「クロス円は調整ムードか」外為総研 House View ポンド/円・豪ドル/円 2020年7月

【外為総研 House View】

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目次

▼ポンド/円
・ポンド/円の基調と予想レンジ
・ポンド/円 6月の推移
・6月の各市場 
・6月のポンド/円ポジション動向
・7月の英国注目イベント
・ポンド/円 7月の見通し

▼豪ドル/円
・豪ドル/円の基調と予想レンジ
・豪ドル/円 6月の推移
・6月の各市場
・6月の豪ドル/円ポジション動向
・7月の豪州・中国注目イベント
・豪ドル/円 7月の見通し

ポンド/円

ポンド/円の基調と予想レンジ

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ポンド/円 6月の推移

6月のポンド/円相場は131.761~139.735円のレンジで推移し、月間の終値ベースでは約0.5%上昇(ポンド高・円安)した。

新型コロナウイルス対策で停止していた各国の経済活動が再開される中、景気回復期待の円売りとドル売りが先行するとポンドが強含んだ。5日には2月末以来の高値となる139.735円前後まで上伸したが、その後は上値を削る展開となった。

米国などでコロナ感染が再拡大し、「第2波」への懸念が浮上した事や、英国と欧州連合(EU)の将来関係を巡る交渉が不調に終わった事などが重しとなり、22日には131.761円前後まで軟化した。

月末にかけては132円台を中心に安値圏でもみあっていたが、30日にはポジション調整と見られる動きで133円台後半へと値を戻して月間の上昇を確保した。

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2日
英国と欧州連合(EU)の通商協議について、英紙が「英政府は漁業権などで譲歩する用意がある」と報じた事でポンド買いが強まった。しかしその後、英国のスラック報道官は「これはEU側による希望的観測だ」と報道を否定した。

5日
英国のEU離脱=Brexit協議でEU側の責任者を務めるバルニエ首席交渉官は、「今週行なわれた英国との今後の通商関係を巡る交渉では大きな進展はなかった」と明らかにした。ただ、ポンドが反応を示す事はなかった。

その後、英国側の交渉責任者であるフロスト氏は、「進展は限定的だったが交渉は前向きで、引き続き成果を出す事に尽力する」と述べた。

12日
英4月鉱工業生産は前月比-20.3%、同製造業生産も前月比-24.3%と、いずれも予想(-15.0%、-15.6%)を下回った。これらの影響で英4月国内総生産(GDP)は前月比-20.4%と予想(-18.7%)を超える落ち込みとなった。

15日
欧州委員会は、ミシェルEU大統領およびフォンデアライエン欧州委員長とジョンソン英首相の会談後に声明を発表。

事実上のBrexit後の通商関係に関する交渉について、「英とEUは『新たな推進力』が必要との見解で一致」「7月に集中的に交渉を行い、2020年末までに合意をまとめ批准を後押しするような環境を作ることで合意した」とした。

16日
英5月失業率は7.8%(前回6.3%)、同失業保険申請件数は52.89万件増(前回103.27万件増)であった。また、英2-4月失業率(ILO方式)は3.9%(予想4.7%)、同週平均賃金は前年比+1.0%(予想+1.3%)であった。

17日
英5月消費者物価指数は前月比±0.0%、前年比+0.5%と予想通りとなり、コア指数は前年比+1.2%(予想+1.3%)であった。一方、英5月生産者物価指数は前月比-0.3%、前年比-1.4%といずれも予想(-0.1%、-1.0%)を下回った。

18日
英中銀(BOE)の金融政策委員会(MPC)は資産買い入れプログラムの規模を1000億ポンド増額して7450億ポンドとした。政策金利は0.10%に据え置いた。

同時に公表した議事録では政策金利の据え置きに9人全員が賛成していた(資産買い入れ拡大には1人が据え置きを主張して反対)事も判明。資産買い入れ枠の拡大が予想通りだった事などからポンドに買い戻しが入ったが一時的だった。なお、ベイリー総裁は会見でマイナス金利について踏み込んだ議論はなかったと明らかにした。

