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2021年の各通貨の基調

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総括

2021年の各通貨の基調

あけましておめでとうございます

ドル円=101-105、ユーロ円=124-129 、ユーロドル=1.20-1.25

通貨ごとの注目ポイント

*円「通貨6位、株価4位、2016年から伸びのない円高が続く。消費喚起策が出れば円安に転じる」
2020年のドル円年足は陰線、これで2016年から5年連続陰線となった。ただ主要12通貨全体では6位。コロナ感染でのリスク回避では円は20世紀のような避難通貨にはならなかった。日本への信頼感が低下したということよりも、貿易黒字の減少が大きく影響している。かつての年間黒字10兆円超えということはなくなり、黒字でも赤字でも小幅にとどまっているからだ。依然として経常黒字は大きいが円転しない外貨準備の利息などが含まれているので大きな円買いには繋がらない。
 貿易は輸出入ともに減少しているので今後も日本の貿易収支は絶対値で小さいものとなる。中国やユーロ圏の膨大な貿易黒字に大きく引き離されることは今後も続く。ただ通貨全体ではやや円安気味に推移していることは景気浮揚、株価に良い影響を与える。一段の円安にするには消費の喚起が必要だが政府にその積極性は見られない。2016年から続くマイナス金利政策や消費増税も消費減退(円高)に繋がっている。
 コロナ感染への対応は紆余曲折ありながら前進しワクチンの接種へと向かっている。緊急事態宣言は出されるのだろうか。時折、コロナ感染での悪材料でリスク回避の円買いに繋がることはあるが、実需の円買いは小さいのでドル円を売った参加者は自己で買い戻す必要があり、円高は一気には進まず、ゆっくりとしたものとなる。可能性は薄いが政府が消費を喚起し輸入増に繋がる政策を打ち出した時は円安となる。日銀の円売り介入はG20で介入が原則禁止となっているだけに難しい。口先介入か、GPIFや機関投資家に行政指導で海外投資を促す程度に留まる。伸びのない円高が続く。消費喚起策が出れば円安に転じる。

*米ドル「通貨9位、株価(NYダウ)7位、米株価の回復、米経済の回復、政治の混乱とドルの強弱は関係がない」
トランプ政権はまだ選挙の敗北を認めていないが、結果を覆す根拠はないようだ。
 コロナ感染と2012年のギリシャ危機と似ているところがあった。原因と現状が把握されれば前に進む。それが世界の株高に繋がったのだろう。ギリシャ危機は格付け会社が格下げをしたところから回復し始めた。格下げをする判断が出来ると言うことは現状を把握したということで最悪から脱出できるきっかけとなる。コロナ感染も原因が解明され、「必要最低限の対策としての人に接しない」となり先が見え始めた。もちろんそれが出来ない国は今も感染が拡大している。エスキモーのような引きこもり生活が出来れば命を落とすことはない。あとはワクチンの接種を待つだけだ。
 ただ株価の回復や米国経済の回復とドルの強弱は関係がない。あくまでも貿易需給に基づく。トランプ政権は中国へ関税を課したが、中国は対米貿易のみならず輸出入ともにコロナ禍でも拡大した。貿易は個々の民間の最大利益追求で行われており政府の強制策で流れは変わらないだろう。かつて日本に円高や米国からの輸入を強要したことがあったが、現在も米国の貿易赤字は拡大している。ドルを下げても拡大している。いくらでも海外から輸入できるのは米国の消費力の強さだが、輸入拡大はドル安に他ならない。
 バイデン新政権になれば、対中への厳しい要求は変わらないが対話の機会が増えて、トランプ氏のいきなりなぐりつけるような態度での対中関係悪化はないだろう。対中関係のみならず世界との外交がスムーズに動いていく。景気は回復する。ドルは弱いままだろう。

*ユーロ「通貨3位、株価9位(DAX)、ドイツが引っ張るユーロ圏の強さ」
2020年はユーロが通貨3位、独DAX株価が9位となった。ただコロナ感染を受けて成長率は低い。それでもユーロ圏の貿易黒字は膨大で2020年では1800億ユーロに近づくのではないか。その殆どをドイツが叩き出す。ドイツの貿易黒字が安定しているならばユーロも底堅く推移しよう。またEUは貿易拡大も目指している。EUと中国は長らく交渉していた投資協定で合意した。2022年の早い時期に発効する可能性がある。
 自動車から電気通信に至る中国産業への投資アクセスが拡大する。EUはこれまで、FTAの前に投資協定が先だと主張してきた。懸念はメルケル首相退任後にすぐ信頼されるリーダーが出てくるかどうか。
さてユーロがさらに上昇した時にはデフレ深刻化を防ぐため当局からユーロ高牽制が発せられるが、実際に介入するのはかなり難しい。通貨は上げても下げても利害関係者がいる。それを抑えても一方的に介入は出来ない。またG20では原則介入は禁止でもある。ユーロ発足後、ユーロ買い介入の実績はあるが、1ユーロ=1.6ドルにのせても売り介入はなかった。ユーロはスイスとともに歴史的にもみて強い通貨である。
 さてワイトマン独連銀総裁は、新型コロナウイルスのパンデミック下で経済を支えるため公的債務の拡大を強いられたユーロ圏諸国はECBが永遠に低金利を維持すると期待すべきではないと警告した。

