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格下げ、利下げ、ランド下げ

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総括

格下げ、利下げ、ランド下げ

(通貨最下位、株価10位)

予想レンジ 南アランド円 5.5-6.5

(ポイント)
*ムーディーズは南アの格付けをジャンク債級に引き下げた
*通貨は年初来最弱に、株価も弱い
*直接投資が減少、海外投資家は株式を売り越した
*中銀は国債購入を開始、流動性を供給
*BMWに続きトヨタに続きも工場稼働を停止した
*政策金利は予想を上回った下げ幅となった
*中銀は成長見通しを下方修正
*原油価格下落はメリット
*南ア産出の資源価格も下落
*4Q・GDPはマイナス成長でリセッション入り
*電力大手のエスコム社、南アフリカ航空ともに財政難
*12月と2019年は貿易黒字
*南アの最大貿易相手国は中国
*中銀はランドの平均的な水準を1ドル14.5としている

(ジャンク債へ)
 再びメキシコペソに抜かれて年初来最弱通貨となった。メキシコは通貨安抑制策をとり始めた。注目のムーディーズの格付け見直しでは、債務格付けが投機的等級の「Ba1」に1段階引き下げられた。財政の悪化継続と構造的な経済成長の弱さが格下げの理由となった。見通しも「ネガティブ」。政府が2019年10月に示した見通しによると、18年度に国内総生産(GDP)比で56%だった公的債務は、27年度に80%に達する。
エスコムは電力供給にも不安を抱えており、大規模停電の頻発で経済活動に深刻な影響が出ている。足元では新型コロナウイルスの感染が広がっており、南ア中銀は、20年の実質成長率がマイナスに転落するとの見通しを明らかにした。
 ただでさえ低成長、財政赤字、国営企業(エスコム、南ア航空)、与党ANCの支持率低下で混乱していたが、ここにコロナウィルスによる景気大幅減速が加わった。「お手上げ状態」である。
 
(中銀が国債買い入れを開始)
南ア中銀は3月25日、国債買い入れを開始すると発表した。新型コロナウイルス感染拡大に伴う流動性ひっ迫を緩和するための緊急措置で、買い入れ額は明らかにしていない。
 中銀は「流通市場での政府証券の買い入れを開始する」と表明。様々な満期の国債を買い入れる方針を示した。中銀は「流動性を供給し国内金融市場のスムーズな機能を促すことに加え、中銀が金融政策のポートフォリオを拡充することにもつながる」と述べた。
南ア中銀がこうした形で債券市場に介入するのは初めて。中銀の発表を受け、長期国債の利回りは1%以上低下している。
 中銀は今月19日、主要政策金利であるレポレートを予想外に1.0%ポイント引き下げている。

(トヨタも工場稼働停止)
 BMWに続きトヨタ自動車も、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、南ア工場を3月26日から4月16日まで稼働停止することを明らかにした。
 新型コロナ感染者が400人を超えた南アでは、爆発的感染を防ぐため26日深夜から市民の外出を規制する措置が取られる。薬局、食料品店、銀行などを除くすべての店舗や事業が閉鎖されるという。

(南アフリカへの海外直接投資、2019年に減少 計画停電が響く)
南アへの海外直接投資が2019年に668億ランドにとどまり、前年の721億ランドから減少した。ラマポーザ大統領が掲げる経済再建策は海外から資金を呼び込むことに依存している面が大きい。しかし、電力公社エスコムの経営危機を背景に国内で計画停電が頻発していることから投資家の信頼感が低下し、産業活動も低迷している。
 中銀は四半期報告の中で、エスコムによる全国規模の計画停電の頻発が広範囲な経済の低迷を引き起こす一方、新型コロナ感染の影響も、リスク回避の動きが世界的に広がる中で出始めていると指摘した。通貨、債券や株式などの資産運用投資による資金流入額は2019年4Qに93億ランドと、前期の402億ランドから大きく落ち込んだ。2月初め以降、通貨ランド は対ドルで10%以上値下がりし、国債利回りは過去最高水準に上昇した。
中銀の四半期報告によると、2019年には株式市場から630億ランド近くの資金が流出した。
非居住者の株式投資は3Qに320億ランドの売り越し、4Qには330億ランドの売り越しとなった。

テクニカル分析(ランド/円)

週足。ボリバン下限を下抜いて、なお上ヒゲ長し

 日足。3月24日-26日の上昇ラインを下抜く。3月26日-27日の下降ラインが上値抵抗。5日線下向き。ボリバン下位。下限は5.96あたり。
 週足。ボリバン下限を下抜いているのに上ヒゲ長い。3月9日週-23日週の上昇ラインがサポート。3月16日週-23日週の下降ラインが上値抵抗。
 月足。19年8月-20年1月の上昇ラインを下抜く。1月-2月の下降ラインが上値抵抗。3月も下落してボリバン下限下抜く。
 年足、16年-18年、16年-19年の上昇ラインを下抜く。15年-18年の下降ラインが上値抵抗。

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喜望峰

外出禁止措置開始も徹底されず

 アフリカで新型コロナウイルスの感染拡大が最も深刻な南アフリカでは3月27日から外出禁止の措置が始まったが、経済的に貧しい黒人が暮らす地区では、大勢の住民が政府の呼びかけを守らず課題が浮き彫りになっている。
 初日は、白人を中心に富裕層が暮らす住宅街などでは多くの住民が自宅にとどまったものの、都市の中心部や、経済的に貧しい黒人が密集して暮らす地区では、大勢の住民がふだんどおりに人が外出した。ヨハネスブルク近くの地区でも、スーパーで順番待ちの長い列ができた。 生活が苦しく、事前に買いだめできなかった人たちが押し寄せているためで、「その日必要な分の食べ物しか買えないからだ」と話していた。感染を防ぐための情報を十分に得られない人も多く、政府の呼びかけに反し、隣の人と一定の距離を保たずに順番待ちをしていたが、警察官も特に注意することはしていなかった。

情報提供元:FX湘南投資グループ
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