中銀ペソ防衛も効果出ず。格下げで相殺

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総括

中銀ペソ防衛も効果出ず。格下げで相殺

予想レンジ 4.2-4.7
 
(ポイント)
*中銀のペソ安対策開始で先週は上昇も、今週再び陰転
*S&Pは格下げ実施
*FRBとの通貨スワップも活用
*大統領支持率が急落
*3月製造業PMI悪化
*ペソは2月の通貨首位から最下位へ陥落
*コロナ不況対策で緊急利下げ
*2月21日の弊誌でメキシコペソ売りの推奨
*2020年成長見通しはマイナス4%(CS)
*2月CPIは上昇
*コロナウィルスによる原油価格下落は産油国のメキシコに打撃
*4Q・GDPは確報値でマイナス成長となりリセッションへ
*中銀は成長見通しを下方修正
*最近の経常収支、貿易収支は黒字である
*USMCAでの自動車輸出はコスト高となる
*トヨタやソフトバンクもメキシコへ追加投資
*2019年のGDPは10年ぶりのマイナス成長
*2019年は20年ぶりの貿易黒字

(3月製造業PMI悪化)
 3月製造業PMIは46.9で、2月の50.0から低下した。拡大と縮小を分ける50を割り込み、2011年4月の調査開始以来2番目に低い水準になった。
新型コロナウイルス感染症で世界経済が深刻な打撃を受けた。メキシコ製造業部門も同じ構図となった。新事業の落ち込みが特に顕著で、新型コロナが世界的な需要崩壊をもたらしていることが示された。
 3月企業信頼感も44.1で2月の47.1から低下した。4月3日は消費者信頼感の発表がある。予想は45.2、2月は43.9。 

(格下げ)
 S&Pは、メキシコの格付けを「BBBプラス」から「BBB」に引き下げ、見通しは「ネガティブ」とした。新型コロナウイルスの感染拡大や原油価格の急落で経済への打撃が予想され、政府による景気支援の必要性が高まると指摘した。新型ウイルスや原油価格による顕著な衝撃が、すでに軟調なメキシコ経済をさらに悪化させるとの見方を示した。
 2020年の国内総生産成長率はマイナス2-2.5%と予想。21年にはプラス2%強に回復するとの見通しを示した。

(大統領支持率急低下)
 コンスルタ・ミトフスキーが実施するロペス・オブラドール(AMLO)大統領へのインターネットを通じた支持率調査によると、3月27日では、同大統領の就任(2018年12月)後初めて支持率が50%を下回った。2019年10月までは60%台を維持していたが、その後は右肩下がりだ。
 支持率が下降した要因の1つ目は、政権発足後3年間は増税を行わないという、AMLO政権の公約と異なった税制改正案が2019年11月に公表されたことだ。例えば、たばこやビール、フレーバー飲料に対する生産・サービス特別税(IEPS)が実質負担増をもたらした。2つ目は、メキシコ経済が10年ぶりのマイナス成長となる中、2019年の年間正規雇用創出数も過去10年で最低の34万人強にとどまったことだ。2020年3月に支持率が急低下した要因としては、2月27日にメキシコで初めて新型コロナウイルスの感染が確認され、感染者数が日々増加している状況下、保健省が主導する感染症予防策には一定の評価があるものの、消費低迷が著しいレストランや小売店舗などを救済するための経済対策に対しては、厳しい評価が下されていることがある。
 
(2019年のマイナス成長の主要因は投資減退)
 2019年通年(成長率マイナス0.1%)を需要項目別にみると、民間消費は0.6%増、輸出は1.2%増とプラスを維持したが、政府消費が1.5%減、公的総固定資本形成(公的部門の投資)が10.8%減となり、それぞれ0.18、0.31ポイント、GDP成長率を押し下げた。最大の押し下げ要因となったのは民間総固定資本形成で3.9%減、経済全体への寄与度はマイナス0.68ポイントに及ぶ。

2019年のマイナス成長の主要因として投資減退が挙げられるが、2020年に入っても投資回復の兆しがみられない。2020年1月の公的部門の実物投資額は518億5,410万ペソで、前年同月比で実質15.2%のマイナスだ。また、企業家投資意欲指数をみると、1月と2月の季節調整済み前月比は建設業でそれぞれ0.52%減、0.82%減、製造業で1.33%減、1.55%減となっており、企業家の投資マインドは冷え込んでいる。

(金融機関の成長見通しさらに低下)
 大手銀行シティバナメックスが2週間に一度発表する主要金融機関の経済見通しによると、2020年のGDP成長率見通しとして、3月5日時点では0.5~1.5%、平均0.8%だったものが、3月20日時点ではマイナス5.8~0.8%、平均でマイナス2.8%と急低下している。JPモルガンは3月26日、メキシコの成長率見通しをマイナス1.8%からマイナス7.0%に大幅に引き下げた。その理由として、就業人口の6割弱がインフォーマル就労者で、感染抑制のための経済活動停止の影響を受けやすい国であることを挙げている。

テクニカル分析

6週ぶり陽線となったが、今週また下落

 日足、3月31日-4月2日の下降ラインが上値抵抗。4月1日-2日の上昇ラインがサポート。5日線下向き。
 週足、先週は6週ぶり陽線となったが、今週再び陰線へ前週の安値まで下落
ボリバン下限以下。3月23日週-30日週の下降ラインが上値抵抗。
 月足。19年10月-12月の上昇ラインを下抜く。1月、2月は上ヒゲが長く3月は急落。ボリバン下限下抜く。
 年足。16年-19年の上昇ラインを下抜く。15年-20年の下降ラインが上値抵抗。

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VAMOS MEXICO

FRBとの通貨スワップ活用、ペソ急落でドル需要に対応

メキシコ金融当局はFRBと結んだ通貨スワップの枠組みを活用すると発表した。通貨ペソの急落が止まらない中で、国内のドル需要に対応する。
 中銀によると、米国との600億ドルの通貨スワップ枠から資金を引き出し、金融機関向けのドル売却入札に振り向ける。ペソは、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大と原油価格急落が響き、年初来でドルに対して約27%下落。

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