以下の取材記事はトレーダー個人の経験やお考えに基づくものです。その内容について当社が保証するものではありません。実際のお取引については充分内容をご理解の上ご自身の判断にてお取り組みください。
▼目次
1.始まりはPCゲーム
2.よりはげしくなるゲーム中心の生活
3.他人に相談せず”自問自答”
4.FX専業ではないのかもしれない
5.FXを知るきっかけは投資詐欺
6.俯瞰して手法を変えたコロナショック
7.蜂屋すばる 達観の理由
始まりはPCゲーム
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編集部: - 本日はよろしくお願いします。
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蜂屋: - よろしくお願いします。
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編集部: - 最初に、蜂屋すばるさんの学生時代の頃のお話からお伺いできればと思います。
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蜂屋: - そうですね、小学校5年生のとき、明確に「これをやった!」っていうのが一つだけありまして。
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編集部: - それは何でしょうか。
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蜂屋: - 当時、ノートパソコンを親が貸してくれて、ずっとパソコンを触っていたんですね。
ブラウザゲームっていうのが当時流行っていまして。
今のとは全然比べ物にならないシンプルなもので、クリックしたら次のページに移動して、キャラクターが育っているみたいなものだったんですね。 -
編集部: - 10年以上となると、アドビのFlashでしょうか。
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蜂屋: - いえ。それよりも前の、CGIゲームというものですね。
それが面白くて、ゲームをやって、次に自分で作って、サーバーをたてて運営したんですね。
そこまで行ったのは小学校6年生くらいだったと思います。 -
編集部: - あの、ちょっと、展開が急なんですけど(笑)。
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蜂屋: - ゲームをやっていると、自分でも運営してみたくなっちゃって。
運営するために、WEBページを作るHTMLやCGI、パールというものを研究しました。
当時は必要なスクリプトが公開されたりしていたので、基本的なものは簡単に手に入りました。それを自分なりにアレンジしていました。 自分の管理できる権限を作ってゲームを運営したいという気持ちから、一体どうしたら運営ができるのか、さらに、どうしたらバランスよく運営できるのかっていうのを考えるのが面白かったですね。 これが小学校時代です。 -
編集部: - さらりとおっしゃるのがまた凄いな・・・。それじゃあ、同級生の友達と、話が合わなかったんじゃないですか?(笑)。
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蜂屋: - 合わなかったですね~。 そもそも、学校へそんなに行ってなかったですから。小学校の高学年になると、もうめんどくさくて(笑)。
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編集部: - ははは(笑)。
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蜂屋: - パソコンのほうがずっと面白かったです。 だから、私の記憶では、義務教育の半分しか学校に行ってなかったです。
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編集部: - もう、10代のころから起業家精神があったということでしょうか。
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蜂屋: - どうでしょうね。起業したい、というわけではなかったと思うんですけど。
自分がまわしたい、自分がつくりたい、自分が根本までなめつくしたいっていうのはあったんじゃないですかね。
あとは、パソコンが好きというよりかはゲームの方が好きでしたね。
自作でPC組み立てとか、やったことはないです。 -
編集部: - 蜂屋さんはプレステ世代ですか?
