元と株は安定、トランプ大統領の攻撃ある中で全人代開幕

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総括

元と株は安定、トランプ大統領の攻撃ある中で全人代開幕

予想レンジ 人民元/円 14.5-15.5

(ポイント)
*景気回復、米国との軋轢、全人代といろいろあるが、元と株価は安定
*景気回復を反映し金利が低下しなくなった
*全人代の成長目標が注目される
*対豪関係も悪化
*米中貿易交渉は進展
*4月貿易収支は輸出が予想の伸び率を上回った
*GDPはほぼ予想通り、小売売上は悪化、鉱工業生産は予想より改善
*4月8日、武漢は開放された
*IMFは中国の回復を示唆
*政府は2Qから経済が正常化するとしている
*今年は「第13次5カ年計画」の最終年
*習国家主席は、2020年の経済成長目標を達成できるとした
*政府は新型ウィルス感染は2月がピーク、4月に収束とした
*経済打撃は6兆円超か
*米国は中国の為替操作国の認定解除
*中国GDPが100兆元へ近づく

(中国はシナリオ通り)
武漢再開から経済指標の好転、そして全人代開催とほぼ中国のシナリオ通りに動いている。4月の鉱工業生産は前年同月比3.9%増加した。新型コロナウイルスの感染防止に向けた封鎖措置が段階的に解除される中、今年に入り初めてプラスに転じた。予想は1.5%増。国家統計局は、中国経済の回復は持続すると予想されるものの、世界的なリセッションのリスクが高まっていることが、中国の輸出にとって大きな試練となっていると警告した。また、雇用に比較的大きな圧力がかかっており、現在見られる回復はまだ弱々しいとした。中国の経済成長は現在、内需に依存している部分が大きい。消費の勢いは、出発点が低く、ゆっくりとではあるが、改善し続けるとされている。

(順調な中国へトランプ大統領が攻撃)
 トランプ大統領は、習近平国家主席について「いまは話をしたくない」と語った。さらに、中国と「完全に断交することが可能か、断交した場合に何が起きるか」思案していると述べ、「5000億ドルを節約できるだろう」との見方を示した。ニューヨーク証券取引所およびナスダックに上場しながら米国の会計規則に従っていない中国企業を「非常に厳しく注視している」と述べた。
 一方、米国家経済会議(NEC)のカドロー委員長は、米中が合意した「第1段階」通商協定は決して崩壊しておらず、両国は引き続き貿易問題に取り組んでいると強調した。ムニューシン財務長官、ライトハイザー通商代表部(USTR)代表、中国の劉鶴副首相による先週の電話協議は成功だったとし、中国とは新型コロナウイルスの発生源などいろいろ問題もあるが、通商合意に関しては崩壊していないと強調した。

(中国の対米反論)
中国は、米国が新型コロナウイルス危機対応の不手際を巡る自らの責任を中国に転嫁しようとしていると非難した。トランプ米大統領が世界保健機関(WHO)への資金拠出停止と加盟見直しに言及したことに反論した。
 トランプ米大統領は、「WHOが今後30日以内に大幅な改善にコミットしなければ、米国は資金拠出の一時停止を恒久化し、WHOの加盟も見直す」と述べた。外務省の趙立堅報道官は、米国は中国を非難し中国を利用することで自ら責任を逃れようとする過ちを犯した、と述べた。

(中国の金利が下がらない)
 人民銀行は、銀行の貸出金利の指標となる最優遇貸出金利(ローンプライムレート、LPR)を予想通り据え置いた。
人民銀は、新型コロナウイルス流行で打撃を受けた景気を下支えするため金融緩和を強化してきたが、今回のLPR据え置きは緩和をいったん休止するシグナルとなっている。
人民銀は今回、1年物3.85%、5年物は4.65%で、それぞれ据え置いた。
人民銀は、先週公表した1年物中期貸出制度(MLF)金利も予想外に据え置いていた。4月と5月の景気は市場の予想以上に回復しており、おそらく政策上の想定も超えていただろうと見られる。

(全人代開催 成長目標は)
 全人代は22日に開幕する。中国指導部は、失業増大や対米関係の悪化など様々な問題を抱えている。全人代では追加の経済対策を明らかにする見通しだ。
注目は、李克強首相が行う政府活動報告。経済成長の目標設定や財政政策について見解を示すとみられている。
共産党中央政治局は、景気を下支えするため、財政赤字の対国内総生産(GDP)の引き上げ、地方政府の特別債発行拡大、2007年以降で初となる特別国債の発行に踏み切る方針を示しているが、詳細は明らかになっていない。
中国政府は当初、経済成長目標を6%前後にする方針だったが、李首相はこれを大幅に下回る目標を発表するとみられている。
政府系シンクタンクや政府顧問は経済成長目標を2-3%、もしくは3%前後に引き下げることや、経済成長目標の発表を見送ることを提案している。

テクニカル分析(人民元/円)

雲やボリバン上限に近い

日足。5月19日-20日の上昇ラインがサポート。4月13日-5月19日の下降ラインが上値抵抗。ボリバン上位。5日線は上向き。
週足。ボリバン下位。4月6日週-13日週の下降ラインを上抜く。3月9日週-5月4日週の上昇ラインがサポート。
 月足、20年3月-4月の下降ラインが上値抵抗。3月-4月の上昇ラインを下抜く。ボリバン下位。
 年足、11年-19年の上昇ラインを下抜く。18年-19年の下降ラインが上値抵抗。

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チーファンラマ

対豪関係

 新型コロナウイルス感染拡大に関する国際調査を要求してきた豪に対し、中国は「経済制裁」を思わせる措置を相次いで取った。豪にとって中国は最大の貿易相手であり、経済での依存度が高く、苦しい立場に追い込まれている。

 中国は豪産牛肉の輸入を一部停止した。食肉輸入の4割近くを停止した形だ。
さらに豪産大麦に対して、80.5%という高い追加関税を適用すると発表した。
 タイミングとしては、調査要求に対する「制裁」ととれるが、中国側はいずれについても「独立調査の要求とは無関係」の立場を取っている。

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