財務省が夏の円高に牽制球投げる。大幅減の日本のGDP(8/17発表)は政策発動の良いきっかけに

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総括

財務省が夏の円高に牽制球投げる。大幅減の日本のGDP(8/17発表)は政策発動の良いきっかけに

ドル円=103-108、ユーロ円=122-127 、ユーロドル=1.15-1.20

通貨ごとの注目ポイント

*円「通貨3位、株価10位、財務省が夏の円高に牽制始める。大幅減の日本のGDP(8/17発表)は良いきっかけに」
 先週は日足、週足、月足でボリバン下限を下抜いたが、月末にはドル円日足が104円前半から106円に達する大陽線となったことで、日足、週足、月足もボリバン内に戻し、7月下旬に2週間続いたドル円下落も一息ついた。7月31日に財務省、金融庁、日銀が国際金融市場に関する情報交換会合を開催したこと、麻生財務相も「引き続き緊張感を持って為替相場動向を注視する」と発言したことも影響した。実際に財務省がGPIFや機関投資家に円売り要請をしたかは定かではないが、20世紀に膨大な貿易黒字で円独歩高が続いたころに比べれば、若干でも貿易赤字が続いている昨今は円高阻止もそれほど難しくない。実弾介入を使わずとも種々の牽制や海外投資を促す政策をとればいい。
 夏の円高であるが、お盆明けまではそれなりに輸出玉や米国債利払いなどの円買い玉が出るが、「夏の円高」という季語も広く流布していることもあり、前倒しで円買いを行った参加者もあり収束していくだろう。焦点は8月17日の日本の4-6月期のGDPの発表。欧米は既に大幅悪化となった。日本も前期比年率で26%減の予想だ。ただ7-9月期は12%増に戻る見通し。官僚は前もって動くことはなく実際の悪い数字を見てから動く。26%減は実際に政策発動するいいきっかけとなる。動かなければ不作為となる。政策発動と秋の円安需給が絡めば日本にもリスク選好の流れが訪れる。本田元内閣官房参与の消費税5%提言なども一つの政策。ファイザー社のコロナウイルスのワクチンの日本供給の話も具体化すればいい影響与える。

*米ドル「通貨5位、株価(NYダウ)10位、いよいよ対決 BBB 対 MAGA・KAG。中国は」
米ドルはやや下落。2月末はメキシコペソとともに最強通貨であったが、じり安推移を辿って現在は12通貨中5位。強すぎず弱すぎず。NYBOTのドルインデックスも100台から92へ下落。米当局はインデックスのレンジが80-100を外れると市場に牽制球を投げ始めるので今はちょうど良い水準。牽制球を投げるとしたら、強くなったユーロや円のほうからだろう。今週は雇用統計の発表があるが、まだまだ未経験の大きな数字が出るので参加者も対応しきれず反応は小さいかもしれない。
 今週は7月末で失効した失業者に対する特別給付措置の追加策の議論がある。トランプ大統領も内外で対立していたら支持率が下がるばかりなので妥協してくるだろう。民主党副大統領候補の人選もある。ここで世間受けする人材登用で一気に選挙戦をリードできるか。民主党は選挙戦を前に既に公約を公表した。対中国では民主党の公約も厳しいようだが、関税競争について抑制する姿勢、また中国習主席とバイデン氏も過去に交友があったので中国はバイデン氏の大統領選出を期待して、今も続くトランプ大統領の制裁などには冷静に対処するだろう。残り3か月である。「BBB=Build Back Better(より良い状況への再建)」を掲げたバイデン氏、雇用確保、製造業の復権、中国に対する強硬姿勢といった政策に米国民が好反応するかどうか。対するトランプ大統領は「MAGA=Make America Great Again 」と「KAG=Keep America Great」の2本立て。
 2Q・GDPは予想通り大幅悪化で前期比年率で32.9%減であったが、3Q以降は徐々に回復、21年にはプラス成長を取り戻す。世界中で同じような成長見通しなので大きく騒ぐ話でもない。

