秋相場への準備、トランプ大統領の国内、海外分断政策はドル買いか

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次回の掲載は2020年8月31日の予定です。


総括

秋相場への準備、トランプ大統領の国内、海外分断政策はドル買いか

ドル円==104-109、ユーロ円=122-127 、ユーロドル=1.15-1.20

通貨ごとの注目ポイント

*円通貨3位、株価9位、秋相場への準備、バケ線、当局は円高牽制、大幅マイナスGDPで政府はどう動くか
7月31日の104円前半から106円へのバケ線が効いている。バケ線の御託宣通り、4日間はほっとした輸出も出て下押し、先週8月7日は下押しの8月3日-4日の下降ラインを上抜いて底堅さを示した。日足はボリバン中位106.24に近づき、週足、月足はボリバン内へ戻した。夏の円高もそろそろ終わり、晩秋の円安の準備か。
 にわかに消費税議論が起きている。減税派は本田・元内閣官房参与や自民党安藤氏主宰の議員連盟「日本の未来を考える勉強会」や保守系議員グループ「日本の尊厳と国益を護る会」など。一方、岸田文雄政調会長や甘利明税調会長は減税に否定的だ。ただ事実は、昨年10月の消費増税から家計調査の消費は前年比で一度もプラスになったことはない。コロナ感染でさらに落ち込んだ。
 8月17日には4-6月期のGDPの発表がある。欧米は既に大幅悪化となった。日本も前期比年率で26%減の予想だ。官僚は前もって動くことはなく実際の悪い数字を見てから動く。26%減は実際に政策発動するいいきっかけとなる。動かなければ不作為となる。政策発動と秋の円安需給が絡めば日本にもリスク選好の流れが訪れる。コロナウイルスのワクチンの日本供給の話も具体化すればリスク選好へいい影響を与える。
 また7月31日には財務省、金融庁、日銀が会合を開き円高牽制を行ったが、100円を割らせないために、予防的に105円割れからは牽制球を投げ続けるので注意したい。
通常の秋の需給は輸入が輸出を上回るが、セブン&アイの米企業買収(円売り)やソフトバンクの英企業売却(円買い)の荒れ球もあり。

*米ドル通貨5位、株価(NYダウ)6位、国内、海外分断政策はドル買いか
この給与1ドルの大統領のやることはよくわからない。捨て身戦法とも思えるが、大統領選間近でも、国内や海外へ分断を図ってくる。やり方によっては尊敬の念も生じる思い切りの良さだが、起きるのは分断だ。内外のコロナ感染からの景気回復も分断政策で滞ってしまう。週末にトランプ大統領は「失業給付を上乗せする大統領令」に署名した。膠着状態の議会審議を見切って大統領権限を発動するが、歳出の決定権は原則として議会にある。法廷闘争になれば、国庫支出を差し止められる可能性もある。また新たな混乱が生じた。一方、民主党のバイデン大統領候補は副大統領候補を指名するが、これで非白人系の支持率を上昇させることが出来るかどうか。 
 海外では中国との対立が深まっている。米財務省は、香港の自治侵害などを理由に、香港の林鄭月娥行政長官を含む11人を制裁対象にしたと発表した。トランプ大統領は既に、「TikTok」を傘下に置く中国のバイトダンスと対話アプリ「ウィーチャット」を運営するテンセントとの取引を禁止する大統領令に署名した。これに対し中国外務省は断固反対を表明。両国間の緊張は高まっている。
 混乱すれば株価は下がるが、米国の投資家は海外に保有する資産を米国に戻す。そうなるとドル買いが起きる。前月比といえども経済指標の改善、コロナワクチン開発の進展、NY州が9月に学校対面授業を再開、全世界対象の渡航中止勧告を解除など、前向きな話も出ている中で、分断政策がぶち壊す。中国はバイデン大統領誕生を期待して待つだけだ。

