上海市場再開、人民銀行資金供給へ

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総括

上海市場再開、人民銀行資金供給へ

ドル円=106-111、ユーロ円=118-123 、ユーロドル=1.08-1.13

通貨ごとの注目ポイント

*円「通貨3位 株価11位、新型肺炎感染が貿易構造をどう変えるか」
 週明け、中国人民銀行は上海市場再開にあたり、1.2兆元の資金供給を行い、新型肺炎による市場のショックを和らげる、との報道で3日のドル円は安定推移している。

今回感染症の危機は、債務危機や経済ショックと異なり、まだ解決の目途が立っていない。経済的な危機なら既にIMF・世銀や各国中銀が中心となり支援するシステムが整っているが、新型肺炎は解決処方となるワクチンがまだ出来ていない。現在、上海復旦大学や米国立衛生研究所などが開発している。長期戦になりそうだ。米国、日本、オセアニア、南アを筆頭に世界中の殆どの国の貿易は中国に最も依存し、また中国人の観光客を受け入れている。その流れが分断されるというか、流れが止まり、流通システムが毀損する。去年のトランプ関税で世界の貿易が縮小し、今年は新型肺炎でさらに大きく縮小するだろう。
 日本は輸出の19%、輸入の23%が対中国であり、影響は大きい。最近の日本の貿易収支は年間1兆円程度の小さな赤字であり需給のブレがなく、小動きの原因となっている。輸出入のリーズ&ラグスでの季節的な動きで上下するだけだ(夏の円高、秋の円安など)。中国の混乱がどう貿易収支を動かすかを注目したい。中国の混乱が長引けば、日本の製造業の中国経由の輸出が20世紀のように日本発の輸出となる。そうなれば日本の黒字が増えて円高となる。あくまでも一時的なリスク回避の円高より貿易需給の変化を追っていきたい。また2月、3月に気をつけたいのはリパトリの動きで、これまでの傾向では、2月下旬と3月中旬に多く出て円高要因となっている。

*米ドル「通貨4位、株価(NYダウ)8位、FRB新型肺炎感染拡大すれば利下げもあり」
 米国の対中貿易は輸出が全体の7%、輸入が21%となっている。今後の新型肺炎感染拡大で貿易縮小があれば米国経済への悪影響も出てくる。ここまでは、米景気は強くはないが利下げをするほど弱くもないが、新型肺炎感染次第では利下げも視野に入れる必要があるだろう。
 2019年のGDPは前年比2.3%増と、16年以来3年ぶりの弱い伸びとなった。2.9%増だった18年に続き、トランプ政権の成長率目標である3%を2年連続で下回った。貿易摩擦に伴う設備投資の低迷が経済の重しとなった。
 1月の消費者信頼感指数は前月から3.4ポイント上昇の131.6で、昨年8月以来の高水準になった。一方、12月の中古住宅販売仮契約指数、1月シカゴ景気指数、12月の耐久財受注統計などは弱かった。
NYダウは先週末は年初来でマイナス圏となった。ナスダックはプラス圏を維持。トランプ大統領が意図する製造業は復活せず、IT企業だけが勢いがある。
 今週は弾劾裁判、アイオワ党員集会などの政治日程がある。米上院の弾劾裁判は1月31日、野党民主党が要求したボルトン前大統領補佐官らの証人尋問を実施しないと決めた。1月米雇用統計の非農業部門雇用者数は16万人の予想である。