*ユーロ「通貨2位、株価7位(DAX)、上昇一服か。コロナによる景気後退にはスムーズに対処」
 米中対立激化、米国コロナ感染拡大、ユーロ復興基金設立などでユーロは週足、月足でボリバン上限を上回った。今週も材料は変わらないが、テクニカルにやや行き過ぎ感があるので上昇は一服しよう。
欧州の2Q・GDPもユーロ圏で前期比12.1%減 独で前期比10.1%減と大幅悪化したが、他国も同様に悪いので為替市場に大きなインパクトは報道ほどないだろう。EUは7月21日、経済の立て直しを図るため、補助金や融資を柱とした7500億ユーロの基金を設立することを決定した。また、各国政府も独自に対策に乗り出していて、このうち独は、企業の資金繰りなどを支援するため、憲法にあたる「基本法」で義務づけられている財政均衡を棚上げし、7年ぶりに国債を新規に発行することを決めた。ECBは資金の供給を一段と増やすため、各国の国債などを新たに買い入れる緊急対策に踏み切り、その規模を1兆3500億ユーロにまで拡大させた。このようにユーロ圏では、財政と金融の両面で、政策を総動員する形で経済の下支えを図っている。
 2QGDPの大幅悪化はさておき、3Qは8.1%増、4Qは2.8%増と予想されている。来年もプラス成長見通しが続く。ここにコロナワクチン開発が加われば、景気回復は速やかなものとなる。ユーロ圏19か国という多数国の集合体であるがコロナ感染による景気後退にスムーズに対処できたことは評価されよう。

*ポンド「通貨9位、株価14位、ポンドは上昇も株価は下落、ユーロポンドでのテクニカルな買い、材料はマチマチ」
 ポンドは上昇した。対ユーロ(ユーロポンド)で週足や月足でボリバン上限に近くなったことによる反落がありユーロ売りポンド買いが出たこともある。ソフトバンクグループ傘下の半導体設計会社、英アームの買収に米エヌビディアが関心を寄せていることだが、まだ交渉中のようでそれでポンド買いの思惑が高まったことはないだろう。
指標の改善はあった。7月の総合PMIは57.1と、6月の47.7から上昇して2015年6月以来の高水準となった。6月小売売上高は予想以上に増加し、新型コロナウイルス感染防止策のロックダウンが導入される以前の水準をほぼ回復した。前月比13.9%増加。2Q・GDPの発表は8月12日で前年比で20%程度の減少となる見込み。今週は英中銀理事会があるが金融政策の据え置きが見込まれる。ただ、年内の債券購入プログラム再拡大、マイナス金利やイールドカーブ・コントロールの導入などの可能性が残されている。通貨は上昇したがFT株価指数は低迷している。ジョンソン首相はコロナウィルス感染拡大があり8月1日から営業を再開できる予定だったカジノやボウリング場、スケート場に関して、少なくともあと2週間は閉鎖すると発表した。また北イングランドの一帯において行動制限を導入した。

*豪ドル「通貨4位、株価11位、4か月連続陽線、まだ上昇余地あり、政策金利は据え置きか」
 対円、対ドルで4か月連続陽線だが、月のボリバン上限へはまだ上昇余地がある。中国へのコロナウィルス調査問題や、中国の南シナ海領有権問題で対立しているが、中国に貿易で20%を依存している以上、どこかで対立を止めないと豪経済が崩壊してしまう不安はある。
 2Q消費者物価は前期比で1.9%低下と、過去最大の落ち込みなった。新型コロナウイルス危機を受けた保育無償化とガソリン急落が主な要因。低インフレ脱却に向けたここ数年の進展が頓挫した格好となった。
前年比は0.3%低下と、1998年以来のマイナスとなった。インフレ目標は2-3%であり1Qは目標レンジ内に収まったばかりだった。ただ消費者物価が下落に転じたからといって、持続的な物価下落を意味するデフレに陥ったことにはならない。むしろ、豪政府による保育無償化など一時的な要因による一過性の現象だとみられる。
 物価は低下したが、今週のRBA理事会では政策金利は据え置きとみられる。ケントRBA総裁補は、新たな政策措置の導入は副作用が大きく、現時点では検討していないと述べた。また、マイナス金利の導入は選択肢にないと繰り返した。3年国債利回りの水準を注視しているとし、目標である0.25%付近から乖離するようであれば、さらに買い入れを行う方針を示した。RBAは3月半ばの緊急会合で、政策金利を過去最低の0.25%に引き下げ、「無制限」の債券買い入れプログラムを発表した。総裁補は4月下旬以降、中銀は買い入れ規模を大幅に縮小しており、ここしばらくの間は購入の必要性が全く生じていないと述べた。
 一方財務相は為替介入については為替相場がファンダメンタルズ要因とおおむね一致する現在の状況では効果が限定的だとし、否定的な見方を示した。