19日
英5月小売売上高は前月比+12.0%と予想(+6.3%)を大幅に上回り、過去最高の伸びを記録。前月(-18.0%)から急回復した。自動車・燃料を除いた売上高も前月比+10.2%と予想(+4.1%)を上回り、前月(-15.0%)から持ち直した。

23日
英6月製造業PMIは50.1、同サービス業PMIは47.0といずれも予想(45.0、40.0)を上回った。

30日
英1-3月期国内総生産(GDP)・改定値は前期比-2.2%、前年比-1.7%と速報値(-2.0%、-1.6%)から下方修正された。コロナ禍で個人消費が前期比で-2.9%と落ち込んだ事が響いた。ただ、6月末のロンドン・フィキシングに向けてポンド買いの大口フローが観測されるとポンド/円は上昇した。

6月の各市場

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6月のポンド/円ポジション動向

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7月の英国注目イベント

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ポンド/円 7月の見通し

6月はドルが広範囲に下落したがポンドの対ドル上昇率はユーロなどに比べて小さかった。英国と欧州連合(EU)の間で、自由貿易協定(FTA)を軸とする将来関係を巡る交渉が難航している事がポンドの上値を抑えたと見られる。

7月は、週に1回のペースで集中的に交渉が行われる事が決まっており、合意への道筋が見えてくるかが注目される。ポンド相場でもこの点が材料視される公算が大きい。政府補助金などを巡る「公正な競争条件」の問題と、英水域でのEU漁船の操業を巡る「漁業問題」で交渉のネックとなっている状況に変わりはない模様で、現時点では7月中に合意できる可能性は極めて低いと言わざるを得ない。

ジョンソン英首相はこれまで公言してきたとおりに、6月30日までの期限内に「移行期間」の延長申請を行わなかった。これにより、2020年末に英国が名実ともにEUから離脱する事がほぼ確定した。したがって、FTA交渉を年末までに部分的にでも纏められなければ、2021年1月に英国とEUの間に貿易関税が発生する事になる。

EU側のバルニエ首席交渉官が10月(に行われるであろう)EU首脳会議がヤマ場になるとの認識を示している事もあって、7月の交渉が不調に終わっても一気にポンド安が進む事は考えにくいが、6月のように上値の重い展開が続きそうだ。

豪ドル/円

豪ドル/円の基調と予想レンジ

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豪ドル/円 6月の推移

6月の豪ドル/円相場は71.611~76.784円のレンジで推移し、月間の終値ベースでは約3.7%の上昇(豪ドル高・円安)となった。

各国で経済活動が再開する中、景気回復期待の豪ドル買い・円売りが先行すると8日には76.784円前後まで上昇して約13カ月ぶりの高値を付けた。その後は、新型コロナウイルス感染「第2波」への懸念が浮上したため上値を削ったが、景気回復期待との綱引き状態となり市場心理の悪化が止まると72円台で下げ渋った。

中旬以降は73円台を中心に小動きとなったが、30日には四半期末に絡む円売りとドル売りのフローが観測され74円台半ばに上昇して6月の取引を終えた。

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1日
中国政府は農業分野の主要国有企業に対し、大豆や豚肉など米農産物の一部について購入を停止するよう伝えたとする関係者の発言が報じられた。トランプ米大統領が香港に対する優遇措置を撤廃する方針を示した事への対抗措置とされる。

米中の対立激化が懸念されて一時リスク回避の豪ドル売り・円買いが強まったが、欧米株が景気回復期待で上昇する中で豪ドル売り・円買いは続かなかった。

2日
豪中銀(RBA)は予想通りに政策金利(0.25%)を据え置いた。3年国債利回りを0.25%前後に誘導する「イールドカーブ・コントロール(YCC)」も維持した。

声明で「緩和的なアプローチは必要な限り維持」と表明した一方、「景気後退の深さは以前の予想ほど深刻でない可能性がある」と、やや前向きな見方を示した事もあって豪ドルは上昇した。

