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円最弱通貨へ。円安株高リスク選好

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総括

円最弱通貨へ。円安株高リスク選好

ドル円=102-107、ユーロ円=125-130 、ユーロドル=1.18-1.23

通貨ごとの注目ポイント

*円「通貨最下位(10)位、株価4(4)位、きっちり円安株高 ただ個人に潤い無し」
円はついに年初来最下位となった。昨年夏ごろからクロス円中心で円は安くなっていたが、今年に入ってはドル円も上昇したことで最弱通貨となった。日本にとっては朗報であり株高の原動力となっている。
2020年度の企業収益も予想ほど落ち込まないようだ。日銀の金融緩和と株買いが効いている。困ったことは、それがなかなか個人消費に結びつかないことだ。個人への景気刺激策は財務省が真っ先に反対してしまう。個人が裕福になってはいけないようだ。
 2020年の2人以上世帯の家計調査によると、1世帯当たりの月平均消費支出は27万7926円で、物価変動を除く実質で前年比5.3%減となった。新型コロナウイルスの感染拡大が響き、減少率は比較可能な01年以降で過去最悪となった。これまでは消費税率が5%から8%に上がった14年の2.9%減が最も悪かった。
 米金利、米株価の上昇、世界的なリスク選好で円安となってきた。外貨投信残高も30兆円を超えてきた。ワクチン購入為替もでているかもしれない。1月は貿易赤字になる月だがそれも円安を招いたのだろう。
 足を引っ張るものは、コロナ禍前の消費増税以来、落ち込んでいる個人消費。個人消費が伸びなければ輸入も伸びず、少額といえども貿易黒字のままであり円高要因となる。

*米ドル「通貨5(4)位、株価(NYダウ)9(12)位、米ドル上昇を阻むものは貿易赤字」
年初来、米金利の上昇で上げてきた米ドルも先週末一服した。米雇用統計が弱かったことや、2020年の貿易収支で、モノの貿易赤字は前年比5.9%増の9049億4千万ドルとなり2年ぶりに過去最大を更新したこともドル売り要因となった。財とサービスの貿易収支では6787億ドルの赤字。1日あたりに均せば約28億ドルのネットのドル売りが出る。米金利上昇だけのドル買いでは長期的にこのドル売りに勝てないゆえに変動相場制開始以降はドルは弱くなっている。
 ただ今年は1.9兆ドルの景気刺激策期待とそれに伴う米金利上昇でドルが一時的せよ買われている。ただ独歩高になるほどのものではない。2021年は世界的に景気が回復しリスク選好が起き、世界の金利も上昇するからだ。米金利の上昇でのドル買いも次第に新鮮味がなくなっていく。

*ユーロ「通貨10(7)位、株価8(13)位(DAX)米雇用の弱さと欧州インフレ上昇で下げ止まり」
先週末、ユーロドルはかろうじて雲の下に落ちず、ユーロ円は雲に入らず反発した。年初来、ユーロドルは安いが、ユーロ円は強い。全体では10位と弱いが、上位にはリスク選好のユーロより金利が高い通貨が並んでいる。今年は世界的に景気回復が進むのでリスク選好になり易い。高金利や資源国通貨の買いに対してマイナス金利のユーロや円は一時的だが売られる。もっとも最近のユーロ圏と日本の貿易黒字を比べるとはるかにユーロ圏が大きくユーロ円は下がりにくい。ただ直近の欧州指標は弱かったので対米ドルでは売られ、週末の弱い米雇用統計で戻した。
デギンドスECB副総裁は、ユーロ圏経済は新型コロナウイルス禍での生活に対応しているが、年初の成長率は従来想定を下回る可能性が高いと述べた。一方1月のユーロ圏消費者物価は前年比0.9%上昇し、伸び率は約1年ぶりの大きさとなったほか、予想の0.5%を上回った。過去4カ月間は0.3%の低下となっていた。エネルギーコストの上昇とドイツの増税が影響した。インフレ率は2%近くという目標を過去10年の大部分で下回っている。物価圧力が抑えられ、新型コロナウイルス流行に伴うリセッションが長引く中、ECBは向こう数年間の超緩和政策を約束している。しかし、たとえ一時的であったとしても物価が上昇すれば、異例の刺激策を正当化するのが一層困難になる可能性がある。
 ECB内でも今後の政策について意見が分かれている。ただ今年は昨年ほどの景気の落ち込みがないことは確実で、その点からは金融緩和からのユーロ売りは徐々に消え去っていく。