*ユーロ通貨2位、株価7位(DAX)、予想通り上昇一服か。もう少し調整か
 買い材料(米中対立激化、米国コロナ感染拡大、ユーロ復興基金設立など)は変わっていないが、前回触れたようにテクニカルにやや行き過ぎ感があるので上昇は一服した。対ドルで1.19がトリプルトップとなり上値を抑制した。経済指標も前月比で改善している。6月のユーロ圏小売売上や独の輸出と鉱工業生産が改善した。中国などからの需要が寄与した。重要なのは中国と同様に前年比でも改善した時が、コロナ感染を克服したことになる。
 独のIFO経済研究所は、2020年の独の経済成長予測をマイナス6.7%から5.1%に上方修正した。ここ数週間「驚くほど良い動向」が見られるとしている。
長期金利の低下は続く。ECBは新型コロナウイルスの感染拡大を受けで開始した「パンデミック緊急購入プログラム(PEPPP)」の下で南欧中心に各国国債の買い入れを行っている。それがユーロ買いにも繋がってユーロの上昇があったが、3月から12%上昇、週足、月足でもボリバン上限を上回ったことで上昇も一服している。調整でボリバン中位まで下押すか。日足で1.16前半、週足で1.15後半、月足で1.13後半が目途。

*ポンド通貨7位、株価15位、通貨も株価も弱い
今年はユーロに連れて動くだけの通貨だが、コロナ感染対策に出遅れたこともあり勢いはない。高金利通貨を除く主要通貨では弱い。FT株価指数は年初来20%安で、世界の主要株価指数でも最弱の市場の一つだ。やはりEU離脱の影響がある。離脱することによるフリーハンドのメリットはまだ感じられない。
 ベイリー英中銀総裁は、マイナス金利は景気刺激策の選択肢だが、新型コロナウイルス危機への対応で活用する考えはないと言明した。ただラムスデン副総裁はその後、景気を下支えするため、行動する余地はあると発言、マイナス金利政策が選択肢の1つであることを確認した。「11月にわれわれがどのような状況になっているか推測はしないが、さらに余地があることは確かだ」と述べた。
 今週は2Q・GDPの発表があり、予想は前年同期比で22.4%減。大幅な悪化はプラス成長の中国を除けば米国、ユーロ圏も同じだが、それよりもやや弱いか。
ジョンソン首相はコロナウィルス感染拡大があり8月1日から営業を再開できる予定だったカジノやボウリング場、スケート場に関して、少なくともあと2週間は閉鎖すると発表した。また北イングランドの一帯において行動制限を導入した。また再燃している「スコットランド独立」論争も不安だ。スコットランドではコロナ対策でジョンソン首相の対応が批判されている。

*豪ドル通貨4位、株価11位、上昇一服、懸念はビクトリア州と中国
対ドル、対円で伸び悩んだ。対円では年初来で円を上抜く76円台に一時達するも週末は75円台へ下落した。対円、対ドルでもボリバン上限にあることも更なる上昇への抵抗となっている。
エリスRBA総裁補は、ビクトリア州でのコロナ感染者の急増が全体の景気見通しを悪化させたと指摘、景気回復は期待するよりも緩慢になり、失業率は複数年にわたり高止まりするとの見方を示した。
RBAの基本シナリオでは豪経済が2020年に6%のマイナス成長に陥るとしている。しかし、ビクトリア州で感染者が急増し主要都市メルボルンに再びロックダウンが導入されたため、回復ペースが鈍る可能性がでてきた。エリス総裁補は「ビクトリア州で感染拡大が深刻化し、ステージ4の規制が実施されるとは予想していなかった。これは、パンデミック下でいかに事態が急変し得るかを示す」と述べた。
豪はコロナ感染での死亡者では他国より非常に少ないが、対策は厳しく、それも経済活動抑制の要因となっている。その姿勢は健全過ぎるほど健全だ。
 景気は中国景気回復によって回復してきたが、武漢でのコロナウィルス発生の調査や南シナ海での中国領有問題で中国と対立し、中国から輸入制限をかけられている。政治的信念か、経済的利益の追求か。

