例年の夏と違い穏やかな円高か、ワクチン治験が進みリスク選好は続く

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総括

例年の夏と違い穏やかな円高か、ワクチン治験が進みリスク選好は続く

ドル円=105-110、ユーロ円=120-125 、ユーロドル=1.12-1.17

通貨ごとの注目ポイント

*円「通貨3位、株価9位、いつもの夏と違って穏やかな円高か」
 G20財務相・中銀総裁TV会議が週末開催された。もちろんコロナウィルス感染問題が主要議題であったが、「今後も財政出動と金融緩和を続けるなど政策を総動員することで一致」という市場では反応し難い総花的声明となった。世界経済に大きく影響する米中対立、香港問題、高金利通貨安などは当該国が参加しているだけに議論して欲しかったが、声明には何も掲載されなかった。米中に忖度か。
 さてプラザ合意以降の日本の経済悪化や世界的経済ショックでは、必ず大幅円高が進み、株も最弱の国となっていたが今年は違う。有事の円買いの勢いがなくなっている。コロナウィルス感染のパンデミック
でも円は最強通貨にならず、株も下落したが最弱市場とはなっていない。やはり需給の変化が生じているからだ。これまでの何か大きな経済ショックがあった時は膨大な貿易黒字を抱えていた。さらに景気が悪化して輸出ドライブをかけ大円高となっていたが今は違う。貿易赤字が少額ながらも赤字が続いている。海外工場移転で輸出ドライブをかけきれない。
 季節的な輸出先行というリーズ&ラグスの円買いは夏ごろまで続くが、輸入が目立つ秋には円安方向へ向かうだろう。今週は6月貿易統計の発表がある。また営業日が3日なので仲値時間までのドル買いが予測される。ただ月末で午後は輸出のドル売りが嵩む時期でもある。

*米ドル「通貨4位、株価(NYダウ)10位、感染者増大の中でワクチン治験が前進しリスク選好は続く」
米中対立か、いやトランプ大統領個人と中国の対立なのか。バイデン氏が大統領になれば流れが変わるという思惑は米国民にも中国や他国にもあり様子見しているところだろう。支持率が低下しているトランプ大統領には感染を中国の責任とすることか、ワクチンを完成させることしか浮揚の目はない。中国は米国の制裁に引き下がることはないので対立は深まるばかりだ。市場はワクチン完成に希望を見出そうとしている。ギリアド社とアストラゼネカ社のワクチンの治験が進んでいることと、米国の感染者数増大で市場は引き合っている。ただ感染者の増加は日本でもそうだが、軽症者や無自覚の人の検査が増えていることでもあるので深刻に考えすぎない方がいいかもしれない。医学の先進国の米国がマスク着用の義務で論争が起きているのは恥ずかしいことだ。
 景気指標は当然のことながら、最悪期の4,5月と比べれば良い数字が出ている。問題は前年比でプラスとなるかどうか。中国はそれを果たし始めている。米国がいくら中国に制裁を加え、各国に同調を求めても勢いのある中国経済を他国も遮断することは出来ない。米国でさえ個別企業では中国との関係を強めたり業績を改善させている。中国も米国からの輸入を増加させている。トラインプ大統領の無駄な圧力は米国の回復を遅らせるものだけに終わってしまうかもしれないが、決着がつくまであと4か月。

*ユーロ「通貨2位、株価8位(DAX)、復興資金協議は」
 ユーロはドルと円を抜き、年初来ではスイスに次いで強い。ユーロドル、ユーロ円の日足、週足、月足はボリバン上限に近づいてきた。そこでコロナウィルス感染での経済立て直しで復興基金設置のEU臨時首脳会議が開催されている。ただ基金の配分などをめぐって各国の意見は大きく隔たっていて結論は持ち越された。7500億ユーロの基金を設立する案について、各国が合意できるかどうかで、この案では5000億ユーロを返済義務がない補助金として加盟国に配分し、残りは融資にするとしている。補助金の割合が大きいこの案について、感染拡大が著しかったイタリアやスペインなどが歓迎している一方、オランダなどヨーロッパ北部の国々は、財政が悪化するなどとして反対。このため全体の会議はたびたび中断され、EUのミシェル大統領らが各国首脳と個別に会談するなどして事態の打開を目指したが、歩み寄りは見られてない。決裂すると短期的にはユーロは売られるが、何らかの妥協点は見出さないと復興が行き詰まる。プラザ合意以降、EMS危機、ユーロ通貨統合、ギリシャ危機でのギリシャや独のユーロ離脱騒ぎもあったが
いつも何度も議論して前に進んでいる。今回も数度の協議を重ねて妥協点を見出していくのだろう。欧州の議事の進め方は「会議は踊る、されど進まず」でまとまらないことで有名だが、実際はゆっくりだが着実に進んでいる。
 さてECB理事会でラガルド総裁は、経済は4月に底入れした兆候がうかかがる一方、回復の動きは目立っているとはいえ、まだら模様で部分的にとどまっていると指摘。新型コロナ感染の第2波を警戒しながら所得、雇用、消費者需要などを後押ししていかねばならず、見通しは依然として極めて不確実だと述べた。

*ポンド「通貨9位、株価14位、先進国通貨では最弱」
 ユーロドルは4週連続陽線だが、ポンドドルは3週連続陽線とならず先週は弱さを示した。引き続き、年初来ではポンド、FT株価ともに弱い。EU離脱後の交渉が難航していること、従来からの貿易赤字、欧州では出遅れたコロナ感染対策がその要因だろう。
 英中銀のテンレイロ委員は、景気回復が「不完全なV字型」になる可能性が高いとの見通しを示した。消費者が新型コロナウイルスの流行を警戒するほか、社会的距離を確保する戦略で経済活動が制限され、失業が増える見通しという。物価の下押し圧力がしばらく続く公算が大きいと予想。需要には「かなりの下振れリスク」があると述べた。「必要に応じて、経済を下支えするさらなる対策に賛成票を投じる用意が依然としてある」としている。次回の金融政策委員会の決定は8月6日に発表される。