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蜂屋: - 私が初めてやったゲームが、ゲームボーイカラー、ニンテンドー64、プレイステーションなので、そうですね。
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編集部: - 蜂屋さんは物心ついた時からリッチなゲーム環境があり、ノートパソコンがあり、電脳に触れる機会が多かった、と。
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蜂屋: - そうですね。特にノートパソコンでのCGIゲームは、大人っぽい感じがして楽しかったですね。
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編集部: - ではパソコンに熱中していることに、ご両親のご理解はあったわけですね。
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蜂屋: - いや、学校には行ってほしかったみたいですけど(笑)。
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編集部: - あはは(笑)。
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蜂屋: - パソコンばっかりいじってないで、学校へ行ってほしいけど、パソコンそのものは悪いと思ってなかったようです。
よりはげしくなるゲーム中心の生活
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蜂屋: - 中学生になるころには、世の中ではCGIゲームというものが古くなってしまいました。 次に来たのがオンラインゲームで、韓国企業が運営する「○○ストーリー」というものが凄く有名になり、私も友達とやっていました。
当時、中学生ですから当然お金もなく、ゲームへの課金は出来なかったんですね。 そこで、課金のためのWebマネーをどうやって手に入れるかを考えたときに、ゲーム内で女の子のふりをすることにしました。ネカマってやつですね。 -
編集部: - えっ。
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蜂屋: - パソコン上ではありますが、女の子だったら、おじさんたちにかわいがってもらえる事に気づき・・・。それで、彼らからWebマネーをもらってオンラインゲームに課金していました。 この現体験からでしょうか、Twitterの女性アカウントを見ていて、中身が女性ではなくおじさんであるかどうかは、一発でわかります。
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編集部: - うーん、実際に化けていた方のコメントは、説得力が違いますね (笑)。
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蜂屋: - 最終的には、凄いしつこい広島のおじさんにストーカーみたいなことされて、イヤになっちゃってネカマをやめたんですけどね。
当時は子供だったので善悪の判断ができず、あまり悪気なくやっていたんですけど、ネカマはやってはいけないということに気づきました。それ以来はやってないです。 -
編集部: - (笑)。・・・面白すぎておなかが痛いです。
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蜂屋: - 話を戻しまして、先ほどお話ししたオンラインゲーム「○○ストーリー」なんですが、画期的だったのが、フリーマーケット機能でした。
ゲーム内のアイテムを、プレイヤーたちが自ら値付けしてゲーム内で売買できるんです。
皆が好き勝手に値段をつけるんですけど、最終的には需給バランスが働き、なんとなく市場価格が形成されて行くんですね。
たたゲームのアップデートがあると、その受給のバランスが崩れるんです。 -
編集部: - ほうほう。
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蜂屋: - 新しいアイテムが出るたびに、使えそうなものを安く仕入れて、自分のお店で高く売ってました。
まるで為替差益のようなイメージですよね。
差益を得る、いわゆる需要と供給っていうのはオンラインゲームで学びましたね。 -
編集部: - 市場経済がゲームを通して自然と学べてしまったってことですね。
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蜂屋: - ええ。どうセコく生き抜こうかと考えてました。 通常時は、需給が安定しているから、フリーマーケットは、たいして利益がでないんですよ。
ただ、ゲームのアップデートの情報が入ってきたら、運営会社が韓国のゲームなので、韓国では先行してアップデートされていましたから、韓国のWEBサイトまで見に行ってました。そこで、人気になりそうな武器など目星をつけておいて、いざ日本でアップデートされたら、売れ筋アイテムを早めに集めていました。 -
編集部: - 商魂たくましい、というか何というか。
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蜂屋: - 状況を読み行動に反映させるという意味では、ファンダメンタルズ的で面白かったですね。
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編集部: - あの、一応確認ですけど、はじめ一緒にゲームしていたお友達は、蜂屋さんについてこれたんですか?(笑)
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蜂屋: - いや、完全においていきました。
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編集部: - そうですよね(笑)。
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蜂屋: - ファンダメンタルズ的な見方で情報を得て、トレードの初動を狙いました。
そして新しいキャラクターや武器が手に入ったら、経験値などをフルベットしてレベルをマックスにして、売る。 これが一番利益につながりましたね。 -
編集部: - 大人の世界に、ゲームを通じて入り込むっていうのは楽しくてしょうがないですね。
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蜂屋: - ええ、それはもう。
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編集部: - と同時に、楽しいはずのゲームが、半分作業の部分も入ってきちゃったと。
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蜂屋: - ここまでくると、もう、ほぼ作業ですね。
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編集部: - 俺は何をやっているんだろう、などと思わなかったですか?
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蜂屋: - 正直分からないです。
お金を稼ぐ手段は、今お話ししたようなことしか思いつかなかったんですよね。
これが学生時代にはまっていたことです。 -
編集部: - 濃すぎる学生時代ですね。 スポーツはなにかされていましたか?
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蜂屋: - 野球です。
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編集部: - 野球は、やる方とみる方どちらがお好きですか?