*NZドル通貨8位、株価4位、豪ドル同様伸び悩み、雇用に不安あり、感染対策は最高評価
豪ドル同様、いや豪ドル以上に伸び悩んだ。今年のポンドがユーロに出遅れるように、NZドルも豪ドルに遅れを取っている。対中貿易に依存しているが、やはり小規模な国で主要輸出品が乳製品なので大きな影響はないだろう。
 2Qの失業率は、新型コロナウイルス対策の行動規制に伴い職探しをする人が減り、予想外に改善した。失業率は1Qの4.2%から4.0%に低下。予想は5.8%だった。
一方、活用されていない労働力の割合は10.4%から12.0%に上昇し、統計開始以来の大幅な伸びとなった。労働時間も10%以上縮小し、過去最大の落ち込みを記録した。統計局は「国内の警戒水準が引き下げられ、行動制限が緩和される中、2Q末にかけて職探しをする人は増え、失業率も上昇したした可能性がある」との見方を示した。政府は、給与補助措置など政府支援策が来月に終了することから、今後数カ月で失業者が増える可能性があると指摘する。今週は政策金利決定があるが、0.25%で据え置き予想だ。次の措置を講じるにあたり様子見。
 さて、米外交専門誌「フォーリン・ポリシー」は、新型コロナウイルス対策に関する計36カ国の施策を比較調査し、米国は最も評価出来ない国の1つであると位置付けた。31位となった米国と同一程度の低評価を受けたのは、トルコ、イラン、メキシコとインドネシア。最下位は中国で、信頼出来る試験データを報告せず、財政出動の対応策も最小限で、国民と明確かつ正直に向き合うことにも失敗したと突き放した。一方、対応策で最高の評価を得たのはNZ。調査では、公衆衛生上の対策、金融政策の手当てや事実や科学的根拠に基づいた各国指導者の国民との対話能力などの項目で分析。同誌はまた、「誤った情報やウイルスについての陰謀論も拡散させた」としてトランプ米大統領に言及。特に7月4日の米独立記念日に「感染事例の99%では害がない」とする発言に注意を促した。米国はさらに、検査件数の不足や緊急的な医療衛生態勢への資金投入の少なさでも評価が低かった。

テクニカル分析

*ドル円「バケ線通り下押してから小反発。それぞれボリバン内へ戻る(日、週。月足で)」
日足、7月31日のバケ線(バケ線には立ち向かえ、但し下値は堅くなる)通り下押すも8月7日は3日-4日の下降ラインを上抜き上昇。8月6日-7日の上昇ラインがサポート。8月3日-7日の下降ラインが上値抵抗。
5日線上向き、ボリバン下位で中位は106.23。
週足、一旦、ボリバン下限を下抜くも7月27日週の長い下ヒゲで持ち直しボリバン内へ戻す。7月27日週-8月3日週の上昇ラインがサポート。7月20日週-8月3日週の下降ラインが上値抵抗。
月足、依然、3月のレンジを抜けず。3月-7月の上昇ラインがサポート。6月-7月の下降ラインが上値抵抗。ボリバン下限を一旦下抜くも月末にバンド内へ戻す。
年足、4年連続陰線。16年-19年の上昇ラインは再び下抜く。16年-17年の下降ラインが上値抵抗。

*ユーロドル「日足の1.19がトリプルトップ」
日足、1.19がトリプルトップとなり8月5日-6日の上昇ラインを下抜き下落。8月3日-7日の上昇ラインがサポート。8月6日-7日の下降ラインが上値抵抗。5日線上向き。雲のはるか上。ボリバン上位。
週足、7週連続陽線も先週はその前週の高値を上抜き切れず。1.19でダブルトップか。7月27日週-8月3日週の上昇ラインがサポート。
月足、3か月連続陽線。ボリバン上限越える。ただボリバン上限越えて上昇を弱める。1.19がダブルトップ。5月-7月の上昇ラインがサポート。3月-6月の下降ラインを上抜く。2月から5月までボリバン下限を何度も一時下抜くも下げ止まっていた。ついに雲中に届く。
年足、2年連続陰線。今年は陽転。18年-19年の下降ラインを上抜く。02年‐17年の上昇ラインがサポート。14年‐18年の下降ラインが上値抵抗。

*ユーロ円「一旦ボリバン上限を上抜くも週末はバンド内へ戻す」
日足、8月4日-6日の上昇ラインを下抜く。8月6日-7日の下降ラインが上値抵抗。8月4日-6日の上昇ラインがサポート。5日線上向き。ボリバン上位
週足、ボリバン上限、4週連続陽線。7月27日週-8月3日週の上昇ラインがサポート。
月足、ボリバン下限で3月より3か月連続で長い下ヒゲを出し漸く5月、6月、7月と3か月連続陽線。ボリバン上位。6月-7月の上昇ラインがサポート。ボリバン上限や雲の下限が127あたり。
年足、2年連続陰線。今年はここにきて陽転。ドルや円を抜く。18年-19年の下降ラインを上抜く。16年-20年の上昇ラインがサポート。15年-18年の下降ラインが上値抵抗。

情報提供元:FX湘南投資グループ
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