*豪ドル「通貨5位、株価11位、中国への鉄鉱石輸出増加という好材料、対中関係悪化の中で」
 対中関係悪化やコロナウィルス感染という報道もあるが底堅い。対中関係悪化で中国から大麦や牛肉に輸入制限をかけられたが先週は2Qの鉄鉱石の出荷が前年比1.5%増加したと発表した。新型コロナウイルスの打撃を受けた経済の回復に伴い中国で需要が改善しているという。またコロナウィルス感染でビクトリア州でロックダウンがかけられたが感染者数の増加は米国と比べれば極めて小さい。ただ政府は米国と違って感染拡大に慎重である。
 6月の雇用統計は、失業率が7.4%と、前月の7.1%から悪化し、1998年11月以来の高水準を記録した。労働参加率は1.3%ポイント上昇し、64.0%だった。
4月と5月に大きく落ち込んでいた就業者数は、前月比21万800人増えた。労働参加率は4月以来の高水準。新型コロナウイルスの流行で失職した人が職探しを始めたが、就職先が見つからないケースが目立つ。
就業者数は増加したものの、内訳ではパートタイムが急増しており、フルタイムは3万8100人の減少となった。
 ロウ総裁は「国内経済が1930年代以来最大の落ち込みに見舞われているが、最近になって状況は安定してきており、景気低迷は以前の予想ほど深刻ではなくなっている」としている。

*NZドル「通貨7位、株価4位、株価は再びプラス圏へ、製造業回復へ」
 通貨は豪ドルより若干弱いが、株価は豪よりも強くプラス圏に復活している。6月の製造業パフォーマンス指数は56.3と、4カ月ぶりに50を上回った。新型コロナウイルス対策のロックダウン解除に伴い経済活動が再開する中、2018年4月以来の高水準を記録した。5月に39.8、4月に26を記録していた。新規受注指数は58.6と、前月の39.5から大幅に上昇した。
 2Q消費者物価指数は前期比0.5%低下し、4年ぶりの大幅な落ち込みとなった。新型コロナウイルス対策で、経済活動の大部分が停止されていたことが背景。また、原油安でガソリン価格が大きく下落した。金融緩和は継続されるだろう。
 総選挙まで2カ月となった。アーダーン首相は迅速な対応で新型コロナウイルスの感染拡大を抑制した手腕が評価され支持率が上昇。同氏が率いる労働党が勝利し、政権を維持する勢いだ。首相は中小企業向けの融資制度の期限延長やインフラ改良を公約、「動き続けよう」と呼び掛けた。6月の世論調査では、労働党の支持率は54.5%と最大野党国民党の27%に大差をつけた。一方、最大野党、国民党のミューラー党首は7月14日、健康上の問題で突如として辞任を表明した。

テクニカル分析

*ドル円「ボリバン下限から2度反発するも上伸力無しは夏のせい?」
日足、7月15日-17日の上昇ラインがサポート。7月16日-17日の下降ラインが上値抵抗。5日線上向き。ボリバン下限からは2度(7月10日と15日)反発。20日線下抜く。
週足、6月22週-29日週の上昇ラインを下抜く。5月4週-6月22日週の上昇ラインがサポート。6月29日週-7月6日週の下降ラインが上値抵抗。ボリバン下位。
月足、3月-4月の下降ラインを上抜く、3月、4月の下ヒゲ効果で5月上昇。2月-6月の下降ラインが上値抵抗。5月-6月の上昇ラインがサポート。ボリバン中位以下に。
年足、4年連続陰線。16年-19年の上昇ラインは一旦下抜くも上抜き返す。16年-17年の下降ラインが上値抵抗。

*ユーロドル「日足から月足までボリバン上限でドルを抜く」
日足、ボリバン上限で張りつく。7月14日-17日の上昇ラインがサポート。5日線上向き。
週足、4週連続陽線でボリバン上限。7月6日週-13日週の上昇ラインがサポート。6月8日週-7月6日週の下降ラインを上抜く。
月足、月足は2か月連続陽線。今月もここまで陽線でボリバン上限へ近づく。5月-6月の上昇ラインがサポート。3月-5月、3月-6月の下降ラインを上抜く。2月から5月までボリバン下限を何度も一時下抜くも下げ止まる
年足、2年連続陰線。今年は陽転。18年-19年の下降ラインを上抜く。02年‐17年の上昇ラインがサポート。14年‐18年の下降ラインが上値抵抗。

*ユーロ円「7月10日の下ヒゲ効く、ボリバン上限、円を抜く」
日足、ボリバン上限で張りつく。7月16日-7月17日の上昇ラインがサポート。5日線上向き。7月10日の長い下ヒゲ効く。
週足、ボリバン上限に近づく先週は長い陽線。7月6週-13日週の上昇ラインがサポート。6月8日週-7月13日週の下降ラインが上値抵抗。
月足、ボリバン下限で3月より3か月連続で長い下ヒゲを出し漸く5月、6月は陽線。今月も陽線だが上ヒゲ長い6月高値の124.43はまだ遠い。
年足、2年連続陰線。今年はここにきて陽転。ドルや円を抜く。18年-19年の下降ラインを上抜く。16年-20年の上昇ラインがサポート。15年-18年の下降ラインが上値抵抗。

情報提供元:FX湘南投資グループ
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