“落ちるナイフ。”

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金融市場で大変な事が起きつつある。

新型コロナ・ウィルス(Covid-19)の猛威は益々広がりつつあり、ついにアメリカ株式市場を直撃してダウ工業株30種平均は7日連続の下げを記録し、週間下落率は12%を超えた。これはリーマン・ショック直後の2008年10月以来の大きさである。

資金は当然安全資産である債券市場に流れ込み、金曜日の終値ベースで10年債利回りは1.163%、30年債利回りは1.684%まで下落し、過去最低を更新した。
2年、5年、10年物債券のみならず、30年債利回りまで政策金利である1.75%のF.F.Rate.を下回る異常さである。
リセッション(景気後退)のサインとも言われる逆イールド現象も甚だしい。

今朝の東京株式市場で日経平均株価も当然その煽りを受けて続落し、休み明けの先週火曜日22,600円から金曜日の21,140円まで1週間で約6.5%下落した。

先週のレポートで従来のリスク・オフのパターンである日本株安=円高の図式が崩れて日本株安が日本売りに繋がって円安となるようであればゲーム・チェンジを考える必要が有るかも知れないと指摘したが、あれよあれよと言う間にドル安&円高が進み、今朝のシドニー市場で安値107.35を示現した。
どうやらゲーム・チェンジは起きなかった模様である。

110円ミドルのレジスタンス・ライン(上値抵抗線)を上切り、GPIF.を含む実需のドル買いに惑わされ、市場はドル・ロング(ドルの買い持ち)&円・ショート(円の売り持ち)であったこともドルの急落に拍車を掛けたと言っても良いだろう。

シカゴ・IMM.の投機筋は先週2月25日の時点で前週から約2万9千枚(約33億ドル相当)の円の売り持ち額を増やしてネットで約5万6千枚(約51億ドル相当)の円の売り持ち(ドルの買い持ち)となっていた。

それと109.50からの執拗な実需のドル買いのフローを見せ付けられていたインターバンク市場参加者の銀行のディーラーも同じくドル・ロング(ドルの買い持ち)でいたであろうことは想像に難くない。

ドル・円相場は10日間で高値112円から安値107円ミドルまで約4円50銭の大幅な下げを演じたがドルを買い持ちにしていた参加者の投げがこの急激なドル安&円高の動きを助長したことは間違いない。

今朝のオープンと同時に一時300円超の下げを見せて2万1千円を割り込んでいた日経平均株価は日銀黒田総裁の“市場に潤沢な資金を提供する。”との異例の談話を受けて急激に値を戻し、終値は金曜日から約200円プラスの21,344円で引けた。
株価の急転につられてドル・円相場も108.36まで戻したが、今回の株安&円高の原因が新型コロナ・ウィルス(Covid-19)である以上、株価・ドル円相場共に戻りは限られたものであろう。

安倍首相の要請により1両日中に公立の小中高の臨時休校が計画されているが新型コロナ・ウィルス(Covid-19)の流行が終焉に近付いたとか、劇的に効く新薬の発明に成功したとかの報が聞かれるまで(短期間の内にこれらが起きるとは考えられない。)はコロナ・ショックは収まるまい。

何処まで株安とドル安&円高が進むかは分からないが、落ちるナイフをわざわざ掴もうとする必要は有るまい。
短期的にはさらなるドル安&円高が起きる可能性は高く戻り売りの戦略を取りたい。

一つ留意しておきたいのはゲーム・チェンジは起きずに株安&円高のリスク・オフは不変であるが、よく考えると日本経済の先行きは決して明るくはない。
昨年第四半期の我が国GDP.は驚きの年率-6.3%となったが今年の第一四半期もコロナ・ショックによりマイナス成長となる可能性は大で、2四半期連続のマイナス成長となれば、国際的には“テクニカル・リセッション(技術的な景気後退)”と定義され、戦後最長と言われる第2次安倍政権発足時からの景気拡大は終わりを迎える。
またオリンピック開催を危ぶむ声が広がりつつあるが、もしそうなった場合の経済的損失は巨額なものに成るであろう。

この様な状況で大幅な円高が進むとは考え難い。
一部で囁かれ始めた“日米金利差縮小による100円程度までのドル安&円高進行。”の可能性は小さかろう。

取り敢えず新型コロナ・ウィルス(Covid-19)動向を注視しておくことが最重要課題であろうか。

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