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「短期トレードは勝率が命」バカラ村氏 FX特別インタビュー(中編)

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日本のFX勃興期から個人投資家として活躍され、FXの国際的なコンテストでは並み居る猛者を抑えて優勝するなど、トレーダーとしての実力も折り紙付きのバカラ村さんにインタビューを行いました。
前編ではFXを始めるまで、FX世界大会に参加したいきさつ、プレッシャー下で平静でいるためのコツなどについて伺いました。
中編では、テクニカル分析、通貨強弱について、短期トレードや外為注文情報の活用など、実践に役立つ内容となっています。

前編:
https://www.gaitame.com/media/entry/2020/06/25/172732

▼目次

1.テクニカル分析の限界
2.通貨ごとの強弱分析がもっとも有効
3.短期トレードは勝率が命

1.テクニカル分析の限界

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PickUp編集部:
では次の質問に移りたいと思います。
国際テクニカル連盟認定テクニカルアナリストとして、FXのテクニカル分析にお詳しいと思います。
そんなバカラ村さんが、ファンダメンタルズ分析の重要さも訴えていらっしゃるのが、意外に感じます。
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バカラ村:
テクニカル分析だけでのトレードもいいと思うんですけど、ファンダメンタルズ分析の結果と、両方合致した時のほうが良いわけなんです。
これは、テクニカル協会が出しているテキストで最初の方に書かれてあるんです。
なのでファンダメンタルズがわかったほうが良いと思います。
あと、テクニカル分析って、学べば学ぶほど、どうとでも分析出来ちゃうことがわかるんです。
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PickUp編集部:
導き出されるトレード判断は、一つじゃないんですか?
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バカラ村:
例えば上げ相場のとき、売りシグナルを見つけようと思ったら、見つけられますし、下げ相場で逆のことも言えます。
どのテクニカルの分析方法を選ぶかによって、いくらでも解釈ができる
なのでテクニカル分析は、結局は確率論だけでしかない、って気づくんです。
システムトレードで自動売買するっていうのもちょっとは興味ありますけど、やっぱり大きな相場の流れを作るのはファンダメンタルなんで、やっぱりそっちも見ておいた方がいいんじゃないかなって私は思っています。
まあ、ひとそれぞれだと思います。
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PickUp編集部:
追加の質問ですけど、バカラ村さんの経歴を拝見しますと、法律の勉強されていて文系だったと思うんですが、なぜテクニカルを学んでみようと思ったのでしょうか?
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バカラ村:
僕がFXを始めた当時、まだテクニカルの本が少なかったんですけど、ネット上ではテクニカル分析でFXトレードをする方は、いっぱいいました。
証券会社には、ファンダメンタル分析の投資アイディアをいろいろと伝えてくれるところもありましたが、エントリーのタイミングが明確でなかったので、なんかしっくりこないなぁという感想でした。
だったらテクニカルを極めたほうがいいのかなって、その時思ったので勉強を始めました。
極めるといっても、当時はチャートがテクニカル分析通りに動くこともあるしな、みたいなノリでしたね。
例えば、テクニカル分析の教科書に出てくる、移動平均線のゴールデンクロス、デッドクロスって、そのままではあまり役に立ちにくいんですけど、当時MACDとストキャスティクスを同時に使うとうまくいくんじゃないかという本がでていましたので、その本をまねたら比較的うまくいった記憶があります。
テクニカルって意外にいいんじゃないかなっていうことが始まりだったと思いますね。
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PickUp編集部:
でも認定試験を合格するのは大変だったんじゃないですか?
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バカラ村:
試験内容に論文があるのですが、私は司法試験の勉強でイヤと言うほど書いていたので、結構すんなり行けました。
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PickUp編集部:
失礼しました(笑)。
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バカラ村:
話を戻しますが、ファンダメンタルの方向にテクニカルが向けばエントリーはすごくしやすいですね。
ポジション持っててもすごい気が楽です。

2.通貨ごとの強弱分析がもっとも有効

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PickUp編集部:
別のインタビューなどでFXトレードの分析で役立つのは、通貨ペアごとに強弱を見て、通貨単体の強さ・弱さを見ること、と解説されていますね。
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バカラ村:
鉄板の分析方法ってわけではないんですけど、やっぱり通貨ごとに見るほうが、わかりやすいという気がします。
チャートをひとつひとつ見ても、ドル/円が上がっていた場合に、果たしてドルが上がっているのか、円が売られているのか、分からないですよね。
なので一通りぐるっと見て、どれが一番強いのかっていうのは見ています。
このあたりを便利にまとめて表示してくれるツールがありますけど、私はあまりそういうのを使わなくて、一つ一つ見ていますね。
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PickUp編集部:
個別にチェックした方が、トレンド変化などに早く気づきやすいということでしょうか。
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バカラ村:
そうですね、私はそういう風に思っています。
便利なツールは、常に今の状態の強弱を表示しているだけだと感じています。
私が一つ一つ見ているのは、例えば日足がこの2~3日後に上がるのか下がるのか知るため、推移も含めて見ています。
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PickUp編集部:
なるほど。
ただ、自分の強弱分析が正しいのか心配、など相談も受けることもあると思うんですけど、どうでしょうか。
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バカラ村:
私も、自分の分析をずっと心配してます(笑)。
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PickUp編集部:
そうなんですね(笑)。
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バカラ村:
トレードの判断が絶対正しいかなんて、私でもわからないです。
多分こうだろうと思いながらエントリーしているだけです。
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PickUp編集部:
不安がありながらも、これまでしっかりトレード実績につながっているので、現在も有力な分析手法として使っているということでしょうか。
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バカラ村:
そうですね、これまで通用していた手法でも連発で負け続けてることがありますが、そんときはいろんな方法で修正したりしてきました。
通貨の強弱は「普通考えたらこうだよね」と、思いながらのエントリーに活用しています。
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PickUp編集部:
ありがとうございます。
ちなみに外為どっとコムの顧客の指値注文を一覧化した「外為注文情報」はトレード判断に活用されていますか?
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バカラ村:
以前は見ていましたが、最近は見てないです。でもトレード判断に使えると思いますよ。
「外為注文情報」は、指値ではなくストップオーダーを重視するべきじゃないかと思っています。

