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米国分断は米国の弱さ、中国が虎視眈々

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総括

米国分断は米国の弱さ、中国が虎視眈々

ドル円=102-107、ユーロ円=119-124 、ユーロドル=1.14-1.19

通貨ごとの注目ポイント

*円「通貨4位、株価6位、11月初旬は円安が多いが、10月下旬に円高要因も出てきた2020年晩秋」
10月の円は中旬までは弱かったが下旬に上昇、月間では12通貨中4位となった。年間では4位のまま。ただ行き過ぎ感は出ている。ボリバン3σを下抜いた10月21日からはほぼ同水準で推移し、先週後半の3日間は下ヒゲも出し底堅さ感も出している。
 欧米のコロナ感染拡大の混乱によるリスク回避で円が買われたということもあるが、9月貿易統計で輸出が持ち直し、輸入が大幅減少のままで貿易黒字が増加したこと、依然続く消費減少、生保の下半期運用計画で外債投資に積極的ではないこと、大規模の経済対策が示されないこと( 第3次補正予算案は11月10日ごろ)、ボリバン上限に位置していたことなどが円高要因。特に輸出の持ち直しが、コロナ禍という特殊要因の中で今頃改善したことは意外な円高要因。
 欧米でのコロナ感染第2波があるが、世界経済は2Qに比べれば前に進んでいる。それゆえに日本の輸出も伸びているが、肝心の日本の消費が伸びず輸入改善の動きが出なければ晩秋の円安へのスピードも緩む。ここ14年の11月初旬のドル円相場では9回がドル上げ、1回がドル下げ、4回がほぼ変わらずである。米国大統領選挙からの混乱もあるが、前回の2016年11月初旬もドル高であった。


*米ドル「通貨6位、株価(NYダウ)7位、米国分断は米国の弱さ、中国が虎視眈々」
 人間、上手くいっていれば争わないものだ。上手くいかない時にどう纏めるかがリーダーだろう。
 米国の分断に米国の弱さを感じる。やはり中国の成長がのしかかっているのだろうか。近い将来米国のGDPは中国に抜かれる。選挙後の有効票確認争いの紛糾を有利に戦うために共和党は最高裁判事を保守系から選んだ。民主党はコロナ禍の追加経済対策を選挙前に実現しないようにした。醜い争いに見える。もちろん大統領選挙の勝利者決定が長引くことで市場は混乱するが永久に混乱が続くわけでもない。正常化すれば株価は値を戻し、ドルは経常赤字がある限り持続的な上昇はない。投票後のボラティリティ拡大には短期取引はそれを利用し、長期的には米国にポートフォリオがあるならば、資金余裕の中で我慢することにもなろう。
 FOMCもあるが、政府の景気対策が決まらないと金融政策も打ち出しにくいところだ。ISM製造業や雇用統計などの発表もあるが、最近の経済指標は3Q・GDPが前期比年率で33.1%回復したように悪くはない。
経済をストップさせた2Qから回復するのは当然であるが、完全に回復したと確認できるのは21年3Qが前年比で改善することだろう。中国は既に達成している。米国が弱くなれば株価にも格差が広がり選別が重要となり、また消費が弱くなれば経常収支が改善しドル急落はなくなる。選挙後、中国とどう付き合うか、テスラやGMは中国市場に収益を依存している。対立より友好が豊かさを生むのだろうが、感情的に争えば米国の分断や弱体は続くだろう。威勢が良いだけでは勝てない。


*ユーロ「通貨3位、株価11位(DAX)、コロナ第2波、ECB緩和示唆で下落もボリバン下限で一服」
 ユーロドル、ユーロ円ともにボリバン上限(2σ)から下限へ下落した。独IFO業況指数悪化に始まり、コロナ感染第2波の拡大とロックダウン、ECBが12月に追加緩和対策を講じる可能性を示唆したことが影響した。一方、3Q・GDPは前期比12.7%増となり、予想の9.4%増を大幅に上回った。新型コロナウイルスのパンデミックで大幅なマイナス成長となった2Qから急回復した。中でも、イタリア、フランス、スペインの回復が顕著だった。前年比では4.3%のマイナス成長だったが、2Qのマイナス14.8%からは改善した。コロナ感染者数は増加しているが、死者数は4月のピーク時に比べれば大きく減少しているのが救いだ。
 10月のユーロ圏消費者物価は前年比マイナス0.3%で、予想と一致した。弱いインフレではECBは躊躇なく金融緩和とユーロ下落放置を続けられる。仏LVMHモエヘネシー・ルイヴィトンが10月29日、米宝飾品大手ティファニーと買収価格の引き下げで合意し、巨額M&Aを再び実行に移す。新しい買収総額は158億ドルで為替が絡むとユーロ安要因となる。
 テクニカルではボリバン下限まで落ちてきたので、下落一服とみたい。


