以下の取材記事はトレーダー個人の経験やお考えに基づくものです。その内容について当社が保証するものではありません。実際のお取引については充分内容をご理解の上ご自身の判断にてお取り組みください。
中編では、自ら設定できる「リスクリワード」に拘ることの重要性、過去検証の考えかた、環境認識のポイントについて伺いました。この後編では、「見ない」トレードを行うことで得られるメリットや、海外FXになぜ需要があるのかなどについてお聞きしています。
▼目次
1.マネから入るのもアリ
2.見ないFX
3.実生活の蜂屋さん
4.体調管理
5.海外FXが求められる正体
マネから入るのもアリ
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編集部: - 自分でうまくトレードアイディアを考えられないFX初心者へメッセージをお願いいたします。
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蜂屋: - 難しいですね(笑)。FXの最終ゴールはお金を増やすことのなので、まねるだけのトレードでもいいかもしれないですね。
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編集部: - さきほど、テレビゲームではハードモード(難易度が高い設定)を楽しめる、とおっしゃっていましたけど、イージーモードが好きな方もいますよね。
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蜂屋: - そういう方であれば、イージーモードの儲け方を選ぶしかないと思います。 FXはレバレッジをかけ、相応のリスクを取って大きなリターンを得ようとする取引だと思っています。なので、リスクがあるからには、本来は自分でトレード判断を考えなければいけないんですね。
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編集部: - はい。
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蜂屋: - それでも自分でトレード判断が難しいのであれば、自分のかわりに投資をしてくれる金融商品、例えば投資信託へ資金を預けるなどの選択肢があるのでそちらを検討するとよいと思います。 FXがすべての個人投資家にピッタリ合うとも思わないので。
あらゆる投資を試して、結論的に楽な方がよいとなったら、そのようなシステムを選ぶだけかと思います。そちらの道の方が、幸せになれると思います。 -
編集部: - まずはFXトレードを試してみて、難しそうだったらFX以外の道を考えればよいということですね。
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蜂屋: - 繰り返しの話かもしれませんが、ミラートレード、コピートレードをするのは、はじめは良いと思います。私自身も、FX初心者のころに似たようなことをやっていました。ただ、トレードのマネをする中で、相場は自己責任なんだということに気づいて行きました。私のブログやTwitter、YouTubeの視聴者の皆さんにもそのことを気付いてもらえればなと思いながら発信し続けています。
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編集部: - なるほどですね。 では、蜂屋さんのフォロアーの方に、どんなトレーダーになってほしいなど、ありますか?
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蜂屋: - ちょっとドライな言い方かもしれませんが、私はフォロアーの皆さんにこうしてほしい、という考えは特に持っていません。同時に、私に対してこうなってほしい、というのも特に伺うつもりもありません。
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編集部: - そ、そうなんですね。 FXの情報発信者と、それを見るフォロアーという感じでお互いにほどよい緊張を保っておきたい、ということでしょうか。
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蜂屋: - ブログやTwitter、YouTubeで私の発信を皆さんに受け取っていただき、参考にしていただけるのはとても嬉しいことです。読者や視聴者が増えることで、私も楽しんで活動をすることができています。ですので、誠実に正直に、自分が正しいと思うことを発信するようにしています。
でも、それをどう受け取ってどう生かしていくかは、フォローして下さる方々、個々の問題です。そういう意味で、私の方からどうなって頂きたい、などは思っていないということです。 -
編集部: - フォロアーを大切にしているからこそ、蜂屋さんご自身がぶれないようにしていらっしゃるんですね。
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蜂屋: - ありがとうございます。私は、自己分析を経て今のトレードスタイルになりました。皆さんそれぞれ、ご自身と対話しながらトレードスタイルを作り上げていくと思うので、それぞれ進む道は違うと考えています。
見ないFX
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編集部: - 中長期のFXトレードについて、コツなどありましたら教えてください。
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蜂屋: - FX初心者の方が、いきなりスイングトレードをするのは難しいと思います。 ですので、スイングトレードの上達の方法を話したいと思いますが、よいでしょうか。
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編集部: - お、なんでしょう。ぜひぜひお願いします。
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蜂屋: - まず、自分なりに相場見通しを立てて、新規注文を入れて、利益確定の指値も入れて、損切の指値を入れます。その注文が約定しポジションを持ったら、そのトレードについて、チャートを見ないという方法です。
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編集部: - え?なぜでしょうか??