*ユーロ「通貨8位、株価12位(DAX)、米ドル下落で浮上、テクニカルでも上昇余地あり、当局楽観」
 先週後半に値を伸ばし、5週間ぶりに週足は陽線となった。日足も12月31日-1月16日の下降ラインや雲の上が見えてきた。ただ経済指標が改善したわけではない。米ドルがNYダウの年初来マイナス圏突入や30年債国債利回りが2%を割るなどの象徴的なことで下げたことがユーロを浮上させテクニカルで上抜けそうな勢いとなった。ユーロ圏4Q・GDP、独12月小売売上や1月独IFO業況指数は弱かった。唯一、1月のユーロ圏景況感指数は102.8で、前月の101.3から上昇した。 ユーロ圏経済が今年、好調なスタートを切った可能性を示した。製造業の景況感指数が昨年8月以来の水準に上昇したことなどが寄与した。
 レーン・フィンランド中銀総裁は、世界のリスクが現実化しなければ、ユーロ圏の経済成長率が予想を上回る可能性があるとの見方を示した。ECBには、必要な場合、景気を刺激する手段はまだ残っているとも述べた。総裁は、ネガティブなリスクが現実化しなければ、2021年の経済成長率が1.5%に近い水準となる可能性があると指摘。主な不透明要因として、新型コロナウイルスの感染拡大を挙げた。メルシュECB専務理事は、超金融緩和が資産バブルをもたらし、将来の危機を招く恐れがあると述べ、超金融緩和のリスクを強調した。
理事は「金融政策がリスクテークの拡大を助長し、資産インフレや所得格差につながる兆候もうかがえ、注視していく必要がある」と表明。特に不動産価格は伸長しており「将来の危機を招きかねない」と警告した。ドイツ政府は今年の独経済成長率見通しを1.1%とし、従来の1.0%から上方修正したようだ。

*ポンド「通貨6位、株価15位、利下げから据え置き予想へ転換か」
 早朝、ロンドンで二人刺され負傷、テロ事件で操作、との報道あり
 また、英首相がEUとの交渉打ち切りの可能性を示唆し、ポンドはやや下落でスタート

 先週、日足ではボリバン上限を越え、週足では12月9日週-1月20日週の下降ラインを上抜け勢いを見せた。時を同じくして、英国は欧州連合(EU)から離脱した。EUの前身である欧州共同体(EC)から47年間にわたる加盟国の地位に幕を下ろした。ジョンソン首相は「新たな時代の夜明けだ」と訴え、EUから権限を取り戻す意義を強調した。離脱前と同じ環境が保たれる年末までに、英・EU間で新たな経済・通商関係を築けるかが大きな焦点となる。
 ポンド上昇の要因は金融政策決定会合の直前に雇用などの数字が改善し、利下げ予想から据え置き予想に変わっていたこともある。その予想通り、英中銀は、政策金利を0.75%に据え置くことを7対2で決定した。昨年12月の総選挙以降、英経済は上向いた兆候が出ていることに加え、世界経済も安定化したため、追加的な刺激策は現時点では必要ないとの見解を示した。
 中銀の声明では、来年以降にEU離脱が英経済成長の重しとなるとの認識を示し、経済が上向いていることを示すこのところの兆候が幻想に過ぎなかった場合は利下げを実施する可能性を排除しなかった。
英経済については、EU離脱問題で揺れた昨年4Qはゼロ成長だったと指摘。こうしたことは今年の経済成長にも影響するとし、今年の英成長率は0.8%にとどまるとの見方を示した。世界的な金融危機以降で最も緩慢な伸びとなる。ただ今年は年間を通して回復が期待できるとし、今年4Qまでに成長率は1.2%になるとの見方を示した。 世界は新型肺炎拡大で動揺しているが、欧州は中国への貿易依存度は米国、日本、オセアニアなどより低いため、身軽な立場にもいる。

*豪ドル「通貨11位、株価首位、中国依存度高い、利下げ観測は一時後退」
 豪は2018年末では全体の輸出入において対中国が輸出が34%、輸入が24%とどっぷり中国貿易に浸かっているだけに、今回の新型肺炎感染の影響は大きいだろう。さて今週は政策金利の決定があるが据え置き予想となっている。12月の雇用統計が予想より強い内容だったことを受け、市場の利下げ観測はすでに大きく後退している。また、4Q消費者物価(CPI)は前期比で0.7%上昇、予想の0.6%上昇を上回った。前年比では1.8%上昇で予想は1.7%上昇。CPIの上昇も政策金利据え置きを示唆した。
 ただ、これまでの利下げを受け、住宅価格は上向いたものの、賃金の伸び悩みや高水準の債務を背景に消費者動向は依然として弱い。国内で続く森林火災に加え、新型コロナウイルスの感染拡大と豪観光業への影響を巡る懸念も、消費者心理をさらに悪化させている。追加利下げ観測が、4月に向けて高まる可能性は強い。

