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通貨3位、株価2位、元高を容認 米国の圧力には対抗策

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総括

通貨3位、株価2位、元高を容認 米国の圧力には対抗策

予想レンジ 人民元/円 15.3-16.0 

(ポイント) 
*中銀は人民元高を容認か
*GDP始め経済指標は強いが物価は落ち着いている
*人民銀行は政策金利を据え置いた
*輸出規制を採択し米国の貿易圧力に対抗
*9月貿易収支は輸出入ともに急増した
*人民元は円を抜く強さ
*海外から中国国債が買われている
*双循環がキーワード 国内循環と海外循環
*5中総会は10月26日から
*中国国債は90%の確率でWGBIに採用される見込み
*米中GDPの逆転も近いか
*テスラやGMの中国販売は好調
*香港国家安全法は53か国が支持、27か国が懸念
*2022年は米中国交回復50年
*2021年は共産党建党100年
*今年は「第13次5カ年計画」の最終年
*米国は中国の為替操作国の認定解除
*中国GDPが100兆元へ近づく

(市況 元高続く。輸出規制法)
 中国も打たれっぱなしではない。全人代は、国家の安全に関わる技術や物資の輸出を制限する新法「輸出規制法」を可決した。12月1日に施行する。米国がファーウェイへの半導体輸出を全面的に禁じる新規制を9月に施行するなど、中国企業への圧力を強めていることに対抗するものとみられる。輸出規制法では、対象が「国家安全」という概念で広範囲に及ぶことから、施行されれば日本企業の事業にも影響を与える可能性がある。同法に違反すれば中国国外の組織と個人も法的責任を追及すると明記されているため、各国の企業が懸念を強めている。これが米国大統領選挙前に出されたことも意味があると思う。
 人民元は依然底堅い。日本のプラザ合意以降の円高による景気失速から人民元については慎重な政策をとっているが、最近の需給動向で元は強含んでいる。中国国債は21年に世界の代表的な国債指数の1つに組み入れられることになっており、アナリストは1400億ドルの資金が流入すると試算している。

(経済指標 依然好調)
 経済指標も好調で9月貿易収支でも好調な輸出に加え輸入も大幅増加した。内需も拡大しているのだろう。中国の輸入が増加すれば世界経済にも寄与する。コロナ禍の世界で今年はプラス成長できる唯一の国が中国である。経済政策でも内需外需ともに拡大を目指す「双循環策」、香港や深センを統合して開発する「大湾区」政策など積極的だ。

(政策金利は据え置き、GDP改善も物価は落ち着いている)
人民銀行は10月の最優遇貸出金利(LPR、ローンプライムレート)を1年物が3.85%で、6カ月連続で据え置いた。年初に新型コロナウイルスの打撃を受けた経済は正常化しつつある。緩和的な金融環境が実体経済に及ぼす影響をなお注視する構えだ。
 LPR1年物は優良企業に適用する貸出金利の目安となる。人民銀行は毎月公表し、事実上の政策金利と位置づける。住宅ローン金利の目安となるLPR5年物は年4.65%と、1年物と同じように5月から据え置きが続いている。

中国経済は緩やかに回復している。7~9月の前年同期と比べた実質経済成長率は4.9%で、前期(3.2%)より拡大した。成長加速の影で、新型コロナ対応の金融緩和の影響で一部都市の不動産価格が高騰。バブルの懸念も強まっている。

日用品やサービスの価格上昇圧力は弱い。9月の消費者物価指数(CPI)をみると、生鮮野菜や豚肉など食品以外の指数の伸び率は前年同月比ゼロ%だった。雇用や所得の回復ペースは緩やかで、節約志向も根強く残っている。人民銀行は不動産などの価格高騰を警戒する一方、これまでの金融緩和の家計部門への波及効果をなお見極める姿勢とみられる
 
(人民元高は投機的ではない)
易綱人民銀行総裁は、過去3カ月で人民元が対米ドルで「大幅に」上昇していることは米中間の金利差を反映したものだとし、市場の力に任せるべきとの考えを示した。これは、人民銀行が現在の元高トレンドはファンダメンタルズ主導で単に投機的な動きではないとみていることを示唆する。
 米中の金利差は、中国経済の回復加速を背景に拡大する見込みで、人民元を押し上げている。中国は今年プラス成長が見込まれる唯一の主要国で、9月の小売売上高や鉱工業生産は第4・四半期に向けた回復の加速を示している。これらを踏まえると、人民銀行には緩和の余地が少ない。一方でFRBは、金利を長期間据え置く方針を明確にしている。
易綱総裁の発言は、人民銀行が外為フォワード取引の規則変更により元の上昇を抑えようとしているとの懸念も払拭する見込み。

テクニカル分析(人民元/円)

ボリバン上限から上ヒゲ残し反落

日足。10月21日は15.87をつけたがボリバン上限から反落。長い上ヒゲを残す。10月15日-16日の上昇ラインを下抜く。9月21日-10月13日の上昇ラインがサポート。5日線上向き。雲の上。
週足。ボリバン上限。10月5日週-12日週の下降ラインを上抜いて上昇。ただ今週は上ヒゲを造成中。9月28日週-10月12日週の上昇ラインがサポート。雲の上。
 月足、20年6月-7月、18年6月-19年4月の下降ラインを上抜く。7月-8月の上昇ラインがサポート。ボリバン中位越え。ボリバン上限は16.33。
 年足、11年-19年の上昇ラインを下抜くも上抜き返す。18年-19年の下降ラインが上値抵抗。陽転。

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チーファンラマ

中国テスラが世界へ拡大

 テスラは、中国で生産したセダン「モデル3」を今月からドイツ、フランス、イタリア、スイスなど10カ国以上の欧州諸国に輸出すると発表した。
テスラの上海工場での今年の生産台数目標は15万台。上海工場は米国外の初の生産拠点で、今後も中国での生産や充電ステーション、販売網の拡大を図る見込み。

情報提供元:FX湘南投資グループ
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