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蜂屋: - 見る方ですね。 僕は体が貧弱なので自分ではやらないんですけど、面白いですね、とても。
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編集部: - 当時Jリーグも始まって、サッカーの人気があったと思うんですけど、なぜ野球に興味が行ったのですか?
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蜂屋: - まずは父親の影響ですね。強烈な巨人ファンでしたからよく球場に連れて行ってもらいました。
あとは、当時は全くそんなこと思ってなかったんですけど、野球って「間」があるんですよね。
野球の特徴であり面白いところとして、プレイヤーが自分のタイミングでプレーを始められるっていうのがありまして。ピッチャーが投げ始めるまでプレーを始められないんですよ。 -
編集部: - 言われてみると、なるほどそうですね。
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蜂屋: - ここに人間の一番面白いところ、「考える」っていう作業が重なってくるんですね。
僕は野球のことを「考えるスポーツ」と呼んでいるんですけど、 一見、ゆっくりと時間が流れる、どんくさいスポーツに見えるかもしれませんが、実はそのどんくささにも意味があるという。
毎回毎回状況が違って、その時の流れがあって、人間には考える時間が与えられていて、戦略が常に変化していくってところが僕は面白い要素だと思いますね。
FXの環境認識はその辺が似ています。 -
編集部: - FXトレードに通じるところがありますね。野球は、子供のころから好きだったのですか?
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蜂屋: - 中学校のときに野球部だったので、その時からですね。
・・・いや、でもその時は嫌で嫌でしょうがなかったのか。自分でやっていたから(笑)。
高校に入って、自分でやらなくなって、そこから好きになりましたね。 -
編集部: - しかし、改めて「考えるスポーツ」っていう切り口は、面白いですね。
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蜂屋: - そうですね。考える時間が与えられているってなんて面白いんだろう、と。深いなと思いました。
条件反射のようなスポーツもエキサイティングで面白いと思うんですけど、野球って違うんだと。
考える時間がある、間がある、タイムアウトがないというのは、人間が考えて作り出してる作業だ、ということなので、そこがいいですよね。 -
編集部: - 蜂屋さんの着眼点の新鮮さに、驚きです。
他人に相談せず”自問自答”
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編集部: - これまでの人生で、影響をうけた人はいますか?
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蜂屋: - 性格の大半は両親や、家族によって決定していると思います。両親のことは、尊敬しています。仲がいいんですけど。
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編集部: - はい。
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蜂屋: - 有名な話で、「人間は最も長く一緒に過ごす5人によって自分の人生が決定している」というのがあるんですね。
自分が一緒によく過ごす5人の平均が自分である、と。ずっと明るい人達と過ごしていれば、自分も自然と明るくなりますし、お金持ちたちと過ごしていればその人たちの平均年収に自分もなる。まわりの影響を受けるからです。
ただ私の人生を振り返ってみると、一緒に過ごした人、5人もいないんですよ、正直言うと。 ずっとパソコンいじってましたし。
動画とか本とか、こまごましたものはあるのかもしれませんが、特定のこの人に影響を受けた、人生を変えられたっていうのはないかもしれませんね。 -
編集部: - すると、自分の「影」に影響を受けた、ということになりますでしょうか。
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蜂屋: - そうですね。ネカマやってた自分とか、キャラクター転売してた自分とか、野球は下手な自分とか、架空の自分との対話ですね(笑)。
凄い賢い人や先輩などに、「こうしたほうがいいよ」って言われて、そうしていた方が効率がよい人生だったのかもしれないんですけど、どうしても自分でやらないと納得できない性格だったので、非効率でしたけど納得感のある人生はおくっているはずですね。
全部自分でやって自分で後悔して自分で失敗でして、自分でかみ砕いて理解しています。 他人に影響を受けないというのは、FXに活きていると思ってますね。 -
編集部: - 他人に相談って、しますか・・・?
