総括
21年成長見通し引き上げ。20年はマイナス7％成長か
通貨最下位、株価7位
予想レンジ 南アランド円 5.6-6.6
（ポイント）
＊政策金利は0.5％引き下げられ3.75％となった
＊21年の成長見通しは引き上げられた 20年はマイナス7％成長か
＊7月まで計画停電はない見込み
＊南ア航空は清算中
＊世界各国の経済再開でややリスクオンの流れとなる
＊経済対策を出すが、財政赤字増大に繋がる
＊中国と首脳会談を行う
＊金価格上昇で外貨準備も増加
＊3月の企業景況感指数が悪化
＊通貨は年初来最弱
＊4Q・GDPはマイナス成長でリセッション入り
＊ムーディーズに続きフィッチも格下げ
＊直接投資が減少、海外投資家は株式を売り越した
＊中銀は国債購入を開始、流動性を供給
(先週は最強通貨、年初来では最弱通貨）
世界各国の経済再開でリスクオンの流れとなり先週は対円で6.08％上昇した。ただ年初来では依然最弱通貨で21.16％下落している。
（政策金利引き下げ、21年成長見通しは引き上げ）
先週、南アは政策金利を0.5％引き下げ3.75％とした。中銀は今年の南ア経済が７％のマイナス成長に陥ると予想。利下げにより消費や雇用に対する圧力が緩和されるとの見方を示した。 今回の決定は全会一致ではなく、5人の政策決定委員のうち3人が0.5％の利下げ、2人が0.25％の利下げを主張した。消費者物価の上昇は今年は中銀の目標レンジ（3-6％）の中間値4.5％を大きく下回るとの見方を示し、「金融政策だけでは、潜在経済成長率を改善したり、財政リスクを低減したりすることはできない」とした。 2021年のGDP成長見通しは従来の2.2％から3.8％、22年を2.7％から2.9％に上方修正したことは好感された。
（コロナウィルス感染防止規制を緩和）
コロナウィルス感染対策ではラマポーザ大統領は、感染拡大防止のため全土で実施している封鎖措置の緩和をさらに進めると発表した。関係者との協議を直ちに始め、それを踏まえて5月末までには大半の地域で警戒レベルを3に引き下げ、企業活動や店舗営業の再開をさらに進めると述べた。
（南アの新型コロナ死者、最大5万人に増加も）
南アの新型コロナウイルス感染による死者が年末までに最大で5万人に拡大し、感染者も最大300万人に増えるとの予想を保健当局が5月21日に示した。
南アはすでに新型コロナの被害がアフリカ大陸で最も大きく、感染者は1万8000人余り、死者は約340人。一方、全国的なロックダウン（都市封鎖）で感染は鈍化している。
ただ、保健当局の委託を受けた科学者や統計学者のモデル分析によると、死者は11月までに3万5000-5万人に増加すると推計されたという
（エスコム社現状）
電力大手エスコム社は 7 月末まで計画停電を回避したい考えだ。ロックダウン中に発電を蓄積できるため、冬のシーズンの早い段階での計画停電は行わない見通し。一方で、ロックダウン終了後の電力需要は、ロックダウン前と同程度に上昇すると予想。これにより、ロックダウン終了後の最初の数週間は、インフラ設備に負担がかかるが、計画停電は回避できると考えている。
(南ア航空（SAA）及び SA Express の清算措置について）
現在、会社更生法の適用下にある国営航空企業の SAA について、政府は更生管財人との
清算措置への協議を停止している。両者とも国際的に競争力のある航空会社へ再建するこ
とを言及しているものの、政府は追加資金提供を拒否しており、SAA は4月以降の従業員へ給与を支払う資金は残っていない。同じく、会社更生法の適用下にある SA Express は、事業継続が難しく、今後事業が好転する見込みはないと判断され、暫定清算措置がとられた。
テクニカル分析（ランド/円）
今年最弱通貨の南アランドがボリバン上限上抜きで越週
日足。ボリバン上限を上抜く。5月21日-22日の下降ラインが上値抵抗。雲中。5月22日は下ヒゲ長い。5月21日-22日の上昇ラインがサポート。5日線上向き。
週足。ボリバン内へ戻り4月6日週-5月11日週の下降ラインを上抜き上昇。5月4日週-18日週の上昇ラインがサポート。2月17日週-24日週の下降ラインが上値抵抗。
月足。4か月連続陰線、今月はここまで陽線。ボリバン内へ戻す。2月-3月の下降ラインが上値抵抗。
年足、16年-19年の上昇ラインを下抜く。15年-18年の下降ラインが上値抵抗。
喜望峰
株価指数は半値戻しは達成
今年の南アランドは通貨番付で最弱だが、株価は16市場中、7位である。金利低下と通貨安、中国経済の回復で持ち直している
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