*NZドル「通貨7位、株価4位、政経安定」
 豪ドル同様に対円、対ドルで4か月連続陽線。豪同様に中国経済の回復がNZ経済を押し上げていることは否めない。豪ほどに中国と対立していないが香港国家安全維持法の施行を受けNZも香港との犯罪人引き渡し条約を停止した。経済では7月の企業信頼感指数は、小売り部門が上向き、前月から小幅改善した。今後1年間に経済が悪化すると予想した回答者の割合は差し引き31.8%で、6月の34.4%から低下した。自社事業が悪化すると見込んでいる回答者も、前月の25.9%から8.9%に低下した。ロバートソン財務相は、経済は予想より良い状況にあり5月に検討中としていた個人への現金支給(ヘリコプターマネー)はもはや考えていない、とした。
 政治的にも今後の安定が見込まれる。アーダーン首相率いる労働党が支持率で野党国民党を大きく引き離している。9月の総選挙では労働党の大幅躍進が見込まれる。世論調査によると、労働党の支持率は60.9%となり、同世論調査の開始以降で最も高い水準となった。一方、国民党の支持率は25.1%。労働党は定数120の議会で77議席を獲得する見通し。労働党は現在、緑の党およびNZファースト党と連立を組んでいるが、次回選挙では単独過半数を確保できる見通し。アーダーン氏の支持率は62%。新型コロナウイルスへの迅速な対応などが評価され、支持率が急上昇している。一方、国民党のコリンズ党首の支持率は14.6%にとどまっている。

テクニカル分析

*ドル円「7日ぶり陽線。バケ線。それぞれボリバン内へ戻る(日、週。月足で)」
日足、7日ぶり陽線。バケ線(バケ線には立ち向かえ、但し下値は堅くなる)6日ぶりにボリバン内へ戻る。7月20日-23日の下降ラインが上値抵抗。ボリバン中位へはまだ届かず。5日線下向き。
週足、一旦、ボリバン下限を下抜くも、週末にバンド内へ戻す。7月20日週-27日週の下降ラインは上抜くか。3月9週-7月27日週の上昇ラインがサポート。6月29日週-7月20日週の下降ラインが上値抵抗。
月足、依然、3月のレンジを抜けず。3月-7月の上昇ラインがサポート。3月-6月の下降ラインが上値抵抗。ボリバン下限を一旦下抜くも月末にバンド内へ戻す。
年足、4年連続陰線。16年-19年の上昇ラインは再び下抜く。16年-17年の下降ラインが上値抵抗。

*ユーロドル「日足だけはボリバン内へ戻る」
日足、一時、ボリバン上限を上抜くも、月末は陰線でボリバン内へ戻す。7月30日-31日、17日-21日の上昇ラインがサポート。5日線上向き。
ボリバン上限上抜く。7月22日-23日の上昇ラインがサポート。5日線上向き。
週足、6週連続陽線。ただ先週は上ヒゲも長い。7月20日週-27日週の上昇ラインがサポート。
月足、3か月連続陽線。ボリバン上限越える。5月-7月の上昇ラインがサポート。3月-6月の下降ラインを上抜く。2月から5月までボリバン下限を何度も一時下抜くも下げ止まっていた。ついに雲中。
年足、2年連続陰線。今年は陽転。18年-19年の下降ラインを上抜く。02年‐17年の上昇ラインがサポート。14年‐18年の下降ラインが上値抵抗。

*ユーロ円「一旦ボリバン上限を上抜くも週末はバンド内へ戻す」
日足、一旦ボリバン上限を上抜くも先週末はバンド内へ戻す。7月30日-31日の上昇ラインがサポート。5日線上向き。
週足、ボリバン上限、3週連続陽線。7月20日週-27日週の上昇ラインがサポート。
月足、ボリバン下限で3月より3か月連続で長い下ヒゲを出し漸く5月、6月は陽線。7月も陽線で3か月連続陽線。ボリバン上限には届かず。6月-7月の上昇ラインがサポート。
年足、2年連続陰線。今年はここにきて陽転。ドルや円を抜く。18年-19年の下降ラインを上抜く。16年-20年の上昇ラインがサポート。15年-18年の下降ラインが上値抵抗。

情報提供元:FX湘南投資グループ
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