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蜂屋: - 僕は人生で1回も相談したことないです。
絶対にしないと決めています。
相談した方が物事がうまく回ることは、世の中に絶対あるはずなんですけど、そのようなコミュニティの中に僕、いないですし、いつもひとりでやってますし、結局今もトレーダーとしてひとりで生きていますので、相談する場面がないです。 -
編集部: - 自問自答の時間が多いから、自分をより深く知ることができる、ということでしょうか。
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蜂屋: - 良く言えばそうです。
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編集部: - それが一番いいと思って、自分で選択しているということですね。
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蜂屋: - そうですね、なんだかんだ自分で選択してやったほうが後悔しないですし。 人のせいにもできないですし。
FX専業ではないのかもしれない
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編集部: - 「FX専業でいくぞ!」と判断したタイミングや、きっかけは何だったのでしょうか?
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蜂屋: - 一番大きいのはフリーランスとしての技術をすでに持っていたということですね。
フリーランスのWebデザイナーとして仕事や収入、実績、ポートフォリオもあって、ひとりの方が得意っていうこともあって、おそらくトレードがなくても就職せずに独立していたと思います。
大学生の時、トレードも仕事も両立していました。最悪FXで失敗してもwebデザイナーとしてやっていける自信はあるので、自然と今のスタイルになっていったっていう感じですね。
なので専業FXトレーダーを目指そうとしてなった感じではなかったです。
なにかあったときにも、なんとかなるスキルをいくつか持っておくのは、大事なことですね。 -
編集部: - 極端な話、この先FXトレードへの興味が薄れたとしても、Webデザイナーの仕事はなくならないので、生きていくうえで安心できるスキルを持っているので心配はしていない、と。
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蜂屋: - そうですね。
ライティングでもWebデザインもできますし。
収入の柱があるというのが大事ですね。
だから正確にはFX専業じゃないのかもしれないですね。
FXを知ったきっかけは投資詐欺
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編集部: - そもそも、なぜFXに興味をもったのか教えてください。
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蜂屋: - FXというか、投資への出会いは、あまり良いものではないんですけど。大学の先輩が、投資詐欺にあったと聞きまして。
USBメモリーの中にトレードツールが入っているものを60万円くらいで買わされて、学生ローンを3社組んで、最初の口座開設ボーナスでもらえる5,000円を増やしていく、という、まぁねずみ講みたいなものなんですけど。
そのトレードツール、先輩は後輩に売ると8万円のバックがあるっていう感じだったんですね。
私はこの話を聞いて、そんなシステムがあるんだ、とすごく驚いたんです。
と同時に、凄い冷たい言い方にはなるかもしれませんが、無知の方も悪い、と感じました。
もちろん騙した方が一番悪いんですが。
騙される側の問題って、投資詐欺に関わらず、なんでもあると思います。
投資詐欺を撲滅してやろうとか、そんな崇高な目的などはありませんでした。
せめて自分の身を守るためには勉強をしなければならない。そのために投資の勉強をしたというだけです。
その中で、少ない資金で始められるものを探してみて、それでFXを始めました。 -
編集部: - 投資詐欺への自己防衛から勉強を始めたんですね。で、実際にFXをはじめてみたところ?
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蜂屋: - めちゃくちゃ面白かったですね。
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編集部: - やっぱり(笑)。
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蜂屋: - 面白いゲームを見つけたぞ!って感じでした。
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編集部: - JINさんもおなじことおっしゃっていたような(笑) 。どの辺りがやっぱり面白かったんですか?
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蜂屋: - FXは学ぶことが無限にあるというところですかね。
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編集部: - ほぉ。
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蜂屋: - 人間が、勉強や努力を継続できるときって、自分の成長を実感できるときしかないんですよ。
FXで「成長は?」と聞かれたら、口座の資産が増えること、と多くの方が答えると思うんですけど、私の場合はそうじゃなかった。
単純に、新しいことを学んだということが自分の成長に感じました。
資産が増えてなくても、新しいことを学んで、試して、結果がだめだったら、じゃあ次はどうしようという繰り返しが、非常に楽しかったっていうのはありますね。 -
編集部: - トレードが失敗しても楽しい・・・。はじめて聞くタイプです。
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蜂屋: - この、どう成長を感じるかの違いって結構大きいと思います。 テレビゲームで例えますと、私は、ゲームはハードモードしかやらないんですよ。
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編集部: - えっ、初めてやるゲームもですか??
