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【ポンド円】英国対EUのチキンレース

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いま最もホットな通貨ペアを日々ピックアップ!
その動向や見通し、注目材料をコンパクトにお伝えします。

6月15日(月)ポンド/円

基調
方向感模索

目先の注目材料
・6/15 英・EU首脳会談
・主要国株価、国際商品価格

英国対EUのチキンレース

今年1月末に欧州連合(EU)を離脱した英国は12日、通商を含む将来関係を交渉する期間である「移行期間」について、年末までの期限を延長しないとEUに正式に表明した。
本日は、ジョンソン英首相がフォンデアライエン欧州委員長およびミシェルEU大統領と会談する予定で、延長なしの決定を改めてEU首脳に伝える見通しだ。
もっとも、ここまでは市場も織り込み済みであり、現時点でポンド相場にそれほど大きな動きはない。

問題は、これをきっかけに英国とEUの自由貿易協定(FTA)交渉が進展するかどうかであろう。
この交渉における懸案事項は、税制や政府補助金などに絡む「公正な競争」の問題と、英国水域におけるEU漁船の操業に関する「漁業」の問題とされる。
離脱後はEUの制約を受けないと主張する英国と、英国がEUのルールに従わないならこれまで通りの関係(EU単一市場への高水準のアクセス)ではいられないとするEUの主張に隔たりは大きい。
いわば、英国とEUのどちらが先に譲歩するかを競う「チキン・レース」の様相であり、どちらも譲らなければ来年1月1日には、英・EU間に関税障壁が生まれる「FTAなき離脱」に陥りかねない。
本日の英・EU首脳会談がこうした事態を打破するきっかけとなるか注目されよう。

なお、6月末から5週間にわたり、双方の担当者による交渉の第5ラウンドが行われる事が決まっているが、本日の首脳会談で進展がなければ、第5ラウンド交渉も単なる意見交換の場になってしまう可能性がある。
「FTAなき離脱」が実現するとしても、まだ半年余りの時間があるため、現時点でポンド相場が大きな反応を示す公算は小さいが、今後の交渉の行方を占う上で本日の首脳会談に注目したい。

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