*ポンド「通貨8位、株価14位、ECBの緩和示唆に続き今週は英中銀の出番」
 ユーロと同様にボリバン上限から下限方向へ下落したが、ECBが12月緩和を打ちだしたことからユーロ売りの対価として週末は買われた。今週は金融政策決定会合があるが政策金利は据え置きが予想される。資産買い取りプログラムの規模を拡大する可能性はある。マイナス金利導入についてはベイリー英中銀総裁は時期尚早としている。
 新型コロナウイルス感染再拡大を受け、ジョンソン首相に全国的なロックダウンの再導入を求める声が強まっているが、死者数は増加しておらずある程度経済活動は維持して進んで行けるのではないか。経済対策ではスナク財務相は11月25日に来年度1年間の政府支出計画を発表する。EUとの通商協議では、ジョンソン英首相と欧州委員会のフォンデアライエン委員長が合意に向けて最後の交渉に入る。11月半ばまでの合意を目指している。


*豪ドル「通貨5位、株価11位、利下げと量的緩和で景気回復を支える」
 コロナ感染拡大と景気回復の弱さ、対中対立での輸出減少があれば豪中銀としても利下げせざるを得ない。政策金利を0.15%引き下げると見られる。また国債買い入れプログラムを約1000億豪ドル増額する可能性が高い。中長期の国債を買い入れるとみられている。来年半ばまでに国債買い入れ額は5000億豪ドルに達する可能性がある。これはGDPの約4分の1に相当する。
 3Qの消費者物価は前期比1.6%上昇した。新型コロナウイルス対策の一環で導入された保育無償化が終了したことやガソリン価格の上昇が背景。2Qは前期比1.9%低下と、過去最大の落ち込みを記録していた。
ただ、3Qは前年比では0.7%上昇と、目標(2-3%)を大幅に下回っており、金融緩和の継続は可能とみられている。今週は小売売上、貿易収支、四半期金融政策報告などもある。


*NZドル「通貨7位、株価3位、順調、慎重に渡航制限解除、雇用統計あり」
 政権も安定し、コロナ感染も抑制され、豪程中国との対立もなく進んでいる。NZ株価指数も世界では数少ない上昇している市場だ。3Qの消費者物価も、新型コロナウイルス感染防止の行動制限が緩和されたことを受け、上昇に転じた。前期比0.7%上昇。前年比では1.4%上昇と、2Qの1.5%から伸びが鈍化したがインフレ目標の1%-3%に入っている。景気回復には渡航制限緩和が重要だが今のところは試験的、限定的だ。豪のマコーマック副首相は10月16日からNZの居住者に対して、豪国内のニューサウスウェールズ州とノーザンテリトリーへの渡航を認めると明らかにした。入国後の2週間の待機も義務付けない。
一方、アーダーンNZ首相は、豪への渡航者は、帰国後に自主隔離が義務付けられると説明した。また、豪国民の入国制限はまだ解除しないと述べた。今週は住宅建設許可、乳製品オークション価格、雇用統計、企業信頼感などの発表がある。

テクニカル分析

*ドル円「先週後半に3本の長い下ヒゲ」
日足、10月28日、29日、30日の長い下ヒゲで反発か。10月29日-30日の上昇ラインがサポート。10月26日-30日の下降ラインが上値抵抗。5日線下向き、雲の下。
週足、10月5日週の長い上ヒゲで下落。9月21日週-10月26日週の上昇ラインがサポート。10月19日週-26日週の下降ラインが上値抵抗。雲の下、ボリバン下限。
月足、3月-10月の上昇ラインがサポート。ボリバン下限下抜きからはバンド内へ戻す。9月-10月の下降ラインが上値抵抗。雲の下。
年足、4年連続陰線。16年-19年の上昇ラインは再び下抜く。16年-17年の下降ラインが上値抵抗。

*ユーロドル「10月27日の上ヒゲ効きボリバン下限、月足上ヒゲ長い」
日足、先週は全日陰線の弱さでボリバン下限を下抜く。10月27日の上ヒゲ効く。10月29日-30日の下降ラインが上値抵抗。5日線下向き、雲の下。
週足、9月28日週-10月19日週の下降ラインを上抜く。5月18日週-10月26日週の上昇ラインがサポート。10月19日週-26日週の下降ラインが上値抵抗。ボリバン中位。
月足、9月は漸くボリバン上限からバンド内へ戻す。10月は長い上ヒゲの陰線で雲の下へ。6月-7月の上昇ラインがサポート。9月-10月の下降ラインが上値抵抗。
年足、2年連続陰線。18年-19年の下降ラインを上抜く。02年‐17年の上昇ラインがサポート。14年‐18年の下降ラインも上抜く。11年‐14年の下降ラインが上値抵抗で上昇を阻む。

*ユーロ円「ボリバン下限下抜く」
日足、先週は全日陰線の弱さでボリバン下限を下抜く。10月29日-30日の下降ラインが上値抵抗。5日線下向き、雲の下。
週足、10月12日週-19日週の上昇ラインを下抜きボリバン下位に。10月19日週-26日週の下降ラインが上値抵抗。5月4日週-10月26週の上昇ラインがサポート。
月足、9月はボリバン上限から反落。10月も陰線。5月-10月の上昇ラインがサポート。9月-10月の下降ラインが上値抵抗。
年足、2年連続陰線。今年は陽転するもほぼ寄引同時まで縮小。18年-19年の下降ラインを上抜く。16年-20年の上昇ラインがサポート。15年-18年の下降ラインが上値抵抗。

情報提供元:FX湘南投資グループ
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