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蜂屋: - はい。
まずやってみて、勝てない。ゲームオーバーになって、じゃあ次どうしようって考えるのを、楽しめる体質なんですね。
つまりクリアという成功報酬がなくても、どうクリアできるのかを試行錯誤して楽しめるタイプなんです。
イージーモードなら、ゲームは進むので、小さな成功体験を積み重ねていくことができる。
どちらが正しいとか、そういう話ではないですが(笑)。 -
編集部: - それにしても、ハードモードを楽しめる方って、なかなかいないんじゃないでしょうか(笑)。
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蜂屋: - FXって、実は小さな成功体験ってあまりないんですよね。
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編集部: - と、いいますと?
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蜂屋: - 口座の資産推移って一直線で上がっていくわけではなくて、FXに詳しくなればなるほど口座残高が減っていくことさえあります。
このようなことも含めて、楽しめるかどうかがFXを続けていけるかの転換点になります。
最初にもお話しましたけど、人間は成長を実感できないと続けられない生き物なんです。
なのでFX口座のお金が増えていくことを「成長」ととらえている人は、おそらくどこかでやめてしまいます。 -
編集部: - なるほど、その考え方はすごく響きます。
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蜂屋: - 「資産推移」がイコール「成長」ではないんですよ、と。FXというものは学べることがたくさんあって、自分の一挙手一投足のすべてにヒントがあって、課題を一個ずつ潰していくことに楽しみを覚えたら、ハードゲームとしでのFXが楽しめて、続くと思います。
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編集部: - お金が増えていくこと以外に楽しみを見いだせたら続けられる・・・。深いなぁ。
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蜂屋: - FXってなにも特別なことはないんですよね。
私の経験上、やめなければ、いつか勝てるようになると思っています。
FXをやめるのはすごく簡単です。簡単に始められるけど、お金が減っちゃって嫌になったらすぐ辞められる。でも成功体験にもならない。ただ、続ければ、遅かれ早かれ勝てるようになると思います。 -
編集部: - ファンダメンタルズ分析、テクニカル分析、コピートレードと、様々試すのは楽しみの一環だったってことですね。
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蜂屋: - ええ、全部楽しかったです。
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編集部: - 言い換えると、FXを続けることで成長を感じられるから、FXで大きく資産を伸ばすような手法、いわゆる聖杯が見つからなくても、めげることなく次々と手法を試せたわけですね。
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蜂屋: - そうですね、トレードの失敗を見つけたらそれを潰していくだけのゲームなので。
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編集部: - ということは、FXで勝てなかった時期は、つらい、暗黒の期間というわけではなかったんですね。
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蜂屋: -
むしろ一番FXが楽しかった時期です。
資産は増えていなかったですけど、そのころが一番アツい気持ちでFXをやっていました。
先のことはなにもわからなかったけれど、楽しかったですね。 -
編集部: - 楽しんだ上に、どうすればお金が増えていくかというのが徐々にわかってきたから、自然と専業FX投資家になっていったって感じでしょうか。
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蜂屋: - そうですね。
だから逆に今は作業になってきてしまって退屈で仕方がないです(笑)。
それでも相場の変化は日々あって、対応しなきゃいけないことがたくさんあるので興味が続いていますけど。
俯瞰して手法を変えたコロナショック
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編集部: - 2020年のいわゆるコロナショックで、FXトレードへの影響はあったのでしょうか?
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蜂屋: - ここ最近の相場では一番面白かったですね。
私はチャート上にトレンドラインを複数引き、並行チャネルを使ってトレードするんですけど、今まで「右肩上がり」か「右肩下がり」の日足のレンジを狙っていたんですね。
そしてコロナショックでは、日足のレンジが終わったんですね。
ですので、コロナショック後はトレンドについていく手法に変えたんです。 -
編集部: - コロナショックを受けて、投資手法を切り替えてなかったら、FXの収支は厳しかったのかもしれないですか?
