5.0つける。2つの需給改善で底堅いが、格下げ懸念。中銀は金融政策でジレンマ

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総括

5.0つける。2つの需給改善で底堅いが、格下げ懸念。中銀は金融政策でジレンマ

予想レンジ 4.6-5.1  

(ポイント) 
*ボリバン上限超えで5.0をつける9月10日は長い上ヒゲで売り圧力
*ペソは5月から確かに強いが、年初来ではまだ13.6%安
*5月からのペソ安定は貿易黒字と海外からの送金によるもの
*インフレが4%を超えているが、中銀は景気悪化で利下げを示唆している
*債務拡大でソブリン格付けの引き下げも話題になり始めている
*株価は安い、年初来16%安
*景気は落ち込むがインフレ懸念高まり金融政策のかじ取りが難しい
*中銀は、20年の実質成長率が最悪でマイナス12.8%に落ち込むとの見通し
*大統領はコロナ感染を抑制していると主張
*8月企業信頼感指数は低下、製造業PMIは改善 
*メキシコでコロナウィルスワクチンの治験と製造が始まる
*7月自動車販売も前月比増加
*2Q・GDPは過去最大の落ち込み
*大統領は経済が4月と5月に「底を打った」と指摘
*対米貿易依存度が頗る高い
*政府はペソ買い介入を示唆
*緊縮政策で大統領支持率が急落
*2019年のGDPは10年ぶりのマイナス成長
*2019年は20年ぶりの貿易黒字

(貿易収支とリパトリで需給改善)
7月貿易収支は、67億5200万ドルの黒字で過去最大を記録した。これまでの最高だった6月を20億ドル強上回った。ただ黒字と言っても、輸出入ともに減少。前年同月比では輸出が8.9%減。輸入が26.1%減と輸入が輸出の減少幅を大きく上回るという黒字拡大で明るいものではなかった。ただ需給は需給でぺソ買い要因だ。
 また米国など在住の労働者からのメキシコ国内への送金も増加し、今年は400億贈ドルに達する勢いだ。

(景気悪化もインフレ懸念で金融政策にジレンマ)
金融政策では、ディアスデレオン中銀総裁は、9月24日の次回の金融政策決定会合で11会合連続の利下げに踏み切る可能性を示唆した。「政策にどの程度の余地があるか」で判断すると語った。中銀は、2020年の実質成長率が最悪でマイナス12.8%に落ち込むとの見通しを示した。直近のインフレは4%に近く、中銀委員の中には、物価上昇率がなお目標より高い点からすると、現在の景気後退のデフレ圧力は想定よりも小さい可能性があり、外国資本の流出が続いていることも踏まえれば、追加緩和余地はより少なくなっているのではないかとの見方を示すものもあり、今後は意見が分かれることが予想され金融政策が注目される。

 景気回復には金融政策だけでは十分でないとの見方がある。政府による一段の景気刺激が必要ではないかとされているが、左派のロペスオブラドール大統領の姿勢は公約通り緊縮気味だ。IMFは、メキシコ政府による新型コロナウイルス対策の財政措置が「G20で最も少ない」と分析している。(高金利3通貨の中でメキシコだけがジャンク債格付けではない強みがある)

(8月CPI上昇も中銀は利下げ示唆、水準(政策金利4.5%)が高いからか)
8月の消費者物価指数(CPI)は前年比4.05%上昇し、2019年5月の4.28%以来で最高となった。果物、野菜、商品の価格上昇が押し上げた。 ただ、ヒース中銀副総裁は、格付けムーディーズ主催の電話会合で、まだ一段の利下げ余地があるとの見方を示した。次回の政策決定会合は、9月24日に開催される。
 中銀は昨年8月以来政策金利を合計3.75%引き下げており、現在は4.5%。インフレ目標は3%プラスマイナス1%。
 財務省は、議会に提出した2021年予算案で、今年末時点のインフレ率を3.5%と予想した。 変動の大きい一部品目を除くコア指数は、前年比では3.97%上昇した。

(緊縮予算に市場は失望)
 エレラ財務公債相は、2021年度予算案に対し、一部で「楽観的」との見方が出ていることについて、「責任ある予測」を行ったと反論した。
政府は、緊縮型の予算案を公表。ムーディーズは、緊縮型のアプローチは「持続不可能だ」との認識を示した。市場でも「楽観的な予測に基づいている。特に経済成長と原油生産の予測がそうだ。成長が、政府予測ではなく、市場予測に沿った水準となり、原油生産が回復しなければ、赤字になるだろう」との見方を示した。
ムーディーズは、緊縮型の予算となったことで、債務水準よりも経済成長を懸念していると指摘。「これは持続不可能だ。毎年、これを繰り返すことはできない」と述べた。
予算案では、今年の経済成長率をマイナス8%と予測。メキシコ中銀は、最悪のケースでマイナス13%になると予測している。
ロペスオブラドール大統領とエレラ財務公債相は、国内経済について、欧米のような大規模な景気対策を打ち出せるような状況ではないと主張。財務の健全性を保つため、新たな借り入れを拒否している。
ただ、メキシコ経済は1930年代の大恐慌以降で最悪の景気後退に直面しており、大手・中小企業からは支援を求める声が出ている。
エレラ財務公債相は、予算案の経済予測では新型コロナウイルスのワクチン開発を前提にしていないが、国内経済は今後も新型コロナ危機の影響を受けると予想。
「ワクチンがない間は、異例の経済情勢が続くだろう」との見方を示した。

テクニカル分析

ボリバン上限超えで5.0をつける9月10日は長い上ヒゲで売り圧力

 日足、8月の1か月をかけてボリバン下限から上限へ上昇し一服。9月3日、4日
9日、10日に一時ボリバン上限を上抜いた。昨日9月10日は長い上ヒゲを残した。8月19日-9月9日の上昇ラインがサポート。雲上。ボリバン上限は4.98。5日線上向き。
 週足、ボリバン中位は越えている。8月10日週-31日週の上昇ラインがサポート。ボリバン上限は5.08。
  月足、ボリバン下限から反発。8月は6月-7月の下降ラインを上抜く。5月-8月の上昇ラインがサポート。17年7月-20年2月の下降ラインが上値抵抗。
 年足。16年-19年の上昇ラインを下抜く。15年-20年の下降ラインが上値抵抗。

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VAMOS MEXICO

格下げ懸念

政府は、国内総生産(GDP)に対する公的債務比率の上限を前年から約20%引き上げ70%とした。法的拘束力はなく、ロペスオブラドール大統領の残りの任期4年に適用される。
メキシコの債務のGDP比率は格付け会社が注視している。今年国営石油会社ペメックスが投資不適格級(ジャンク債)に格下げされ、次はソブリン格付けが対象となる可能性が指摘された。
格付け会社は、新型コロナウイルスの感染拡大、金利変更、ペソの下落を格下げの主なリスク要因に挙げている。フィッチは、同国政府がどれだけ財政保守路線から離れるかが追加格下げ判断材料の一つと指摘。
「格下げのきっかけはいくつかある。対GDP債務の比率が上昇し続けるかどうかもその一つだが、われわれはそうなると思っている。政策、ウイルスの状況、今後の経済情勢が原因となり得るだろう。非常に重要だ」と述べた。
公式統計によると、6月時点の債務はGDP比60.2%で、2019年末の水準から約10%上昇した。

情報提供元:FX湘南投資グループ
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