「FRBは“出口”へ 新興国通貨は厳しい局面」メキシコペソ/円 7月見通し YEN蔵

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▼FOMC後の動きをおさらい
▼過去の米国の引き締め局面でメキシコペソはどのように動いたか
▼メキシコペソは安値を試しに行く展開か

FOMC後の動きをおさらい

先週は金融市場が注目した米連邦公開市場委員会(FOMC)が行われました。まずは結果のおさらいをしてみましょう。
市場が事前に注目していたのは3点でした。

,FOMCの利上げ開始時期(ドットプロット)

,テーパリングの議論開始時期は 

,短期金利に絡む技術的調整
その結果は

ドットプロットによると2023年1月の利上げ確率は90%、2023年中に2回利上げを織り込みはじめる。18人の当局者のうち過半数が少なくとも0.25%2回の利上げ、
テーパリングに議論を始めた、
インフレ率は今年3%予想、2022年2.1%、2022年2.2%と低下を予想しているが、高止まりの可能性も

となりました。

また、上記3点以外のトピックとして、2つが挙げられます。
声明ではインフレ率は一時的、雇用の最大化とインフレ率2%の目標達成までは緩和的な金融政策を維持する
IOER(超過準備の付利金利)を0.05%、翌日物リバースレポレートを0.05%ずつ引き上げ0.15%、0.05%としました。これは利上げではなく短期金融市場金利が行き過ぎて低下することを回避するための技術的措置
結果を見るとドットプロットで2023年の利上げ2回が予想されたことで、ややタカ派な結果だったといえるでしょう。

過去の米国の引き締め局面でメキシコペソはどのように動いたか

今回も同じように動くかどうかはわかりませんが、前回のFRBの引き締め局面を検証してみましょう。2013年5月22日(①)に当時のFRB議長であったバーナンキ氏はその当時の債券購入を減らし始めるとの見通しを示したことで金利が急騰、世界の株式市場や新興国の株式、通貨が急落しました。
リーマンショック以降、マーケットを支えていた量的緩和の縮小を示唆したことで市場がびっくりしてしまいました。この現象をテーパータントラム(癇癪・かんしゃく)と呼ばれました。
ドル/メキシコペソは5月9日に1ドル=11.94ペソまで下落後に5月22日は12.42ペソ(0.7%上昇)その後6月20日に13.46ペソまで上昇しました。2014年11月まで12.42~13.60ペソぐらいのレンジで推移していました。
テーパリングは2014年1月より開始されましたが、実際テーパリングが開始されるとドル/メキシコペソは比較的落ち着いた動きになりました。

ペソ/円は2012年6月1日(②)に5.33円まで下落しましたが、その後は上昇を続けて5月10日(③)に8.45円まで上昇していました。5月22日に発言があると下落を開始し6月20日(④)に7.22円まで下落しました。
その後ペソ/円は2014年10月までは7.22~8.26円のレンジで推移しました。
バーナンキ氏の後任のイエレンFRB議長は2014年10月のFOMCで量的緩和であるQE3を終了させました。
これを受けてドル/ペソは上昇を開始し15ペソ付近まで上昇し、2015年は17.50ペソ付近まで上昇しました。
ペソ/円はドル高、日銀緩和などでドル/円が115円台まで上昇したことで8.71円まで上昇(⑤)しましたが、その後は2016年11月(⑥)に4.878円まで下落するという下落トレンドが続きました。
前回の利上げ局面では緩和縮小示唆によってドル高・新興国安になりましたが、実際緩和終了や利上げが行われるまでは比較的落ち着いたマーケットが続きましたから、今回もそのような流れが予想されます。

過去の米利上げ時のペソ円

メキシコペソは安値を試しに行く展開か

ドル/メキシコペソは19.50ペソ付近がサポートされ反発し、FOMCを受けてレジスタンスになっていた20.30ペソ付近を上抜けして20.68ペソまで上昇しています。20.30ペソ付近がサポートされ3月の高値20.89ペソ、そこを上抜けすると21.63ペソへの上昇を予想します。
ペソ/円は6月9日の高値5.58円から5.315円まで下落しています。75日移動平均線の位置する5.4円、25日移動平均線が位置する5.45円付近がレジスタンスとなります。250日移動平均線、一目均衡表の雲の下限が5.25円付近に位置し、ここが短期的なサポートとして意識されます。
このレベルが維持できれば5.25~5.45円のレンジ下抜けした場合は3月8日の安値5円付近が視野に入るでしょう。
6月24日にメキシコ中央銀行の政策決定会合があります。今回4%に据え置きですが、今後はFOMCの決定をにらみメキシコ中銀の金融政策が注目されます。利上げがあるのかどうかペソにとっては重要なポイントになります。

メキシコペソ円 日足


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yenzo_96_130.jpgYEN蔵
株式会社ADVANCE代表取締役 米系のシティバンク、英系のスタンダード・チャータード銀行で、20年以上にわたり、為替ディーラーとして活躍。現在は投資情報配信を主業務とする株式会社ADVANCE代表取締役。ドル、ユーロなどメジャー通貨のみならず、アジア通貨をはじめとするエマージング通貨でのディーリングについても造詣が深い。また、海外のトレーダー、ファンド関係者との親交も深い。ブログ「YEN蔵のFX投資術」、メルマガ「YEN蔵の市場便り」で個人投資家に対して為替に関する情報を発信しており、人気を博している。
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