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FX初心者でも分かりやすい!マルチタイムフレーム(MTF)分析

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(画像=PIXTA)

更新日時:2022年03月03日

※2020年5月に配信した記事内の説明事例を、2020年の米大統領選挙後の動きに変更しました。


複数の時間軸でチャートを分析する「MTF(マルチタイムフレーム)分析」は、FXのテクニカル分析の中でも重要な役割を果たす手法です。
MTF分析が重視されるのは、スキャルピング、デイトレード、スイングトレードなど、取引手法の「違い」に関係なく、「損をするリスク」を抑える効果が期待できるからです。
しかも、簡単なルールを守るだけなので、FX初心者でも覚えやすく、すぐに実践できます。

MTF(マルチタイムフレーム)分析手法の基本

MTF分析のルールはたったの3つです。

(1)実際のトレードの時間軸を問わず、長期足から分析
(2)短期足よりも長期足を重視
(3)長期足の動きを踏まえて短期足を判断


FX初心者の方々はテクニカル分析と聞くと、「複雑で難しい」「自分には理解できない」と思われるかもしれません。そういうときは、最初から様々な種類のテクニカル分析の方法を「あれこれ」知ろうとするのではなく、まずはMTF分析に絞りましょう。というのも、どのようなテクニカル分析でも、MTF分析の要素が盛り込まれているからです。

MTF分析の基本は、ポジションを持つ前に、まず(1)日足(2)時間足(3)10分足というような順番で、長期的な視点から相場の方向性(上がりやすい状況なのか、下がりやすい状況なのか)を把握します。

このように大きな時間足でチャートを見ることを「マクロ分析」と言います。まず現状を“ざっくり”と分析するのです。長期足で状況を把握したら、今度は短期足でより具体的に探ります。この小さな目線でチャートを追う ことを「ミクロ分析」と言います。

なぜ、長期足と短期足の両方で分析をするかというと、FXでは長期足と短期足の方向性が同じであることが理想的なポジションだからです。例えば、5分足だけを眺めて「下がりそうだ!」と判断し、すぐに「売り(ショート)」ポジションを持ってはいけません。

1)まず日足を観察して「何度も上値を抑えられている」ことを確認します。
2)続いて5分足を見渡して、「下がりそう」なことを確認した上で、ショートポジションを持ちます。

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これがMTF分析手法に基づいたFX取引です。

FX初心者の多くは、短期的な時間足だけをみて状況判断し、ポジションを持ってしまいがちです。しかし、MTF分析の手法を取り入れると、売買の根拠が複数になるので、損を出してしまう可能性は減らせるでしょう。

MTF分析手法はなぜ長期足からみるのか

MTF分析では長期足の分析から行います。「長期足の方向性」を重視するのは、長期足は短期足の集合体と考えられるからです。

1時間足の1本分のローソク足は、見方を変えれば、30分足のローソク足2本分であり、また15分足4本分です。

言い換えると、1時間足1本分には、30分足・15分足で取引したトレーダーの考えが詰まっていることになります。

長期足になるほど多くの短期足を含み、スイングからスキャルピングまで、より多くのトレーダーの思惑を含んでいるので重要視されるのです。

実際のチャートでMTF分析

それでは実際にMTFに基づいて、長期・中期・短期の順にチャートをみてみます。
ここでは長期チャートに日足を使います。これは2022年2月7日20時(日本時間)時点のドル/円相場の日足チャートです。

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※外為NEXT NEO 高機能チャートから作成

バイデン政権が発足した2021年1月以降、ドル/円相場は上昇トレンドに入り、1年経った今も、その状況が継続していることが分かります。このようにMTF分析では、長期足から“ざっくり”と相場を確認していきます。

続いて日足より短い1時間足のチャートをみてみましょう。1時間チャートは日足チャートの最後の部分にあたります。(※日足チャートの緑枠の部分

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※緑枠の部分は下の10分足チャートの部分にあたる

これをみると、この1週間は1ドル=113円50銭〜115円70銭の間で、上下動を繰り返している相場であることがわかります。


最後に短期の10分足チャートをみてみましょう。

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日本時間の2月4日22時30分に発表された米国雇用統計の影響で、50銭ほど円安・ドル高に動いた後に、115円20銭を挟んだレンジで推移し、東京からロンドンへ取引の中心が移る時間帯から、円高・ドル安に動いていることがわかります。

この状況をMTFで分析すれば、

(1)長期的には上昇トレンドが継続
(2)中期的にはレンジ相場
(3)短期的には先週の米国雇用統計で「円安・ドル高」の修正局面

というような見方ができるのではないでしょうか。

そして、この「ドル安」を狙ってドルを売る場合は、長期的にはドル高基調なので、極めて短期に限定し、長期的には、ドル安からドル高に反転するところを狙って、ドルを買うというのが合理的ということになると思います。

6時間後に10分足チャートで確認すると、ドル/円相場は114円90銭付近まで下げた後、115円12銭まで上昇していますので、上での判断がおおむね正しかったことがわかります。

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FX初心者は、直近の短期足チャートで動きを判断し、価格だけを目で追いかける傾向があります。MTFに基づいて複数の時間足から分析するだけでも、おそらく不利なポジションを持つ機会は減るでしょう。

FX初心者にとって「有利なポジショニング」とは、「長期足と目線が合う立ち位置」です。相場を完全に予測することはできませんから、これがいつも正解とは限りませんが、これを心がけることで、大きな失敗は減るはずです。長期足からチャートを見ることが、実は「脱・初心者」の近道なのです。

PickUp編集部

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