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指標改善と二つのリスク選好で一段高もボリバン上限から反落

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総括

指標改善と二つのリスク選好で一段高もボリバン上限から反落

予想レンジ 4.7-5.2

(通貨10位、株価12位)

(ポイント)
*政策金利はインフレ上昇もあり据え置きとなった
*10月の企業信頼感指数、製造業PMI、消費者信頼感指数といずれも改善
*10月消費者物価は依然4%越え
*10月自動車生産は増加
*フィッチは格付け据え置き
*大統領はまだ親米大統領に祝辞送らず
*3Q・GDPは前期比12.0%増
*10月は月間最強通貨
*中国製ワクチン治験実施
*貿易黒字がペソを支えている
*雇用はやや改善
*海外からのメキシコ向け投資や送金は増加
*中銀によればここまでの景気回復は外部セクターに依存
*政府は、総額2970億ペソのインフラ投資計画を発表
*中銀が発表した調査では、20年の実質経済成長率はマイナス9.97%
*中銀は流動性供給を延長
*債務拡大でソブリン格付けの引き下げも話題になり始めている
*大統領は経済が4月と5月に「底を打った」と指摘
*対米貿易依存度が頗る高い

(政策金利)
中銀は政策金利を4.25%で据え置いた。新型コロナウイルスの感染拡大懸念はあるが、インフレ率が中銀の政策目標の上限を上回って推移していることで据え置きとなった。
 5人の委員のうち1人の委員は0.25%の利下げを主張した。
中銀は「経済活動は新型コロナの感染拡大前の水準に戻っておらず、不確実性や下振れのリスクがある」と指摘した。

(10月消費者物価は)
 10月の消費者物価指数は、前年同月比4.09%上昇した。中銀の政策目標の上限である4%を3カ月連続で上回った。2019年5月(4.28%)以来の高い上昇率となった。天候不順で野菜や果物の価格上昇が目立った。中銀は9月まで11会合連続で利下げを実施し、政策金利は4.25%となった。今回の局面での累計引き下げ幅は4%に達していた。

(指標改善と二つのリスク選好報道で一段高もボリバン上限から反落)
 10月は月間最強通貨、11月第1週は漸く5円のせとなっていたところから、さらに上放れた。バイデン米大統領の誕生で米国と世界の外交関係が改善される期待や米製薬大手ファイザーが新型コロナウイルス感染症ワクチンの治験で感染を防ぐ有効率が90%を超えたと発表したことでリスク選好が大きく進み、ペソは5.24円をつけた。先週はメキシコ国内の経済指標が良かったことも背景にある。10月の企業信頼感指数、製造業PMI、消費者信頼感指数といずれも改善した。貿易収支も黒字が続いている。米国のメキシコ人労働者からの送金もペソ買いを支えた。今年の海外からメキシコへの送金額は約400億ドルと、過去最高水準に達する見込みだ。

(10月の自動車生産台数)
10月の自動車生産台数は34万7829台と、前年同月比9%増えた。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う工場の稼働停止から回復しており、2020年で最多となった。

(フィッチ 格付け据え置き)
フィッチは、メキシコのソブリン格付けをジャンク(投機的)等級を1段階上回る「BBBマイナス」で据え置き、見通しを「安定的」とした。
フィッチは「比較的弱いガバナンスと抑制された長期的な成長」の制約を依然として受けていると指摘。「2020年の成長率がマイナス8.9%と、前回の格付け見直し時点の2倍の落ち込みになると予想する」とした。
フィッチは4月、メキシコ経済について、今年少なくとも4%のマイナス成長になるとの予想を示していた。メキシコの公衆衛生と経済は新型コロナのパンデミックによって大きな影響を受けているとも指摘。短期的には債務水準はコロナ危機前よりも高い状況が続く見込みだとした。その上で、税収が予想以上に伸びていることやメキシコが2020年の借り入れを最小限にとどめようとしていることに言及。緊縮政策を維持し、2022年に税制改革を実施すると予想した。

テクニカル分析

一時ボリバン上限上抜きも行き過ぎ感で反落

 日足、11月5日-6日の下降ラインを上抜き急騰、ボリバン上限3σも一時上抜く。ただボリバン上限からは行き過ぎ感もあり反落。次のサポートはボリバン中位の5.0か。11月11日-12日の下降ラインが上値抵抗。5日線上向き。
 週足、6月8日週-11月2日週の下降ラインを上抜き、一時ボリバン3σ上限に達した。9月28日週-11月2日週の上昇ラインがサポート。雲の上。
月足、6月-9月の下降ラインを上抜く。9月-10月の上昇ラインがサポート。ボリバン下位、雲の下。
 年足。16年-19年の上昇ラインを下抜く。15年-20年の下降ラインが上値抵抗。

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VAMOS MEXICO

メキシコ大統領はバイデン氏への祝辞を保留

 ロペスオブラドール大統領は、米国大統領選挙でバイデン候補が当選確実と報道されているが、「軽率な行動は取らず、全ての法的懸念事項が解決されるのを待ちたい」とし、バイデン候補への祝福を避けた。大統領はその理由について、「全ての選挙プロセスが完了しないうちに、候補のどちらかを祝福することはできないため」だと説明した。また、「トランプ大統領がわれわれを尊重し、内政干渉を行わなかったことに感謝している」とした上で、「バイデン候補とも10年以上前に会見したことがあり、悪い関係ではない」とも語った。「われわれは米国の共和党、民主党のどちらとも対立していない。ただ、思慮深い対応を取りたいだけだ」と述べ、トランプ大統領に配慮した態度、との憶測を否定した。
 一方、「レフォルマ」紙の調査では、「トランプ候補とバイデン候補のどちらが大統領としてメキシコに好影響を及ぼすか」という問いに対し、66%が「バイデン候補」、9%が「トランプ候補」、25%が「分からない」と回答している。

情報提供元:FX湘南投資グループ
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