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蜂屋: - なぜ見ないかというと、ポジションを持った後は、チャートを見るメリットがないと思うからです。 スイングトレードだと特に言えますね。 もちろん、チャートを無視できるくらいの金額である必要があります。
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編集部: - 相変わらず、理詰めでいらっしゃる・・・。 確かにチャートを見なければ、持ったポジションを思い付きで決済したり、追加で注文を出すことを思いつくこともないですね。
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蜂屋: - チャートについてお話しすると、例えば短期のローソク足を見て、「上下している速度が早い」「勢いが強い」「なんとなく弱いと思った」などとおっしゃる方がいますが、感じ取った強弱の理由を具体的に説明できないのであれば、その相場判断は無視してよいと思います。
そういうのって、主観での、思い込みの部分が大きいのではないかと感じます。 -
編集部: - 短期のチャートの値動きを見て、スイングトレードで最初に思い描いたトレード判断を覆す初心者の方は多そうですね。
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蜂屋: - 細かな値動きに対する思い込みと、ダウ理論など具体性のあるチャート形状って、分けないといけないですが。 スイングトレードであればなおさら、細かなティックレベルの値動きは、見ない方がいいんです。
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編集部: - ただ、お言葉ですが、動いているローソク足って、魅力的です・・・。
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蜂屋: - ええ。何やらひらめいて、自分の都合の良いように見えることありますよね。 でも、私はトレードの練習は確定したローソク足で行っているので、本番で動いているローソク足を見ながらトレードするのは、おかしな話になるんです。
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編集部: - 確かに、練習と本番を一致させるのは大事ですね。
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蜂屋: - ということで、スイングトレードを考えている方は、今お伝えしたことを試してもらいたいです。 まずはポジションを持ったらチャートを見ないトレードを行い、「チャートって、見続けなくていいんだ」と気づけるようになると思います。
ちなみに私は4時間足が確定する、4時間ごとしかチャートを見ないんですよ。 -
編集部: - 15分足などで相場分析をしている方からすれば、驚きかもしれません。
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蜂屋: - チャートを見ないスイングトレードに慣れて、トレード成績が安定して来たら、チャートを見ながらピラミッティングや分割利確ができるようになってくると思います。
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編集部: - ふむふむ。見ないトレードは発展性があるんですね。
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蜂屋: - ちょっと強引ですが、野球に例えると、相手がストレートピッチャーだとわかっていれば、目をつぶっていても迷わずバットを振り切れますね。バントもできます。相場の大きな流れをつかむことに慣れれば、雑念が無くなって成績が向上するかもしれない、というお話でした。
実生活の蜂屋さん
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編集部: - 蜂屋さんは、まだお若いのに理知的なお話をされますね。 FXトレード以外の場面、例えば実生活などで、考えすぎて疲れることってないですか?
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蜂屋: - いやいや。疲れて困るようなことはないです。疲れるほど考えているときはありますが、そういうのは楽しい時です。 あと、慣れていることであれば考えても疲れないです。例えば私はFXについてのブログ更新を続けていますが、始めてから1年以上経つので、もう書くのには疲れないです。最初は、必死に考えてやっていたので、疲れていました。
逆に言えば、最初のうちは楽しくブログを書いていました。どうすればもっと読んでもらえるだろうかなど考えたので。 つまり、疲れるほど考える時は、新しいことにチャレンジしている時でもあるので、良い疲労感になりますね。 -
編集部: - では、考えすぎて悩んでしまうことは?
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蜂屋: - 私はすべてのことを考えすぎないように努めています。複雑にしない、シンプル化する作業をします。
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編集部: - そこのところを、詳しくお聞きしたいです。
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蜂屋: - 何かを考え始めるときに、「この先自分が考え続けたら解決することなのか」をまず判断します。考えても解決しないと判断したら、その先は考えないので、疲れないんです。
考えて解決すると判断したことは、いつか解決するので、面白いのでOKとなります。 -
編集部: - 課題を感じた時に、すぐ仕分けるんですね。課題の分解力もすごいなあと感じました。
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蜂屋: - 「これは自分にとって、悩むべきことなのか、脳をどれくらい使うべきなのか」って、自然と考えていますね。 自分がコントロールできることって、それほどないので出来ないことはやらない方がいいです。
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編集部: - その、課題を仕分けて判断するのは、昔からなんですか?
