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FXで勝つためには、資金管理が鍵!

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値上がりするのか、それとも値下がりするのか。
FXはわからない金融商品に対する投資である以上、運用資産のすべてを失うリスクを抱えています。
そのリスクを少しでも回避するために、どのタイミングで売買すればよいのか、どのような分析をすれば、勝率があがるのかといった「買い方」や「売り方」の研究に目がいきがちです。

しかし、FXの目的が資産運用である以上、売買の研究よりも、どうすれば資金を減らさないで済むのか、そして、どうやって資金を増やしていくかという「資金管理」のほうが、むしろ大切なのです。
ここでは資金管理の重要性について解説してみます。

自己資金をすべて投資してはいけない。損すると利益は出しにくくなる

どんなに儲けを増やしたいからといっても、自己資金のすべてを投資してはいけません。
なぜかといえば、投資は一度負けて資金を減らすと、元本の回復が難しくなるからです。

資金を10%減らしてしまったら、元本回復させるためには11%増やさなければなりません。

(参考)FX市場から退場せず、成長し続けるために必要な資金計画の立て方とは?

20%減らしてしまったら、25%増やさなければなりません。

損失の割合と元本回復までに必要な利益率の関係です。

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この表をグラフにすると以下のようになります。

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損失の割合が高くなればなるほど、元本回復までに必要な利益率がより大きくなることがわかります。

運用時に注意したい許容する損失率の目安

それではどのくらい損失率を抑えればいいのでしょうか? 先程は損失率を10%、20%、30%・・・と、10%ごとに元本回復までに必要な利益率をみてみました。
今度は1%、2%、3%・・・と、1%ごとにみてみましょう。

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損失率と元本回復までの利益率の関係において、1%から6%までは乖離が0.5%より小さいことがわかります。

この数値から、損失率を6%以下に抑えれば、元本回復までの利益率についても、無理をしなくて済むということがわかります。
ところが、連続で6%の損失を出せば、あっという間に10%以上負けてしまい、元本が回復しにくくなります。

連続で負け続けるかもしれないことを考慮して、許容する損失率は、更に小さくすべきなのです。

運用時に注意したい損切りの目安

アメリカの著名なファンド・マネジャーであるラリー・ハイトは、自身が創設した会社のトレーダーに「どの取引においても全資産の1%以上のリスクをとるな」と指示しています。

「1%以上のリスクをとるな」という意味は、全資産の1%以上の評価損が出たら、すぐに損切りをしろという意味です。
100万円を入金していたら1万円です。
30万円を入金していたら3000円です。

この数字を見て、どのような印象をお持ちでしょうか。
「こんなにすぐに損切りをしていたらなかなか資金は増えない」と思う人もいるでしょう。
特にFX初心者は、資金を増やすことよりも、資金を減らさずに経験値を積むことが重要です。
「全資産の1%の評価損が出たら損切りする」というルールを厳守することで、「すぐに評価損になるような下手な取引はできないな」と自覚して、負けトレードを減らすことができればしめたものです。

損切り幅、利確幅の見極め方〜損切り幅はエントリー時点で決める

損切り幅はエントリー時(新規注文発注時点)に、エントリーの判断基準があれば、決めることができます。
エントリーするときは、テクニカル指標の値やチャートの形状など、何らかの判断基準があるはずです。
その判断とは逆に価格が動いたと想定して、「自分の判断は間違いだった」と認めるのは、「どこまで価格が逆に行ったときか?」の答えが「損切り幅」です。

例えば、「移動平均線のゴールデンクロス」を確認した後、「買い」でエントリーしたのであれば、価格が逆に動いてゴールデンクロスが解消して、自分が設定した損切り幅分の下落があったら、エントリーの判断が間違いだったと認め、すぐに損切りします。
「一目均衡表の雲を抜けた」ので、「買い」と判断したのであれば、価格の勢いが弱まって、雲に再突入して、自分が決めた損切り幅分の下落があったら、エントリーの判断が間違いだったと認めて、すぐに損切りしましょう。

判断してエントリーをしていれば、判断が間違いだったことを認める「損切り」幅は決められるはずです。

許容する損失率、損切り幅を決めると、ポジションサイズが決まる

損失率から損失許容額を決めて、エントリー時の判断から、損切り幅を決めると、自動的にポジションサイズが決まります。

例えば、許容する損失率を決めると、元本との関係により、損失許容額が決まります。
損失許容額が10000円だとして、次回エントリー時に損切り幅を0.5円と決めると、ポジションサイズは自動的に決まります。

10,000(円)÷0.5(円)=20,000(通貨)
1,000通貨で1Lotなので、

20,000(通貨)=20(Lot)

ポジションサイズから資金管理を決めるのは間違い

FX初心者は、上記のプロセスとは逆の順序で考えます。

「まず、10Lot発注してみようかな」とポジションサイズを決め、次に「損切りはこの水準におこうかな」と損切り幅を決め、損切りしたときの損失額を見積もったりします。
このときの損失額が、全体資金の何%かまでを考えていればいいのです。
ところが、実際は考えていない人が少なくありません。

厳格な資金管理の下での正しいプロセスは、以下の通りです。

1 損失率を決め、
2 損失額を決め、
3 損切り幅を決め
4 最後にポジションサイズを算出する

このプロセスで取引をすれば、元本を大きく減らすことを防げるようになり、FX市場から退場することなく、経験値を積み上げることができ、勝つ可能性を高められます。

「買い増し」・「売り増し」のポジションをエントリーする

最後に、ポジションを保有しながら決済せずに、ポジションを増減させるポジション操作について解説しましょう。

厳格に守らなければならないのが、最初に決めた損失率です。
そのため、買い増しや売り増しをすると、ポジションサイズが増えるので、逆に動いたときは、損失が大きく増えることになり、損切り幅が“浅く”なることを理解してください。
損切り幅が浅くなったことによって、損切りが早まり、その後の価格好転の値幅を取れないことがあります。

資金管理の観点から、「利益がのったからポジションを追加する」という意識ではなく、「最初は少ないポジションで発注し、「買い増し」「売り増し」をした後も、損失許容額以内である」ことを計算した上で、発注してください。
つまり、「買い増し」・「売り増し」というよりも、エントリー時は、「打診買い」「打診売り」をするというイメージを持つようにしましょう。

※打診買い・売り:市場の反応を探るために小口の買い・売り注文をだすこと

FX投資が初めての方へ!FXの魅力や特徴(初心者編)はこちら

岩田仙吉(いわたせんきち)氏
株式会社タートルズ代表/テクニカルアナリスト
2004年、東京工業大学から一橋大学へ編入学。専門は数理経済学。卒業後、FX会社のシステムトレードプロジェクトのリーダーになり、プラットフォーム開発および自動売買プログラムの開発に従事。その後、金融系ベンチャーの立ち上げに参画。より多くの人に金融のことを知ってほしいと思い金融教育コンテンツの制作に集中するために会社を創業。現在は、ハイリスク・ハイリターンの投資手法ではなく、初心者でも長く続けられるリスクを抑えた投資手法を研究中。