“今度は有事のドル買い。”

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世界の新型コロナ・ウィルスの感染者数が125万人、そして死者数が6万8千人と報告され、その脅威は益々広がりつつある。

金融市場も相変わらず翻弄され続け、かつての経験則とかトレード手法は役に立たない。

先々週のレポートのタイトルは、“ドル争奪戦。”
当然ドルは上昇基調で高値111.71を付けた。

先週のレポートのタイトルは、“一転してドル全面安。”
勿論ドルは下落して安値106.93を付けた。

そして今週のレポートのタイトルは、“今度は有事のドル買い。”で何処までドル高が進むかは分からない。

今朝、安倍首相が緊急事態宣言を出す意向を固めたと言うニュースが流れて108.50前後で推移していたドル・円相場がいきなり109.08まで急伸した。
緊急事態宣言は有事のドル買いとなるのか?

新型コロナ・ウィルスの感染者数が最も多く(30万人を超えた。)、経済活動が極端に制限されているアメリカでは雇用の落ち込みが激しく、先々週に330万7000件の過去最悪の数字を記録した新規失業保険申請件数は、先週も664万8000件と2週連続で過去最悪を更新した。
実にたった2週間で約1000万人の新規失業者が生まれた計算になる。
今週木曜日に発表される4月4日終了週の新規失業保険申請件数も酷い数字になるであろうことは想像に難くない。
金曜日に発表になった3月の雇用統計の数字は失業率が先月から9ポイント悪化し4.4%となり、非農業部門雇用者数が先月の+27万3千人から一気に-70万1千人へと激減した。
しかもこの今回の統計の調査時期は3月中旬で、その後に大都市圏でのロックダウンや失業増加が起こっており、今回の新型コロナ・ウィルス感染拡大による経済的影響が完全に反映されているわけではない。
雇用悪化の実態が顕著に現れるのは、5月初旬に発表される4月の雇用統計になりそうだ。
丁度ひと月後である。
セントルイス連銀のブラード総裁は22日、失業率は4-6月期に30%まで悪化するであろうと述べた。
雇用環境の悪化は米国の実質GDP.成長率を大幅に悪化させるのは当然で、2020年1-3月期は前期比凡そ-7.5%、4-6 月期には凡そ-23.5%と読んでいるが、ゴールドマン・サックスは4-6月期には凡そ-34%とショッキングなレポートを発表した。

株式市場は再び弱気となり、3月23日に付けた安値18,591.93ドルから3月26日に22,552.17ドルまで戻したダウ30種平均株価も先週金曜日には21,052.53ドルまで下げることとなった。
債券も買われ(金利は下げる。)10年物利回りは再び0.6%を切るまで低下している。

株安・金利安にも拘わらずドルは高い。
       3月27日 4月3日
ユーロ・ドル 1.1141 1.0812 (ドル高3%)
ポンド・ドル 1.2480 1.2277 (ドル高1.6%)
豪ドル・ドル 0.6164 0.5992 (ドル高2.8%)
NZドル・ドル 0.6040 0.5856 (ドル高3.0%)
(終値ベース)
この間ドル・円相場は107.95から108.44まで上昇したが、これは僅か0.5%の上昇でしかない。
此れは恐らくリスク・オフ相場の中でのドル高と円高の鬩ぎ合いによる奇妙な均衡のせいではなかろうか?

FRB.によるドル供給策により、かつての“ドルの争奪戦”は終わったかに見えるがアメリカのみならず世界経済減速の可能性が高まるにつれ、基軸通貨であるドルの手元流動性を高めておきたい動きが有るのではなかろうか?
そしてそれを“有事のドル買い”で正当化する。

日本のみならず世界中で起きたトイレット・ペーパーの買い占めみたいなものか?
幾ら“在庫は沢山有ります。”と言っても周りの皆が競って買いに走れば、“無くなったらどうしよう?”と不安になり、自分も買いたくなる。
1週間後に都心や横浜のスーパーが“さあ、持ってけ!”とばかりにどっと売り場に並べると誰も買っていかない。
とは言え、場所によっては未だトイレット・ペーパーの入手が困難だと言う話も聞く。
依然として買いたい人が居るのは当然であろうか?

アメリカは酷いと言う話をしているが、これは我が国にとっては他山の石となる可能性が非常に大きいと言えるであろう。

東京の繁華街での人混み(2週間前まで)や埼玉でのイベントのニュースを見てアメリカの友人から“お前ら、大丈夫なのか?何か特別な薬でも有るのか?”と揶揄されたが、そんな物は有りゃあしない。
只、この人達は緊張感を持たないでフラフラしているだけである。

昨日、東京の1日の患者数が143名に膨れ上がり、その内92人の感染経路が不明だと聞いて驚いた。
恐らくこれらの感染者は10日から2週間前に罹患している筈である。
そして罹患後の間、何処で誰に会っていたかは全く分からない。

アメリカ人の友人に言わせれば、“Very scarey.=(物凄く怖い。)である。
塾長も同感である。

余計な事であるが、先週塾長よりも2歳年下のお笑いタレントの志村けんさんが入院後10日であっという間に逝ってしまったと言う訃報に驚愕した。
恐らく最高の医療スタッフが最新の医療機器を使って、ああも簡単に逝ってしまうものなのか?

そう言えばアメリカもついひと月半前までコロナ・ウィルスを“遠いアジアでの出来事。”と高を括っていた。
そして今は世界で一番の感染者数を持つ国になってしまった。
このコロナ・ウィルスは実に恐ろしい!

さて冒頭に述べた様に、どうやら我が国でも緊急事態宣言が出されるのが時間の問題の様である。

先週発表された3月調査の日銀短観では、大企業製造業業況判断DI.が消費増税の影響を受けた12月調査の0から、新型コロナ・ウイルスの影響を受けて-8に悪化し、6月予測も-11に悪化した。
日本経済は、2019年10-12月期実質国内総生産(GDP)の前期比年率-7.1%に続き、2020年1-3月期GDPは新型コロナウイルス、4-6月期GDPは東京オリンピック延期によるマイナス成長がそれぞれ予想されており、リセッション(景気後退)に陥る可能性が高まっている。
日本政府が非常事態宣言を発動し、またもし東京都がロックダウン(都市の封鎖)などを行えば(世界中の殆どの主要都市では既に行われている。)、景気後退の度合いが深まることで、日本株売り&円売り要因となる。


欧州も酷い
アメリカも酷い。

日本はこれからもっと酷くなるかも知れない。
日本株及び円売りが進むと読むのが簡単だが、上述した様にかつての経験則とかトレード手法は役に立たない。
先週も述べたが、
“日本株が下げれば円安と言うイメージが浮かぶが、リスク・オフとなって円へのレパトリ(Repatriation.= 外貨資産を引き揚げて自国内での資産に移したり、自国通貨に換金したりすること.)が起きれば円高となる。”と言うケースも有り得る。
2011年の東日本大震災の折りはリスク・オフの動きでドル・円相場は史上最安値(円の最高値)の75.57を記録した。

先週と同じく、良く分からない。

少なくとも積極的なリスク・オン(積極的にリスクを取る。)の行動は控えたいと思う。

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