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蜂屋: - そうですね。私は、面倒くさがりなので悩んでもしょうがないことは、考えたくもないんです。 おそらく、まじめな方や、頭のいい方が悩むんです。
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編集部: - 面倒くさがりなんですか?意外ですね。
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蜂屋: - 頭のいい人は、知識が多いので、自分で解決できそうだと思っちゃうんです。
私は知識などそんなにないので、解決できることに限りがあると分かってしまいます。
まじめな人は、解決しようと頑張れると思っちゃうんですが、私はこれも違うかなと。 -
編集部: - まじめじゃないんですか?
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蜂屋: - まじめじゃないです(キッパリ)。
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編集部: - (笑)
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蜂屋: - まじめじゃないから、物事を深く考えない。言い換えればシンプル化しています。
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編集部: - 蜂屋さんの考え方がよくわかるエピソードなど、なにかありますか?
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蜂屋: - うーん、そうだなあ・・・。
あ、恋愛相談とか、上手くいったことがないですね。 友達の女の子から、恋愛相談をされるんですけど・・・。 -
編集部: - なんて答えるんですか?
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蜂屋: - 「でもそういうのって、考えてもしょうがないよね」と。
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編集部: - (笑)
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蜂屋: - いや、わかるんですよ。その女の子にとって、だれかに相談している、悩んでいる時間が大事だってことはわかっているんです。でも、「意味ないでしょ」って言っちゃいます。
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編集部: - あはは。相談した女友達には、蜂屋さんが冷たい人に映っちゃいますね(笑)
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蜂屋: - そう。なので私、女性関係がうまくいかないんです・・・。 ちょっと、気を付けないとなとは思っています。 ただ、FXには、自分の考えるクセは活きていると思います。
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編集部: - 他にも、何かエピソードはありますか?(ワクワク)
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蜂屋: - ・・・無茶苦茶に聞こえるかもしれませんが・・・、キッチンを封鎖しているんです。
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編集部: - ん・・・と?
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蜂屋: - キッチンにカーテンをつけて、その前にソファーや家具を置いて遊びのスペースにしているんです。なぜかというと、私が料理をする時間はムダだと思っているからです。
これは、ほかのどなたかが料理することがムダと言っているのではなく、私が行うことが、ということです。 なぜかというと、何を食べてもおいしく食べられるからです。 -
編集部: - おお・・・。
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蜂屋: - 凝った料理でもインスタントでも、私の中の満足度は変わらないので、料理にかける時間はムダになります。 すると、料理にかけるお金や、調理器具も無駄だということになります。
金銭的に、自炊したほうが安上がりなのは分かっていますが、価値を感じないことにコストをかけてイライラするより、割高でも出前の方が良いと判断します。 -
編集部: - え、でも友達とか部屋に遊びに来るじゃないですか。
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蜂屋: - はい。「キッチンで料理作ろうよ」という話になります。「タコ焼き機持ってくるよ」などもありますね。 そういうのは嫌なので、キッチンを閉鎖しているんです。 「うち、キッチン無いよ」といいます。・・・そんな家、あるわけないんですけど(笑)
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編集部: - あはは。
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蜂屋: - みんなでワイワイ鍋を囲もうと話が出たときも、出前を主張しました。 料理は私を絶対にやらないと決めているからです。
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編集部: - ほえー
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蜂屋: - 部屋には、家具も少ないですよ。掃除が嫌いなので、床掃除は自動掃除機がやってくれるようにし、棚の上など自分がやらないといけないところを減らすことで対応しています。 掃除を頑張るのではなくて、掃除をしない仕組みを考えています。
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編集部: - 本当はいろいろな家具を買いたいのに、我慢するというようなストレスはないですかね・・・。
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蜂屋: - 物欲自体がないのでそれは無いです。車もいらないですし、住居も十分です。 パソコンさえあれば、面白いことは大体できるので、大丈夫です。
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編集部: - なるほど・・・。家具はあるわけだから、ミニマリストほど極端ではないですね。 蜂屋さんが必要性を感じたものが、購入を認められる、みたいな印象を受けました。
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蜂屋: - そうですね。何もない状態から始まって、あるタイミングで困るので、そのときに買います。
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編集部: - ちなみに・・・プレゼントとか・・・。
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蜂屋: - ああ。お断り、しています・・・。
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編集部: - (!)
