“トランプ大統領、ご乱心か?”

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先週のドル・円相場は相変わらず小動きで、安値106.62、高値107.76の値幅1円14銭に留まり動意が見られない。

毎木曜日に開催される現役ディーラー諸君との会議もZoom.何とかのテレワークとなったが、流石に彼らも“大きなポジションを取る時ではないですね。”と極めて消極的である。
暫くは106.00~108.00のレンジを破る事は無いのかも知れない。

木曜日にトランプ大統領が“強いドルを持つには絶好の時期だ。”と発言した。
確か4月にも“強いドルは良いことだ。”とコロナ騒動が始まる前のドル安志向と真逆の発言をして“トランプ大統領、ご乱心か?”と驚いたが、市場の反応は限られたものであった。
前回の発言の出所は分からなかったが今回の発言はFox Business.とのインタビューで、暇だったのでそのインタビューを見てみた。

どうやらホワイトハウスの庭で録画されたらしい。
聞こえる綺麗な小鳥のさえずりとAmtrak.と思われる列車の汽笛が妙にアンバランスであった。

肝心な所だけピック・アップしてみると、

We have a strong Dollar, we have a great country.
(我々は強いドルと強い国を持っている。)
So, you want a strong Dollar? Cos in the past you said ..
インタビュアーが、(では貴方は強いドルが欲しいんですか、だって昔こう言ってたじゃないですかと)と言おうとすると。
It’s a great time to have strong Dollar.
(強いドルを持つには絶好の時期だ。)
Whole world, you know, they are paying zero interest rates and that never happens either.
(全世界の人が今は金利を払っていないが、そんな事はもう二度と起きない。)
Everybody wants to be in the Dollar because we kept it strong, I kept it strong.
(我々が強いドルを維持し、又私も強いドルを維持したから皆がドルを持っていたいのさ。)
Now from a trade stand point , it’s tougher but from a country’s stand point and inflation stand point, you don’t have an inflation, you don’t have a problem.
(勿論、貿易の観点から言うと大変だが、国やインフレの観点から言うと、インフレは無いし問題は無い。)
Now we have strong Dollar, and right now it is good to have strong Dollar.
(現在ドルは強いが、強いドルを持つことは良いことだ。)
I can live both ways, you understand that.
(貴方も知っての通り、私は“ドルが強かろうが強くなかろうが”、どっちでも良い。)
But right now, having a strong Dollar is a great thing.
(でも今は、強いドルを持つ事はとても良いことだ。)

この発言の後アメリカの友人(元銀行員で勿論共和党支持。)と話したが、彼曰く“トランプにとっては強いドルだろうが、弱いドルだろうがどうもでいいんだよ。
弱いドルが貿易にとって良いと思えばそう言うし、インフレ問題が無い中、強いドルによって株価が上がり、財政赤字が増える中、金利を低く保つ為にも今は強いドルの方が良いと思っているんだよ。Anyway, it’s not a big deal.=(どっちにせよ、大した問題ではないよ。)”と実にあっさりしたものだった。
これが多くのアメリカ人の意見を代弁しているのなら、為替相場が殆ど動かなかった理由も頷ける。

筆者が一番注目したのは“I can live both ways, you understand that.
(貴方も知っての通り、私は“ドルが強かろうが強くなかろうが”、どっちでも良い。)”である。

まあ要するに時と場合によって考えをコロコロ変える事は厭わないと言うことか?
正にトランプ流の考え方、そしてやり方である。

実は同じインタビューの後半で、“今は習近平とは話したくない。”、“中国と国交断絶をすることが可能か、そしてもし断絶した場合何が起きるかを検討している。”、“米国で上場している中国企業を非常に注視している。”とも述べたが、此方の方がより重要であるかも知れない。
そして金曜日には米商務省が中国の通信機器大手のファーウェイに対する事実上の禁輸措置を課すと発表し、中国からの反発は必至の状況である。
一部には中国が米国との貿易合意の破棄を検討しているとも伝えられた。

落ち着いたかに見えた米中貿易戦争再発のリスクが生じつつある。

現在は為替、債券、株式の何れも小康を保っているが、どうやら大きな流れは再びドル安、株安、債券高のリスク・オフの動きに成りつつある様な気がしてならない。

ところで新年度に入って本邦機関投資家の米債買い&ドル買いが期待されたが、5月に入ってから約2400億円の買い越しとなったが、4月は約1兆9千億円の売り越しであった。

ドルを買うと思われた人が買わないどころか売っているのであればドルは上がらない。
5月に入ってからの買い越しも、ドル買いを伴ったものではなくどうやらヘッジ付きだったらしい。
ヘッジ付きとは債券を買う為に買ったドルを先物で売ってヘッジすることであるが、そのヘッジ・コストがドル金利下落のお陰で大きく減少しているらしい。
どれくらいの先物でヘッジするかは知らないが、例えば金曜日の東京市場の先物相場から計算するとドルの直物買い&先物売りのヘッジ・コストは3ヶ月で約0.59%、6ヶ月で約0.65%、そして1年で約0.74%となり1年前の5分の1程度の水準まで減っている。

この状況では期間投資家はリスクを取ってのオープン外債には走らず、ヘッジ付き外債の方針を取るのではなかろうか?
であれば本邦機関投資家からの旺盛なドル買いは期待出来ない。
聞くところによると世界最大の投資家である年金積立金管理運用独立行政法人=(GPIF.)の運用責任者が元ゴールドマン・サックスの債券ディーラーに変わったらしい。
元プロのディーラーとして(今までの運用責任者がプロではなかったと言う意味ではない。)より緻密なヘッジ、或いはアン・ヘッジ(ヘッジしない、或いはヘッジを外す。)を行うのであれば、あくまでも部外者としての意見であるが現状ではオープン外債投資に積極的にはならないのではなかろうか?


何れにせよ劇的な米中関係の変化が無い限り今週も106.00~108.00のレンジを逸脱することは有るまい。

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