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「メキシコ中央銀行のスタンスはハト派だがペソは安定」メキシコペソ/円 4月見通し YEN蔵

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▼メキシコの経済状況は弱含み
▼メキシコ中央銀行は次回会合では据え置きだが、スタンスはハト派
▼メキシコペソの予想

メキシコの経済状況は弱含み

前回のレポートに関しておさらいしてみましょう。2月11日にメキシコ中央銀行は政策金利を0.25%引き下げて4%としました
利下げの背景としては感染拡大による経済減速、インフレ率が中銀のインフレターゲットである3%±1%の範囲にとどまっていることが挙げられます。
最近のメキシコ経済をチェックしてみましょう。
3月9日に発表された2月の消費者物価指数は前月比0.63%上昇と前月の0.86%を下回り予想の0.59%を上回りました。前年比では3.76%と前回の3.54%、予想の3.72%を上回りました。依然として中銀の目標は下回っていますが物価がジワリと上昇し、これ以上上昇すると利下げスタンスから中立スタンスに変更する可能性はあります。
一方でメキシコの経済成長は停滞しています。3月12日に発表された1月の鉱工業生産は前年比-4.9%と12月の-2.1%、予想の-4.2%を下回りました。
3月2日に発表された2月製造業PMIは44.2と前月の43から悪化しました。
製造業に関しては米国の寒波がメキシコに影響を与えています。
テキサス州を襲った記録的な寒波と停電によってメキシコ湾岸沿いの化学プラントが操業停止に追い込まれて樹脂の供給が滞り材料不足で自動車工場の生産も止まりました。
また世界的な半導体の不足で自動車の生産が滞っています。日産自動車はメキシコのアグアスカリエンテス第1工場の生産を休止しており今週から再開の予定です。
ホンダも部品不足で米国、カナダの5工場に続いてメキシコでも生産を休止にしています。
トヨタも米国とメキシコで4工場の生産を一部休止しています。
このように主要な産業である自動車工場の生産休止はメキシコの生産に影響を与えています。今後生産が復活すれば徐々に採算が復活してくるものと思われます。

メキシコ中央銀行は次回会合では据え置きだが、スタンスはハト派

このような中で前回のメキシコ中央銀行の声明文では先行きに関して予断を持たずに中立スタンスとしています。
とはいえ前回の決定会合では全会一致での利下げとなったことを考えると、メキシコ中銀のスタンスはややハト派方向に傾いている可能性があります。
前回も書きましたが利下げ直後のペソの動きは落ち着いていましたが、その後はドル/メキシコペソが21.637ペソまでドル高・ペソ安になりました。ただこれは米長期金利の上昇によるドル高の影響が大きく、この時期は南アランドやトルコリラなど新興国通貨は総じてドル高・新興国通貨安となりました。
メキシコ中銀の利下げがペソ安を招いた(少しは影響があった可能性はありますが)可能性は低く、再びペソは上昇し始めました。
利下げにもかかわらずペソの動きが落ち着いていることはメキシコ中央銀行にとってはハト派の継続、再度の緩和の可能性を探る材料になります。
メキシコ中央銀行は経済の状況をインフレ率で注視しながら、もう一度の利下げを探っている状況だと思います。
次回3月25日の会合では据え置きで、あるとすれば5月13日の会合での利下げを予想します。

メキシコペソの予想

2月15日に1ドル=19.8920ペソまで下落しペソは高値となりましたが、3月8日に21.6371ペソまで上昇しペソの安値となりました。その後3月18日に20.28ペソまで下落しています。
20.09ペソに一目均衡表の雲が位置し短期的なサポートになっています。25日移動平均線が20.60、一目均衡表の基準線が20.76、転換線が20.93に位置しており、ここがレジスタンスとして機能しています。
ドル/メキシコペソは20.10~20.93のレンジを想定します。


ペソ/円は3月8日に5.018円付近まで下落しましたが、その後は円安の流れを受けて3月18日に5.372円付近まで上昇しました。
ここまで5.3円付近が昨年3月以降の戻り高値になっていましたが一時そのレベルを抜けました。
5.33円付近は2020年2月の高値6.011円~2020年4月の安値4.222円のフィボナッチ・リトレースメント61.8%戻しに当たります。
先週の高値5.37円が短期的なレジスタンスになっています。一方で5.2円付近には5.21に25日移動平均線、一目均衡表の転換線、5.20に一目雲の上限、5.19円に一目基準線が位置し、このレベルが短期的なサポートとなっています。このレベルが維持できれば5.19~5.37円のレンジが予想されます。
5.19円付近を下抜けすると200日移動平均線の位置する5.1円付近への下落を予想します。

メキシコペソ円 日足



メキシコペソ 特設サイト:
メキシコペソ(MXN)の特徴と今後の見通し│初心者にもわかるFX投資 | 外為どっとコムのFX

YEN蔵
株式会社ADVANCE代表取締役 米系のシティバンク、英系のスタンダード・チャータード銀行で、20年以上にわたり、為替ディーラーとして活躍。現在は投資情報配信を主業務とする株式会社ADVANCE代表取締役。ドル、ユーロなどメジャー通貨のみならず、アジア通貨をはじめとするエマージング通貨でのディーリングについても造詣が深い。また、海外のトレーダー、ファンド関係者との親交も深い。ブログ「YEN蔵のFX投資術」、メルマガ「YEN蔵の市場便り」で個人投資家に対して為替に関する情報を発信しており、人気を博している。