3日
豪1-3月期国内総生産(GDP)は前期比-0.3%に踏みとどまり予想(-0.4%)を上回った。前年比は+1.4%と予想と一致した。

4日
豪4月貿易収支は88.00億豪ドルの黒字となり、黒字額は予想(75.00億豪ドル)を上回った。また同小売売上高は前月比-17.7%と予想(-17.9%)を僅かに上回った。

10日
米連邦公開市場委員会(FOMC)で、少なくとも2022年までゼロ金利を維持する見通しが示された事を受けてドル安(豪ドル高)が進行。

しかし、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が米経済の先行きに悲観的な見方を示すと米国株が急落したため円買い(豪ドル売り)に傾くなど乱高下しつつも、豪ドルは横ばい圏で取引を終えた。

15日
米国や中国で新型コロナウイルスの感染が再び増加した事で感染第2波への懸念が広がり、アジア株や米国株先物が大きく下落。リスク回避の豪ドル売り・円買いが一時強まった。しかし、FRBが社債購入の開始をアナウンスすると米国株が上昇に転じたため豪ドル/円も反発した。

16日
日銀は企業の資金繰り支援策であるコロナ対応特別プログラムの規模を75兆円から110兆円に拡大した。トランプ米政権が1兆ドル規模のインフラ支出を検討しているとの報道が伝わった事もあって、一時リスク選好の円売りが強まった。

しかし、北朝鮮が同国内の南北共同連絡事務所を爆破した事や、パウエルFRB議長が議会証言で改めて米経済の先行きに厳しい見方を示した事でリスク回避の動きへと反転。豪ドル/円は75.00円台に上昇した後、73.30円台に下落するなど乱高下した。

22日
ロウRBA総裁が講演で「最近の豪ドル相場の上昇は現時点で問題ではない」との認識を示した事を受けて豪ドルは買いが優勢となった。北京市の21日の新型コロナウイルス新規感染症例が9件に留まった事も好感された。

23日
米国のナバロ大統領補佐官が「中国との通商合意は『終わった』」と述べた事が伝わると米中対立への懸念が再燃して円が急伸。

しかし、直後にナバロ氏が、自身の発言は文脈を無視して報じられたもので通商合意は続いていると釈明すると一気に円が売り戻された。トランプ米大統領が「米中通商合意はまったくの無傷だ」などとツイートした事も材料視された。

30日
中国6月製造業PMIは50.9、同非製造業PMIは54.4といずれも予想(50.5、53.6)を上回った。アジア株の上昇も相まって豪ドル買い・円売りが優勢となった。

中国が香港国家安全法を可決・成立させた事もあって午後に入ると一時弱含んだが、米6月消費者信頼感指数の好結果などから米国株が上昇する中、74円台半ばへと上昇した。

6月の各市場

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6月の豪ドル/円ポジション動向

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7月の豪州・中国注目イベント

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豪ドル/円 7月の見通し

豪ドル/円は3月の「コロナ・ショック」で付けた59.80円台を底値に、6月には76.70円台まで反発したが、ひとまずピークを付けた可能性が高そうだ。

世界経済がコロナ禍からV字回復するとの期待が豪ドル相場を支えてきたが、6月に入り各国で新型コロナの感染が再拡大しており、V字回復期待が後退しているためだ。新型コロナウイルスの感染は、いち早く経済活動を再開した豪州でも再拡大の兆しを見せており、これから冬本番を迎える同国の感染状況には留意が必要となろう。コロナ感染が多少再拡大したとしても、各主要国が金融緩和と財政拡大で支えているため、市場心理が急激に悪化する事はないと見るが、大幅に改善するとも思い難い。

なお、豪ドル/円の天井感は週足チャート上からも窺える。2019年12月高値の76.55円前後と、6月の76.78円前後の高値で「ダブル・トップ」を形成しつつある他、6月第2週以降は74.10円台から75.30円台に横たわる週足一目均衡表の雲が上値抵抗ゾーンになっている。3月安値から6月高値への上昇に対する38.2%押しにあたる70.32円前後まで調整しても不思議ではなさそうだ。

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