*NZドル「通貨10位、株価4位、中国発の新型肺炎の影響は大きい」
 上述の豪同様に中国への貿易依存度は高い。中国貿易では輸出が全体の24%、輸入の20%を占めているので、新型肺炎の悪影響が出ればNZ経済への打撃となる。2月12日に政策金利の決定があるが、4Qの消費者物価が前期比0.5%、前年同期比1.9%とそれぞれ上昇し、伸び率はともに予想を上回ったことで利下げを休止するとの見方が強まっている。
 さて2期目を目指しているアーダーン首相は、総選挙を9月19日に実施すると発表した。首相の支持率は、昨年のテロ攻撃への対応を受けて上昇したが、その後は経済問題への対応が課題となっている。
政権は住宅、都市部の貧困、移民、雇用や経済成長などの問題に取り組んできており、これらはすべて選挙戦で重要なテーマになるとみられている。
政府は前月、120億NZドル相当のインフラ事業を発表。経済活性化を目指し、インフラ投資を約20年ぶりの水準に引き上げる方針を打ち出した。今週は雇用統計の発表がある。

テクニカル分析

*ドル円=「日足、ボリバン下限近くまで下落」
日足、かろうじて窓埋め後下落、ボリバン下限近い。1月8日-31日の上昇ラインがサポート。1月29日-31日の下降ラインが上値抵抗。5日線下向き。
週足、ボリバン上限到達後下落し雲中。1月6日週-27日週、9月2日週-1月6日週の上昇ラインがサポート。1月20日週-27日週の下降ラインが上値抵抗
月足、19年8月-10月の上昇ラインを下抜く。ボリバン中位から下落。19年8月-20年1月、16年6月-19年8月の上昇ラインがサポート。18年10月-11月の下降ラインが上値抵抗。
年足、4年連続陰線。今年は陽線スタート。ただ値幅は小さくなって2016年のレンジをここ3年抜けず。16年-19年の上昇ラインがサポート。16年-17年の下降ライが上値抵抗。

*ユーロドル「ボリバン下限から反発」
日足、ボリバン下限下抜いて反発。1月23日-29日の下降ラインを上抜く。1月30日-31日の上昇ラインがサポート。5日線上向く。12月31日-1月16日の下降ラインが上値抵抗。
週足、ボリバン上限に達した後、4週連続陰線も先週は陽線。1月6日週-1月13日週の下降ラインが上値抵抗。9月30日週-1月27日週の上昇ラインがサポート。
月足、19年10月-20年1月の上昇ラインがサポート。19年7月-12月の下降ラインが上値抵抗。ボリバン下位。雲の下。
年足、2年連続陰線。今年も陰線スタート。17年-19年、02年‐17年の上昇ラインがサポート。14年‐18年の下降ラインが上値抵抗。18年-19年の下降ラインに接している。

*ユーロ円=「先週の週足十字線が反発の兆しとなるか」
日足、窓開け後、下値で揉み合う。1月23日-31日の下降ラインが上値抵抗。1月30日-31日の上昇ラインがサポート。5日線下向き。
週足、1月6日週-13日週の上昇ラインを下抜く。1月13日週-20週の下降ラインが上値抵抗。10月7日週-1月27日週の上昇ラインがサポート。先週の十字線が反発の兆しとなるか
月足、19年9月-10月の上昇ラインを下抜く。雲下。ボリバン下位。19年4月-1月の下降ラインが上値抵抗。16年6月-19年9月の上昇ラインがサポート。
年足、16年-19年の上昇ラインがサポート。18年-19年の下降ラインを一時上抜く。15年-18年の下降ラインが上値抵抗。

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