世界の成長は0.5％押し下げられたが、米国は中国の輸入が減少した分をメキシコなどから輸入したようだ。これによってメキシコの成長率は0.2％押し上げられたとしている。ただ歴史的にみれば2019年のメキシコの成長率は低くゼロ成長近辺である
（2019年の自動車生産は前年比4.1％減、対米輸出は増加）
メキシコの2019年の自動車の生産・輸出・販売統計では輸出が前年比3.4％減と2009年以来の減少を記録したこともあり、生産台数は同4.1％減の375万841台に低迷した。国内販売は7.7％減で3年連続の減少となり、依然として国内市場に活気はみられない。
輸出では、対米輸出がSUVを中心に2.9％増と堅調に推移した一方、そのほかの主要国向けでは軒並み減少した。その結果、全輸出の79.3％が米国向けとなり、対米依存度が前年より4.9ポイント上昇した。
（中国が投資）
中国の祝青橋・駐メキシコ大使は、メキシコ南東部タバスコ州にあるドスボカス港での新製油所建設計画に向け、中国の銀行団が6億ドル融資すると明らかにした。融資に参加するのは中国工商銀行（ICBC）と中国銀行という。
ドスボカス製油所建設計画は、メキシコのロペスオブラドール大統領が進める主要インフラプロジェクトの一つ。大統領は、同製油所が建設されれば、輸入燃料への依存が軽減されるとしている。メキシコは、燃料の大半を米製油所から輸入している。
テクニカル分析
ボリバン上限で陽線続く
日足、小刻みだがボリバン上限に沿い陽線続く。1月13-16日の上昇ラインがサポート。5日線上向き。
週足、12月23日週-30日週の下降ラインを上抜け。
12月2日週-1月6日週の上昇ラインがサポート。雲の上へ。
月足。ボリバン下限下抜きから戻す。19年8月-9月の下降ラインを上抜く。19年9月-10月の上昇ラインは下抜く。19年10月-12月の上昇ラインがサポート。
年足。16年-18年の上昇ラインを下抜くも再び上抜き返す。14年-15年の下降ラインが上値抵抗。陽転。
VAMOS MEXICO
メキシコでも子供が銃乱射
メキシコ北部の小学校で11歳の男子児童が銃を乱射し、教師１人が死亡、児童など６人がけがをしました。男子児童は銃で自殺を図りその場で死亡した。
メキシコでは麻薬の密売組織などによる銃撃事件があとを絶たず治安の悪化が深刻だが、学校で子供が犠牲になる事件はまれで、現地のメディアが大きく報道するなど衝撃が広がっている。
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