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蜂屋: - 相手が、なにかプレゼントしてくれそうな素振りがあったら、一緒に食事に行くような提案をしたりしますね。 あ、外為どっとコムさんの食品系プレゼントは、おいしく頂きましたよ。
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編集部: - 消えもので、良かったです(笑)。
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蜂屋: - 投資でも実生活でもそうですが、「あってもなくてもよいものは、ないほうがいい」という思想がすごく強いんです。 こういう生活は、5年以上続けています。 着る服も、同じようなものを複数枚買って悩む手間を減らしました。 部屋にあるものも、色を選ぶのが面倒なので、黒に統一ました。そうしたら、結果的にかっこよくなりました。
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編集部: - かっこいい部屋にするために色をそろえたんじゃないんですね・・・(笑)
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蜂屋: - 家具もゲーム機もパソコンも黒で統一されているので、友達が来ると変に思われます・・・。
体調管理
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編集部: - 体調を整えるためのなにか努力はしていますか?
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蜂屋: - これができなくて、いまいちばん困っているかもしれません。 そもそも体調が崩れないので、運動したらどのようによくなるか、成長が実感できないんです。
まあ、外出自体しないので、ウイルスの被害も受けません(笑)。ただ、運動などは将来への投資だとは思っているので、なにかやったほうが良いと思っています。
海外FXが求められる正体
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編集部: - いわゆる偽トレーダーについて、どうお考えでしょうか。
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蜂屋: - 偽トレーダーについてはよくわかりませんが、海外FX業者からのアフィリエイト勧誘は、メールで絶え間なく来ています。 「口座開設を誘導してください、そのために“いろいろ提供できるものはあります”と」何やら含みのある言い方で回答があったりします。 お誘いいただけるのはありがたいことですが、私の方針と違うのでスルーしています。
SNSなど、フォロアーが多い方で海外FX業者からのアプローチがない方はほぼ居ないんじゃないかと思いますよ。 あと、海外FX口座が正しいかどうかの議論ですが、これは個人投資家の立場によって見え方が変わると思っています。 -
編集部: - どのような違いがあるんでしょうか?
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蜂屋: - FXトレードがうまく行っていない個人投資家ほど、海外FX口座が魅力的に見えてしまうと思うんです。 FXがうまくいっている、勝っている人は、海外FX業者が謳う「ゼロカット」などの制度は、どうでもいいものに映るんです。
上手くいっている方は、投資資金もあるので、25倍以上の高いレバレッジをかける必要性も感じない。 -
編集部: - なるほど。
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蜂屋: - FXで勝って、お金を持っていている人は、信託保全がある国内FX口座の方がいいんです。だから国内FX口座がいいと主張するんです。 逆に、FXで負けてお金が増えない人は、海外FX業者がいいと主張してしまうんです。 両者のミゾは埋まらないと思います。
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編集部: - いやはや、鋭い考察ですね・・・。
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蜂屋: - そもそも海外FX口座は、金融庁が認めていない、いわば違法である事実は変えられないのですが、その点は置いておいたとしても「信託保全」や「ゼロカット」や「レバレッジ倍率」などはトレーダーごとに良いと感じる視点が全く違うので、争いは終わらないと思います。
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編集部: - ええ。
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蜂屋: - 外為どっとコムさんが出されている、トレードに有益な情報を活用してFXで勝てるような人が増えれば、資金が増えて、ゼロカットが怖くなくなって、信託保全のある国内FX業者で新規口座を作るんじゃないでしょうか。
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編集部: - 上手にまとめていただきました。 本日は長時間にわたり、お話をありがとうございました。
PickUp編集部より
いかがだったでしょうか。 中長期トレード上達のコツは"見ない"こと。 「短期の動いているローソク足を見て、強弱の理由を具体的に説明できないのであれば、 それはほとんど主観での思い込みになる」ということに、 スイングトレードの妙味があると感じました。 また、蜂屋さんは実生活もシンプル化を極めており、 特にキッチンの封鎖には驚きでした。 海外FX業者についても鋭い考察をいただき、終始感嘆したインタビューとなりました。
【前編】
【中編】
蜂屋すばる 氏
専業歴3年目の金融トレーダー。月間30万PV超のブログのほか、TwitterやYouTubeといったSNSを通して為替の相場観やトレードに必要な考え方・テクニックなどを日々配信。
●免責事項
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