*ポンド「通貨3(3)位、株価13(9)位、EU離脱実現での過去の相場の巻き戻しがいつまで続くか」
意外と強い状態が続く。2016年のEU離脱国民投票から対ユーロで大きく下落、それが実際の離脱となり巻き戻しが起きている。中銀ベイリー総裁の「マイナス金利導入が近いわけではない」という発言や実際に長期金利が年初の0.2%から0.5%へ上昇していることもあった。外為どっとコム社の注文状況を見てもユーロに比しポンドの買い注文が多かったことは、世界の投機筋のポンドショート巻き戻しを示唆するものであった。アストラゼネカのワクチンへの世界中からの支払い代金でのポンド買いも気になるところだ。
 またコロナ感染問題では英国はいち早くワクチン接種者数が節目である1000万人を突破した。これは英国の人口の約15%に相当するもので専門家から感染のピークは過ぎたとの意見も出てきた。
ただ年初来上昇してきた株価指数とポンドであったが、先に株価が弱含んできた。金利上昇とポンド高に耐えれない脆弱さがあったかもしれない。
 今週は4Q・GDPや12月貿易収支が発表される。まだまだコロナ禍での弱い数字となるだろう。貿易収支も20年は一時消費の落ち込みで黒字となる月もあったが、このところは赤字が続いている。EU離脱実現でのこれまでの過去の相場の巻き戻しがいつまで続くかは貿易収支、注文状況、チャートに注目していきたい。まだ明確な売りサインは出ていない。

*豪ドル「通貨7位(9位)、株価5(8)位、気持ちと身体が違う通貨、金融緩和でも金利上昇、対中関係悪化でも貿易振興」
気持ちと身体が違う通貨である。中銀は数年にわたり大規模な金融支援が必要で低金利維持と主張するが、年初来で豪10年国債利回りは0.97%から1.25%へ上昇して豪ドル買いを支えている。コロナ発症問題で対中関係が悪化しているが、豪の中国への輸出は鉄鉱石やLNG価格の上昇で増加して、これも豪ドル買いを支えている。
 あまり当局の意図と異なり金利と豪ドルが上昇すると当局は実力行使に出るので注意したいが今のところは大丈夫だ。テクニカルで支えたのは20年3月月足の長い下ヒゲや20年年足の長い下ヒゲであった。
貿易黒字と住宅投資の拡大で豪ドル買いが入っている。テクニカルでは対ドル、対円で月足が雲の上に出るかどうか、既に日足や週足は雲の上に位置している。

*NZドル「通貨4(5)位、株価15(7)位、指標改善、金利上昇で強い」
NZドルはしっかりしている。好材料が続く。20年4Qの雇用統計は、失業率が予想外に改善し、賃金も増加した。失業率は、3Qの5.3%から4.9%に低下。失業者数は1万人減の14万1000人だった。
民間部門賃金は前期比0.5%、前年比1.5%、それぞれ増加した。また12月住宅建設許可は4.9%増で11月の1.2%から改善した。NZの主要輸出品である乳製品のオークション(フォンテラ社)では6回連続で価格が上昇した。対中FTAの強化もあった。10年国債利回りは年初の1.02%から1.40%へ上昇している。一時見られたマイナス金利導入観測は後退している。 ただNZドル高と金利上昇でNZ100株価指数は年初来0.29%安となっている。

テクニカル分析

*ドル円「ボリバン上限で8日ぶり陰線。調整あるか」
日足、20年6月16日以来の日足で雲の上へ。先週末は上ヒゲの長い陰線。陰線は8日ぶり。2月4日-5日、2月1日-4日の上昇ラインがサポート。ボリバン2σ上限。5日線上向き。
週足、1月11日週-18日週の下降ラインを上抜きボリバン2σ上限へ近づく。終値で中位越えは20年6月1日週以来。1月25日週-2月1日週の上昇ラインがサポート。
月足、1月は5か月ぶり陽線。11月-12月の下降ラインを上抜く。20年3月-21年1月の上昇ラインがサポート。ボリバン2σ内に戻す。ボリバン下位。
年足、2020年まで5年連続年足陽線だが、今年はここまで陽線維持。15年-20年の下降ラインが上値抵抗。15-20年の上昇ラインがサポート。

*ユーロドル「雲下に落ちず越週」
日足、雲下に落ちず越週。2月1日-5日の下降ラインが上値抵抗。雲中。ボリバン下位。5日線下向き。
週足、ボリバン2σ上限から反落し中位まで下落するも長い下ヒゲで先週は終える。1月25日週-2月1日週の下降ラインが上値抵抗。11月2日週-2月1日週の上昇ラインがサポート。
月足、ボリバン2σ上限から反落。11月-12月の上昇ラインを下抜く。7月-11月の上昇ラインがサポート。1月-2月の下降ラインが上値抵抗。雲の上。
年足、18年-19年の下降ラインを上抜く。17年‐20年の上昇ラインがサポート。11年‐14年の下降ラインも上抜きそうだが年初は陰線スタート。

*ユーロ円「雲上限を前に急反発」
日足、雲上限を前に急反発。ボリバン上位維持。1月29日-2月1日の下降ラインを上抜く。2月4日-5日の上昇ラインがサポート。5日線下向き。
週足、ボリバン2σ上限越えないが上限近辺で推移。1月18日週-25日週の上昇ラインがサポート。先週は長い下ヒゲ。1月4日週-25日週の下降ラインが上値抵抗。
月足、ボリバン2σ上限。雲に抵抗されるも雲中へ上昇。12月-1月、5月-11月の上昇ラインがサポート。18年2月-21年1月の下降ラインが上値抵抗。
年足、18年-19年の下降ラインを上抜く。16年-20年の上昇ラインがサポート。15年-18年の下降ラインが上値抵抗。

情報提供元:FX湘南投資グループ
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