ストップ方向にトレンドが向かっているのであれば、ストップのレートが付く可能性は高いかなと。
ただ、そのストップが直近の高値や安値の外側にある場合は、それを狙いにいくのはちょっと難しかったりしますが。
逆に高値安値の内側だったら、だいたいつくかなって気がします。
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PickUp編集部:
そのあたり、もうすこし詳しくお願いします。
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バカラ村:
高値安値の外側にあるオーダーは、先にレンジブレイクしてくれないと到達しないですよね。
つまり、レンジブレイクっていう条件が伴うので、素直にはストップを付けないかなと。
レンジブレイク狙いのトレードは、成績悪く負け続けることがあったので、 そういう意味でもレンジ外のストップオーダーはあまり気にしちゃいかんなぁっていう気がしますね。
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PickUp編集部:
「外為注文情報」を最近見ていないのは、なぜなんですか?
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バカラ村:
指値、ストップが有効なのは基本的にドル/円しかないというイメージがあるんです。
いまのドル/円、動かない通貨ペアになっていってるんですよ。
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PickUp編集部:
なるほど、値動きがないと注文情報を活用したトレードは機能しないということなんですね。
また、損切注文をしっかり入れるように個人投資家に推奨していますが、実際バカラ村さんご自身のトレードで、損切り注文がつくことってあるんですか?
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バカラ村:
めっちゃあります。
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PickUp編集部:
おお、そうなんですか。
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バカラ村:
スイングトレードのとき確実に損切り注文をいれます。
あと、ストップがつく前に自分でポジションを切ることも多いです。
あの、私、含み損っていうのが好きじゃなくて・・・
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PickUp編集部:
(笑)。
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バカラ村:
よく、含み損に耐える人っているじゃないですか。
私は一度含み益になったポジションが含み損になると、もう切りたくて切りたくて仕方がなくなってくるんですよ。
だからストップがつく前に切っちゃうことも多々あるんです。
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PickUp編集部:
へぇー。
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バカラ村:
だからスイングトレードは勝率じゃなくて結果にこだわっていますね。

3.短期トレードは勝率が命

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PickUp編集部:
では短期トレードの場合はどうでしょうか。
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バカラ村:
逆に、短期売買、スキャルピングに関しては、勝率を重視しているんです。
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PickUp編集部:
あ、そうなんですか。方針が真逆ですね。
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バカラ村:
ええ。とにかく勝率でカバーします。
損小利大じゃなくて、まったく逆のことしています。
スキャルピングは、ほんとに小さな利益を積み重ねて、たまにボコっとやられる。
確度の高いトレードを繰り返してドカンと損することを耐える感じです。
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PickUp編集部:
意外です。コツコツの数でカバーするんですね。
スキャルピングのお話が出たので伺いますが、中長期と超短期・スキャルピングのトレード比率はどうでしょうか?
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バカラ村:
超短期・スキャルピングを行うことは、今は少なくなったんです。
スキャルピングする場合、ほとんどがドル/円やったんで、先ほどお話した通り、ドル/円が動かなくなったので機会が減りました。
やっぱり流動性のある通貨でやりたいので、もし今後動きはじめるなら、スキャルピングをちょっと試そうかと思います。
話が戻りますが、スイングトレードはまったく逆で勝率は気にしないけど利益は伸ばすこと重視でやります。
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PickUp編集部:
より多く利益を伸ばす、という意味で、リスクリワードって言葉ありますけど、そのあたりどうでしょうか。
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バカラ村:
私、全然気にしてないですね。
多分バックテストというか検証すれば私のトレード結果がでてくるんでしょうけども、検証してないので。
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PickUp編集部:
検証はされないんですね・・・。これまた意外です。
大きく利益が取れそうなところは、しっかり入って行くということなんですね。

PickUP編集部より

国際テクニカル連盟認定テクニカルアナリストのバカラ村さんがファンダメンタルズ分析も重要視しているというのは驚きがありましたが、テクニカル分析とファンダメンタルズ分析両結果の合致が良いというところに、視野を広く持つべきことの重要さを感じました。また、短期トレードでは勝ちの数で損失をカバーするというのも、驚きでした。
後編では、FX初心者にオススメの手法についてお伺いしました。

【インタビュー】

バカラ村 氏
国際テクニカルアナリスト連盟 認定テクニカルアナリスト。
2015年トレード世界大会為替部門で優勝。2017-18年トレード日本大会優勝。
得意通貨ペアはドル円やユーロドル等のドルストレート全般である。
デイトレードを基本としているが、豊富な知識と経験に裏打ちされた鋭い分析をもとに、スイングトレードやスキャルピングなどを柔軟に使い分ける。
1日12時間を超える相場の勉強から培った、そのアプローチには、個人投資家のみならず多くのマーケット関係者が注目している。