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蜂屋: - 厳しかったですし、勝てていなかったかもしれないです。
正確にいうとエントリーができない。
勝てもしないし負けもしないという感じです。
なぜならレンジ相場の発生を待たなければならないからです。
日足のレンジを形成するには多くの時間を要します。
私はこれまで、数年間続いていた後半7割のレンジをとっていました。言い換えれば前半の3割の期間、レンジが発生してるかわからない間は、トレードチャンスが無いわけです。 -
編集部: - なるほど、蜂屋さんの「すばるライン」では、しっかりとレンジが形成されていることを確認しないとエントリーポイントが出現しないわけですね。
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蜂屋: - そうです。
そこで、環境認識の時間軸をひとつ上にずらしてみました。 大きな値動きがあったら、一歩手前に引いてみるのが大事ですので。
大きい建物を観察するときに、間近で見る人っていないじゃないですか。
凄く俯瞰して見るんですよね。
コロナショックで大きな値動きが発生したから環境認識を週足でやろうと思ったんですね。
そうしたら4時間足でトレンドが出ているのがわかったので、4時間足を中心にトレードしようと考えるようになりました。
蜂屋すばる 達観の理由
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編集部: - まだお若いのに、どうして蜂屋さんはそんなに達観していらっしゃるのでしょうか。
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蜂屋: - まずFXを始めたころは投資経験が乏しく、トレードアイディアの引き出しも何もないので、ひたすら先輩投資家のマネをしていました。
同時に、自分でもいろいろ検証しましたが、やっぱりひたすら勝てなくて・・・。
でも、負けるだけの世界ではない、FXで勝てないわけがない、とも思ったんです。
事実、必ず勝っている方々がいて、その方は手法を公開していらっしゃる。
となると、つまり私が使いこなせていないことが課題だと気づきました。
このことは、すぐには気づけなかったです。
いろんな方の、いろんな手法を試して、自分のトレードに合う、合わないを身をもって理解しました。
結局は、自分で試さないとなにもわからないということです。
ですので、私のブログ、動画を見て参考にしていただいたり、私のものに限らずいろんな方の情報を参考にするべきだと思います。
さんざんマネして試して、それでも負けたときにはじめて、自分なりのスタイルを探し出すしかないと気づけるのではないかと思いますね。 -
編集部: - 蜂屋さんにとっては儲かったトレードなのに、蜂屋さんの見通しを見た動画の視聴者の方は損をした、ということがあったと聞きました。原因は、蜂屋さんは4時間足のトレードなのに、その方は1時間足で相場を見ていたということでした。
この話から、手法などを発信している先輩トレーダーは、別に悪意を持って情報発信しているわけではなく、受け取る側にも課題があるんだと知りました。 -
蜂屋: - 投資は自己責任の世界ですから、自己責任でやるしかないんだと言うことかもしれません。
有難いことに、このように投資についてインタビューをしていただける立場になりましたけど、この立場になってより思ったのは、だれも信用しないほうがということですね。
誰とは言わないですけど。蜂屋すばるも含め、だれも信用しないほうがいいです。 -
編集部: - つまり、100%は信用しないことを前提に、情報収集するということですね。
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蜂屋: -
情報だけ受け取り、真偽はご自分で検証して確かめるという事が重要だったりしますね。
ネットで見たトレードアイディアに沿ってやってみて、結果ダメだったら、そのトレードアイディアを自分が使いこなせていないのか、そもそも自分のスタイルに合ってなかったのか、トレードアイディアを間違って理解していたなどが考えられます。
とにかく、自分で実際にやってみて確かめることの方が重要ですね。
PickUp編集部より
全3回の、初回から長編になった蜂屋すばるさんへのインタビュー。学生時代にパソコンに触れ、ゲームを通して社会と接点を持ったお話や、すべて自分で判断し、「ハードモード」を楽しむことで自己成長を実感し続けたことなどは新鮮でした。次回の中編ではリスクリワードの考え方など、より具体的なFXトレードについて伺って行きます。
蜂屋すばる 氏
専業歴3年目の金融トレーダー。月間30万PV超のブログのほか、TwitterやYouTubeといったSNSを通して為替の相場観やトレードに必要な考え方・テクニックなどを日々配信。
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