「ドル安一服でクロス円は方向感出にくい展開」外為総研 House View ポンド/円・豪ドル/円 2021年2月

【外為総研 House View】

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目次

▼ポンド/円
・ポンド/円の基調と予想レンジ
・ポンド/円 1月の推移
・1月の各市場
・1月のポンド/円ポジション動向
・2月の英国注目イベント
・ポンド/円 2月の見通し

▼豪ドル/円
・豪ドル/円の基調と予想レンジ
・豪ドル/円 1月の推移
・1月の各市場
・1月の豪ドル/円ポジション動向
・2月の豪州・中国注目イベント
・豪ドル/円 2月の見通し

ポンド/円

ポンド/円の基調と予想レンジ

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ポンド/円 1月の推移

1月のポンド/円相場は139.516~143.954円のレンジで推移し、月間の終値ベースでは約1.7%上昇した(ポンド高・円安)。前年末に英国と欧州連合(EU)が通商協定を結び「合意なき離脱」を回避した事を好感した動きが継続。月初の押し目も140円台割れでは買いが優勢となり下げ渋った。

世界的な株高を背景に12日には142円台へ上伸。中旬以降は伸び悩む場面もあったが、対ユーロでのポンド高などを支えに底堅さが目立った。下旬は、米国を起点に主要国の株価が不安定化したが、ポンド買いの流れは途切れず29日には143.954円前後まで上値を伸ばして約11カ月ぶりの高値を付けた。

なお、英国では新型コロナウイルスワクチンの接種率が他国を大きく上回っている事から、感染収束から経済回復へのピッチが他国より速まるとの期待も浮上した。

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出所:外為どっとコム

4日
英国のジョンソン首相は新型コロナウイルスの感染拡大防止に向けてイングランド全土で5日からロックダウン(都市封鎖)を実施すると発表。学校閉鎖や市民の自宅待機などの行動制限は少なくとも2月15日まで続けられる事になった。

5日
英国のスナク財務相は、新型コロナ対策のロックダウン(都市封鎖)に絡んで、小売り業者などに最大9000ポンドの補助金を配布する総額46億ポンドの追加支援策を発表。これを受けて英国株やポンドは下げ渋った。

12日
ベイリー英中銀(BOE)総裁はマイナス金利について「多くの問題がある」などと述べ、導入に否定的な見解を示した。また、マイナス金利を導入すれば、銀行の収益率確保に向けた取り組みが複雑になり、企業向け融資に悪影響が及ぶ可能性があると指摘。これを受けてポンドは上昇した。

15日
英11月国内総生産(GDP)は前月比-2.6%(予想-4.6%)、同鉱工業生産は前月比-0.1%(予想+0.5%)、同貿易収支は160.12億ポンドの赤字(予想114.00億ポンドの赤字)であった。

20日
英12月消費者物価指数は前月比+0.3%、前年比+0.6%と予想(+0.2%、+0.5%)を小幅に上回った。エネルギー・食品・アルコール・タバコを除いたコア指数は前年比+1.4%(予想+1.3%)だった。

22日
英12月小売売上高は前月比+0.3%と予想(+1.3%)を下回った。前月の大幅な落ち込み(-4.1%)からの回復は鈍かった。英1月製造業PMI・速報値は52.9(予想53.6)、同サービス業は38.8(予想45.0)となった。新型コロナウイルスの感染拡大に伴うロックダウン(都市封鎖)の影響でサービス業PMIは2020年5月以来の水準に低下した。ジョンソン英首相は、英国で流行している新型コロナウイルスの変異株について、「感染力が強いだけでなく、より高い死亡率に関連している可能性を示す証拠がある」と発表。「変異株の影響で医療体制が逼迫している」として警戒を呼び掛けた。

26日
英12月失業率は7.4%(前月7.3%)、同失業保険申請件数は0.70万件(前月3.81万件)であった。なお、英9-11月ILO失業率は5.0%と予想(5.1%)を下回ったが、前回(4.9%)から上昇した。

1月の各市場

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1月のポンド/円ポジション動向

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【情報提供:外為どっとコム】

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2月の英国注目イベント

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ポンド/円 2月の見通し

2月のポンド相場では、4日の英中銀(BOE)「スーパーサーズデー」が最大の見どころとなろう。ブルームバーグによると、BOEは新型コロナウイルスの蔓延で打撃を受けた景気を浮揚させるためにマイナス金利を活用すべきかどうかの議論に向けて大きな一歩を踏み出す準備を進めているとの事だ。

また、BOEは2月第1週に、マイナス金利をどのように実践し得るかについての意見公募に対する160件の詳細な回答を公表する模様。声明(政策金利)発表、議事録公表、金融政策報告(旧インフレレポート)公表、総裁会見が行われる4日の「スーパーサーズデー」でマイナス金利導入の機運が高まればポンドは下落しそうだ。ポンドは対円でほぼ1年ぶり、対ドルでは約2年9か月ぶりの高値圏で推移しているだけに、下げ幅が大きくなる可能性もある。

