“第46代米国大統領。”

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1月20日、民主党バイデン氏が第46代米国大統領に就任した。

前大統領のドナルド・トランプ氏が就任式に欠席するなど異例の新政権のスタートとなったが、危惧された就任式への妨害も無く、ほっと一息か?

ニューヨーク株式市場の騰勢は続き、ダウは先週付けた史上最高値の31,188.38ドルから多少下げたものの、ナスダックは3日連騰して史上最高値を更新し、S&Pも最高値近辺で堅調に推移している。

市場はバイデン政権による1兆9千億ドルに上る大規模財政支出やパウエル議長によって再確認されたFRB.による金融緩和政策継続により、株高トレンドは続くものと確信している模様である。

思い起こせば2016年11月、民主党クリントン候補対共和党トランプ候補の一騎打ちで、選挙前の市場の前評判では“どっちもどっちだが、クリントンが勝てば金融市場には大きな波乱は起きず、トランプが勝てば金融市場は大混乱になって株もドルも大きく下げるであろう。”との見方が多かった。
そして何が起きたかと言うと、トランプの当選が確実視されだした東京時間2016年11月9日午後、株価は一瞬下げたがその後殆ど調整が無いまま2018年春までダウ平均は上がり続けた。
ドル・円相場も株価と似た様な動きを見せ、選挙開票当日に安値101.19を付けた後はひと月もしない内にここ4年内の高値である118.66まで急騰した。

実は今回の民主党バイデン対共和党トランプの対決で、昨年秋までは“バイデンが勝てば金融市場は大混乱になる。”との市場の間違った(?)Perception.=(見識。捉え方。)が市場に蔓延ったが、選挙が近づくにつれて“どちらが勝っても大規模財政支出と金融緩和政策は行われ、株価は上昇する。”とのPerception.に変化した。

そしてバイデン新大統領が誕生した今、市場のそのPerception.は益々強固なものになりつつある感じがする。

さて市場のこの浮かれたPerception.に盲点は無いのだろうか?
国内的には新大統領が誕生して100日間はハネムーンと称するご祝儀期間が有って新バイデン政権に対する批判は大したことはないかも知れないし、市場も寛容的に受け入れる可能性が大であろう。
(注:ハネムーン期間とは、近代の民主主義政治において、政権交代後の新政権の最初の100日間のことを指す。発足直後の新政権は一般的に高い支持率を示す傾向があり、新政権の最初の100日と国民・マスメディアの関係を新婚期(蜜月)の夫婦になぞらえて名付けられた。アメリカ合衆国では報道機関のみならず野党も、この100日間は新政権に対する批判や性急な評価を避ける紳士協定がある。=(ウィキペディア)

只、国際的にはそんなものは通用しない、特にトランプ政権に煮え湯を飲まされ続けた習近平が率いる中国共産党政府には。

今回の米大統領選挙のごたごたを中国がほくそ笑んでいたことは間違い無いし、アメリカの政権移譲の空白期間を利用して東アジアの覇権のイニシアティブを取ろうと画策するであろうことは目に見えている。

そんな矢先、23日に中国軍の戦闘機など計13機、24日には戦闘機、爆撃機や対潜哨戒機の計15機が台湾の防空識別圏(ADIZ)に侵入する事件が起きた。
米国務省は23日に“台湾が十分な自衛能力を維持するよう支援していく。”との声明を公表したが、米中関係の焦点の一つである台湾問題で、バイデン政権がトランプ前政権の強硬路線を引き継ぐか注目される。

焦点の一つであると述べたのは、他にも懸念事案として香港問題と新疆ウイグル自治区の人権問題が存在するからだ。
これらに関しては米議会内で共和、民主を問わず対中強硬路線を敷くことを許容しており、バイデン新大統領もその方針を踏襲することは間違いなかろう。

我が国にとっても中国の動きは大いに気になるところである。
先週終わった中国全人代で我が国の固有の領土である尖閣諸島に頻繁に領海内に侵犯を繰り返す海警局の船に対して火器の使用を認めた。

今まで何回か尖閣諸島の領海内で操業中の我が国の漁船を海警局の船(公船と呼ばれている。)が追い掛け回し、我が国の海上保安庁の巡視船が中に割って入るという事態が起きたが、今後漁船や巡視船に対して発砲する事も考えられる。
そうなった場合、海上保安庁の巡視船は反撃するのであろうか?

先週、我が国の岸防衛大臣が就任したばかりの米国のオースティン国防長官と、バイデン政権発足後、日米の閣僚同士による初めての電話会談を行い、米国の対日防衛義務を定めた日米安全保障条約第5条は沖縄県・尖閣諸島にも適用され、同諸島での日本の施政権を損なおうとする“いかなる一方的な行動にも反対する。”ことを確認したが、これは中国海警局と我が国の海上保安庁との衝突の可能性とは次元の違う問題である。

現在の“いいとこ取り。”とも言える株式市場が変調をきたすきっかけとなるのは、中国発の地政学的リスクの勃発ではなかろうか?

その時の為替市場の反応は今流行りの“リスク・オフのドル買い”=(リスクを取りたくないので、安全資産のドルを買う。)”になるのか、或いは逆に“リスク・オフのドル売り”=(リスクを取りたくないので、米中問題の片割れである米国の通貨のドルを売る。)になる可能性も有るのか?
 
今暫くはバイデン新政権の対中国政策の成り行きを見守りたい。

ドル・円は90日移動平均線(104.40近辺)を高値と意識し、我が国金融当局が気にする103円割れを安値と意識したレンジ相場が続きそうである。


高値近辺での突っ込み買い、安値近辺での突っ込み売りを戒めながら、レンジ取引を意識したい。

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