「2021年の英国3大テーマ」ポンド見通し 松崎美子

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▼注目点1:スコットランド独立問題 
▼注目点2:ワクチン接種と集団免疫達成の時期
▼注目点3:マイナス金利の有無
▼ポンド見通し

2021年、ポンドを取引する上で気をつけたい点は、以下3点である。

注目点1:スコットランド独立問題

2021年5月6日、スコットランド自治政府で総選挙が実施される。スタージョン自治政府首相率いるスコットランド国民党 (SNP党) が50~55%以上の得票数を獲得した場合、英最高裁に独立の住民投票実施の許可を得るため訴訟を起こすことが確実視されている。最高裁がどういう判決を下すかはわからないが、住民投票実施を認めるという意見がコンセンサスとなってきた。

どうして英国の最高裁が間に入るのかと言えば、自治政府であるスコットランドが住民投票を実施するには、中央政府の承認が必要となる。当然、ジョンソン首相は許可を与えるつもりはなく、住民投票実施を思いとどまるよう、何らかの特別待遇を与えるか、スコットランドをEUに再加盟させないようプレッシャーをかけるなどの手を打ってきそうだ。既に政府は対応策を某コンサル会社と共同でまとめており、住民投票実施を阻止するには、脅しをかけるより協力と理解を前面に押し出し、どうにか思い留まらせる方法が有効であるという結論になったらしい。

スタージョン首相は、小学生高学年から当時のサッチャー首相に憧れ、政治家を目指した。当時のスコットランドでは失業者問題が深刻であり、どうして自分の住む国の労働問題を、遥か遠くのロンドンの議会が決定するのか?そこに大きな疑問を抱いたそうだ。その時からスコットランド独立を訴えてきた根っからの独立信仰者である。

2014年9月19日に実施された独立を問う住民投票では「独立賛成 44.7%、反対 55.3%」で独立反対が勝利。その後、SNP党は選挙のたびに議席数を増やしながら順調に地盤を固め、とうとう今年の選挙で改めて独立に向けた第一歩を踏み出そうとしている。

注目点2:ワクチン接種と集団免疫達成の時期

2020年12月から欧州では1番早くワクチン接種がスタートした英国。1月22日現在で、約500万人の高齢者が1回目のワクチン接種を終え、夏頃には集団免疫が実現しそうな勢いである。

注目点3:マイナス金利の有無

3回に及ぶロックダウンの影響で、経済への打撃は相当酷い。実際に住んでいて感じるが、もしかしたら既に破綻寸前かもしれない。

もしワクチン接種が予定通りに進まなかったり、ロックダウンが長期化した場合は、英中銀のマイナス金利導入リスクが浮上する

ご存知のように、英中銀の金融政策は多数決で決定される。マイナス金利については、外部理事4名全員が賛成。英中銀関係者5名は反対か保留。そのため、中銀関係者の1人がマイナス金利に賛成すれば、5対4で決定となるリスクが残る。

今後は、理事達の発言内容の変化を見るためにも、要人発言をしっかりチェックすべきであろう。

英中銀理事 マイナス金利見通し

2021年のポンド相場

私は昨年からポンドは買い目線で見ている。最も興味があるのがユーロ/ポンドでのポンド買い。次が、もし世界規模で集団免疫が達成されれば、ポンド/スイスフランでのポンド買いを考えている。

もちろん実体経済が悪いことは紛れもない事実であり、思わぬタイミングでポンドが大きく売られ、足をすくわれる局面は覚悟している。

例えば、ユーロ/ポンドであれば、添付チャートの黄色い部分。0.91~93台は、いつもヒゲで終わる。ここを狙うのは効率が良いだろう。

ユーロポンド 週足

ポンド/スイス・フランについては、水色のハイライトが通る1.16~1.18で買いを考えている。

ポンド/スイスフラン 週足

f:id:gaitamesk:20191106165135p:plain 元外銀ディーラー
松崎 美子(まつざき・よしこ)氏
1988年に渡英、ロンドンを拠点にスイス銀行・バークレイズ銀行・メリルリンチ証券で外国為替トレーダーとセールスを担当。現在は個人投資家として為替と株式指数を取引。ブログやセミナーを通して、”ロンドン直送”の情報を発信中。

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