「堅調な動きが続くメキシコペソ」メキシコペソ/円 5月見通し YEN蔵

f:id:gaitamesk:20200529140801p:plain

▼メキシコ経済は一進一退
▼物価上昇が金融政策に与える影響は
▼メキシコペソは上昇トレンドを維持できるか

メキシコ経済は一進一退

メキシコ経済は素晴らしいと言うわけではありませんが、いくつかの良い兆候も表れています
8日に発表された3月の自動車生産台数は30万3545台となり前年同月比13%増加しました。30万台を上回るのは昨年11月以来で、米南部の寒波によるメキシコへの電力供給不足などで生産が落ち込んだ2月からは27%増加しています。
4月初めに発表されたIMF(国際通貨基金)の世界経済見通しでメキシコの今年の成長率を1月の4.3%から5%に引き上げました。2022年の予想も2.5%から3%に引き上げました。
9日に発表された2月鉱工業生産は前月比0.4%(前回0.2%、予想-0.5%)、22日に発表された3月の失業率は3.9%(2月4.4%、予想4.2%)、23日に発表された2月の小売売上高は前月比1.6%(1月0.1%)と徐々に経済は回復しています。

物価上昇が金融政策に与える影響は

メキシコ国家統計局は4月22日に4月前半の消費者物価指数を発表しました。前年比で6.05%の上昇となり3年4カ月ぶりの高い上昇率となりました。エネルギー、飲料、タバコなどの上昇が指数を押し上げました。
前月比でみると0.06%の上昇で変動の大きな食品とエネルギーを除くコア指数は前月比0.18%、前年比4.13%の上昇となりました。
今回の上昇は原油価格の上昇の影響も考えられ、今後の消費者物価指数の動きが注目されます。
メキシコ中央銀行は3月25日の会合で政策金利を予想通り4%に据え置きました。声明文では先行きに関しては予断を持たないで中立のスタンスと表明しました。
この時の決定が全会一致で据え置きとなったために、ここまで緩和スタンスだったメキシコ中銀が中立スタンスに転じた可能性もあり、そのことでメキシコペソが堅調になっている可能性もあります。
メキシコ中央銀行は2019年8月15日に8.25%から8%に利下げ以降緩和スタンスを維持していました。
・2019年9月26日 8→7.75%
・2019年9月28日 7.75→7.5%
・2019年12月19日 7.5→7.25%
・2020年2月13日 7.25→7%
・2020年3月20日 7→6.5%
・2020年4月21日 6.5→6%
・2020年5月14日 6→5.5%
・2020年6月25日 5.5→5%
・2020年8月14日 5→4.5%
・2020年9月25日 4.5→4.25%
・2021年2月12日 4.25→4%
となり、ここまで4.25%政策金利を引き下げています
3月25日の声明ではコアインフレの動きは直近の四半期報告の見通し若干上回っていると指摘しました。エネルギー価格の上昇の影響は一時的にとどまる、総合インフレとコアインフレ率は2022年第2四半期に目標の3%に向かっていくと指摘しました。
4月前半の消費者物価指数が3年ぶりの高い水準だったことはエネルギー価格の上昇などが原因だったのですが、メキシコ中央銀行にとっては難しいかじ取りになるかもしれません。ここまでメキシコ中央銀行が連続利下げで経済を刺激してこられたのは消費者物価指数が安定していたためで。しかし経済の回復前に物価が上昇してしまうと利上げに追い込まれる可能性もあります。
いまのところ中立姿勢が経済にとっては好条件ですが、今後は消費者物価とメキシコ中央銀行のスタンスが注目されます。

メキシコペソは上昇トレンドを維持できるか

ドル/メキシコペソは堅調に推移し一時1ドル=19.78425ペソと1月22日以来のドル安・ペソ高まで下落しました。米長期金利が低下したことによるドル安の恩恵も受けておりドル安・ペソ高のトレンドは継続しており、1月の安値19.55ペソを目指す流れです。
短期的には20ペソ付近に一目均衡表の転換線が位置しレジスタンスになっており、ここを上抜けしなければ下落トレンドは継続と予想します。ここが上抜けするといったん調整が入り25日移動平均線の位置する20.15ペソ、一目均衡表の基準線が位置する20.40ペソ付近への上昇を予想します。
ペソ/円は3月末にドル/円が110円台後半に上昇したこともあり、レジスタンスになっていた5.3円付近を上抜けして5.45円付近まで上昇し4月16日に5.471円の高値まで上昇しました。
5.4円付近に25日移動平均線が位置し、ここがサポートレベルとなり5.4~5.471円と高値圏でレンジとなっています。短期的な節目としては5.5円、そこを抜けると下落前にもみ合った5.6円付近への上昇を予想します
一方で5.4円が下抜けした場合は上昇トレンドがいったん終了し、一目均衡表の基準線が位置する5.32円、上昇前のレジスタンスとなっていた5.3円付近への下落を予想します

メキシコペソ円 日足


メキシコペソ 特設サイト:
メキシコペソ(MXN)の特徴と今後の見通し│初心者にもわかるFX投資 | 外為どっとコムのFX

yenzo_96_130.jpgYEN蔵
株式会社ADVANCE代表取締役 米系のシティバンク、英系のスタンダード・チャータード銀行で、20年以上にわたり、為替ディーラーとして活躍。現在は投資情報配信を主業務とする株式会社ADVANCE代表取締役。ドル、ユーロなどメジャー通貨のみならず、アジア通貨をはじめとするエマージング通貨でのディーリングについても造詣が深い。また、海外のトレーダー、ファンド関係者との親交も深い。ブログ「YEN蔵のFX投資術」、メルマガ「YEN蔵の市場便り」で個人投資家に対して為替に関する情報を発信しており、人気を博している。
●免責事項
本サイトに掲載する情報には充分に注意を払っていますが、その内容について保証するものではありません。また本サービスは、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものであって、投資勧誘を目的として提供するものではありません。投資方針や時期選択等の最終決定はご自身で判断されますようお願いいたします。なお、本サービスの閲覧によって生じたいかなる損害につきましても、株式会社外為どっとコムは一切の責任を負いかねますことをご了承ください。
top