*ポンド「通貨7位、株価16位、離脱の代償は大きいが今後も貿易黒字が持続できるかがポイント」
英国はEUから完全離脱した。2016年6月の離脱決定の国民投票から4年経った。その間、FT株価指数は僅か2%弱の上昇に留まった。一方ナスダックは162%、NYダウは70%、独DAXは34%、日経平均は69%の上昇であっただけに離脱に関わる混乱の代償は大きい。ポンドは対ユーロで7.1%、対ドルで8.8%、対円で11.6%下落した。今後は総額9000億ドルの貿易の約半分を占めるモノの貿易については、自由な移動が維持され、関税や割当枠も設けない。しかしモノの移動は通関作業など管理の対象となり、手続きがこれまでよりも増えて大きな混乱が予想される。
 ただこのところの英国の貿易収支は黒字の月が多い。英国と言えば貿易赤字が代名詞であったので意外だが、コロナ感染の影響で、消費が減退し輸入が減少したものと思われる。貿易黒字が持続できれば、かつてのような大幅な下落はないだろう。コロナ感染で深刻な状況から復活できた時の貿易収支に注目したい。超短期であるがポンド円の注文は買いがやや多い。

*豪ドル「通貨首位、株価13位、2020年は通貨番付で首位、21年も継続しよう」
2020年は通貨番付で首位となった。中国貿易依存度が高い。その中国の景気回復で資源価格が上昇し、輸出が増加し豪ドルを支えた。貿易収支も黒字基調を継続した。コロナ感染では厳しい抑制策で乗り切りそうだ。従来からの厳しい財政運営も評価されている。また住宅価格の上昇で、マイナス金利への思惑も後退した。
 コロナ感染発症の地とされている中国武漢を調査すべしと豪政府が訴えたことで対中関係は悪化しているが、中国も必要な資源は豪からの輸入を続けている。バイデン新政権で米中関係が改善すれば、豪中関係も追随するだろう。

*NZドル「通貨5位、株価5位、順調に回復へ向かう」
コロナ感染抑制ではアーダーン首相の厳しい抑制策で抑え込んだ。世界でも高く評価されたコロナ感染の封じ込めに成功したほんの一握りの国の1つだ。その勢いで総選挙も勝利し安定政権が続いている。経済の立て直しも中国景気の回復に連れ順調に進んでいる。
住宅価格の急騰で、これ以上の利下げは難しくなったこともNZドルを支えた。3Q・GDPは、前期比14.0%増と、過去最大の伸びを記録した。新型コロナウイルスの感染抑制策が緩和されたことが寄与した。
 市場では真のV字回復を達成したも同然だと評価されている。全業種で活動が大幅に拡大し、8月のオークランドでの感染第2波の影響も限定的だった。企業や学校、省庁などの活動はほぼコロナ前の状態まで戻っている。

テクニカル分析

*ドル円「5年連続陰線だが、まだ16年の安値を下抜けない静けさ」
日足、ボリバン中位を越えられず下限まで下落。12月30日-31日の上昇ラインがサポート。12月30日-31日の下降ラインが上値抵抗。5日線下向き。
週足、ボリバン2σ下限の102.81に近い。12月14日週-28日週の上昇ラインがサポート。12月14日週-28日週の下降ラインが上値抵抗。なかなかボリバン中位を上抜けない20年後半であった。
月足、ボリバン3σ下限の102.22に近づいてきた。20年3月-12月の上昇ラインがサポート。20年11月-12月の下降ラインが上値抵抗。
年足、2020年で5年連続陰線となった。ただ陰線開始の16年の安値98.45ををまだ下抜いていない。19年-20年の下降ラインが上値抵抗。12年-20年の上昇ラインがサポート。

*ユーロドル「ボリバン上限から小反落」
日足、ボリバン2σ上限から反落。12月25日-31日の上昇ラインがサポート。12月30日-31日の下降ラインが上値抵抗。雲の上。5日線上向き
週足、ボリバン2σ上限で一服。12月21日週-28日週の上昇ラインがサポート。
月足、ボリバン3σ上限。11月-12月の上昇ラインがサポート。雲上へ。
年足、18年-19年の下降ラインを上抜く。17年‐20年の上昇ラインがサポート。11年‐14年の下降ラインも上抜きそうだ。

*ユーロ円「ボリバン上限から反落」
日足、ボリバン上限から反落。ボリバン中位へ。12月28日-31日の上昇ラインがサポート。12月30日-31日の下降ラインが上値抵抗。5日線下向き。
週足、ボリバン2σ上限越えられず。12月14日週-28日週の上昇ラインがサポート。12月28日週は長い上ヒゲ。
月足、ボリバン2σ上限へ。雲に抵抗される。11月-12月の上昇ラインがサポート。
年足、18年-19年の下降ラインを上抜く。16年-20年の上昇ラインがサポート。15年-18年の下降ラインが上値抵抗。

情報提供元:FX湘南投資グループ
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