もっとも、BOEのベイリー総裁は1月の講演で、マイナス金利について「単純な経済学・計算に基づけば妨げるものは何もない」とした上で「だが、多くの問題がある」と述べて、銀行に打撃を与えかねないと指摘した。現時点では市場におけるマイナス金利導入の織り込みが進む公算は小さいと見られ、ポンド相場は底堅い展開が続きそうだ。

豪ドル/円

豪ドル/円の基調と予想レンジ

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豪ドル/円 1月の推移

1月の豪ドル/円相場は78.848~80.924円のレンジで推移し、月間の終値ベースで約0.7%上昇した(豪ドル高・円安)。上旬は世界的に株価が上昇するリスクオンの流れに沿って豪ドル高が進行。8日には80.924円前後まで上昇して2018年12月以来の高値を付けた。ただ、その後は米長期金利の上昇などを背景にドルが買い戻される中、豪ドル/米ドル相場の上値が重くなったため伸び悩んだ。

下旬にかけては、主要国株価が不安定化する中で豪ドル/米ドルは下落したが、ドル/円が強含んだため豪ドル/円の下値は限られた。中旬以降は、豪ドル安と円安が綱引きする形となり、結果的に80.00円ちょうどを挟んで方向感なくもみ合った。

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<出所:外為どっとコム

5日
中国人民銀行が人民元相場の対ドル基準値を元高・ドル安方向に設定した事や、石油輸出国機構(OPEC)プラスの供給抑制合意で原油価格が上昇した事などから豪ドルはじり高となった。

6日
前日に投票が行われた米ジョージア州の上院決選投票で民主党の勝利が濃厚となった。バイデン新政権下で追加経済対策が速やかに決まるとの観測が広がる中、NYダウ平均が史上初めて31000ドル台に乗せるなど米国株が上昇。豪ドル/円も2019年4月以来の80円台に上伸した。

7日
豪11月住宅建設許可件数は前月比+2.6%と予想(+2.0%)を上回る伸びとなった。一方、豪11月貿易収支は50.22億豪ドルの黒字となり、黒字額は予想(64.00億豪ドル)を下回った。

14日
アジアタイムにバイデン次期米大統領がこの日発表する予定の追加経済対策案が2兆ドル規模になるとの観測報道が伝わると、日本株が上昇。豪ドル/円は株高の他、中国12月貿易収支が781.7億ドルの黒字(予想:720.0億ドルの黒字)となった事も追い風となった。

18日
中国10-12月期国内総生産(GDP)は前年比+6.5%と予想(+6.2%)を上回る伸びとなり、コロナ禍からの中国経済の回復が鮮明となった。また、中国12月鉱工業生産は前年比+7.3%と予想(+6.9%)を上回った。一方で、中国12月小売売上高は前年比+4.6%と予想(+5.5%)に届かなかった。

21日
豪12月雇用統計は新規雇用者数が予想通りの5.00万人増、失業率は6.6%と予想(6.7%)を下回った。新規雇用者数は前月(9.00万人増)から伸びが鈍った一方、失業率は前月(6.8%)から改善した。

22日
豪12月小売売上高は前月比-4.2%と予想(-1.5%)を下回って減少した。主要国株価が週末を前に弱含んだ事もあって豪ドルはじり安で推移した。

27日
豪10-12月期消費者物価指数は前年比+0.9%と予想(+0.7%)を上回った。豪中銀(RBA)が注目するトリム平均値は+1.2%、加重中央値は+1.4%となり、この結果基調インフレ率は前年比+1.3%(予想+1.15%)となった。これを受けて豪ドルは一時上昇したが、基調インフレ率がRBAのインフレ目標(2-3%)を大幅に下回っている事から買いは続かなかった。

1月の各市場

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1月の豪ドル/円ポジション動向

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【情報提供:外為どっとコム】

  • ※ データの更新は、NYC時に行われます(前営業日のデータが追加)。また、過去180日間のデータが表示されます。
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2月の豪州・中国注目イベント

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豪ドル/円 2月の見通し

豪中銀(RBA)は2月2日の理事会で金融政策の現状維持を決めた。ただ、4月中旬に終了予定の債券買い入れ(合計1000億豪ドル) を延長する事(追加1000億豪ドル)も併せて発表した。

RBAが声明文で示したように豪州景気は順調に回復していると見られる中、市場の一部には債券買い入れを予定通りに4月で終了させるとの見方もあった。それだけに、延長決定は意外感を持って受け止められ、その結果豪ドルは下落した。とはいえ、発表後1時間の下落幅は対円で30銭程度とそれほど大きくない。債券買い入れ延長がRBAの景気支援に対する強い意志の表れだとすれば、豪ドルにとってプラス材料と見る事もできるため、下値では買いが流入しやすいのだろう。現時点では、こうした底堅い動きが当面続くと見ておきたい。

ただし、豪州のインフレ率が低位で推移する中、豪ドルの上昇が続くようなら、RBAが通貨高けん制に動く事も考えられる。3日のロウRBA総裁の講演や、5日のRBA金融政策報告、16日のRBA議事録などにも注目しておく必要があるだろう。(神田)

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