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「連続利上げは、無さそう」メキシコペソ/円 8月見通し YEN蔵

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▼メキシコ中銀のサプライズ利上げでペソ安は一旦収束
▼米国の引き締め局面では新興国通貨に下落圧力
▼それでもメキシコの利上げは一時的である可能性
▼ペソは堅調ながら、もみ合いに

メキシコ中銀のサプライズ利上げでペソ安は一旦収束

6月24日の会合でメキシコ銀行は政策金利を0.25%引き上げて4.25%としました。事前の予想では据え置きでしたが5名の理事のうち3名が利上げに賛成、2名が反対しました。今回の決定がサプライズだったのは前回5月13日の会合では利上げが近づいている兆候がなかったことです。
インフレに対する警戒感を示しましたが、来年4~6月に目標レンジの3±1%のレンジに収まるとの見通しを示していました。
また6月2日に公表された四半期インフレ報告書では、今回の物価の上昇の原因は商品価格の上昇にあり、物価の上昇も1年ほどたてば落ち着くとの見通しを示しました。このように6月前半の時点では、メキシコ中銀はインフレ率の上昇に関して懸念を示しつつも時間の経過とともに落ち着くと判断していましたが突然利上げに踏み切りました。
この間にメキシコ中銀がタカ派に変身した材料があるとすればFOMCの姿勢の変化でではなかったかと思います。
この間に6月15・16日にFOMCが開催され、ドルの強弱を示すドルインデックスは90.50から92まで上昇し、ドルメキシコペソは20ペソから20.78ペソまでドル高・ペソ安が進みました。

米国の引き締め局面では新興国通貨に下落圧力

FOMCを通過してドットプロット等でこれまで2024年以降の利上げ予想が2023年、もしかしたら2022年後半ではという思惑が広がったことがドルの上昇につながりました。特に新興国通貨はこれをきっかけに売られることになりました。メキシコペソ以外に南アランドは13.80ランドから14.40ランドに上昇、ドル/トルコリラは8.5リラから8.8リラに上昇しました。
新興国は海外からの資金流入に頼っているところがあります。特に経常収支が赤字の新興国にとっては短期資金の流入が重要です。米国が緩和局面では短期資金は新興国市場に向かう傾向がありますが、米国が利上げする局面では新興国市場から流出する傾向があります

それでもメキシコの利上げは一時的である可能性

結局FOMCを受けた市場の反応を受けてメキシコペソ安を防ぐための防衛的な利上げだった可能性が高いと思われます。それは今回のメキシコ中銀の利上げが不意打ちだったにもかかわらず声明はほとんど前回と同じもので、「先行きに関しては金融政策、インフレに影響を与える要因次第」と述べています。特段インフレに関して警戒感を持っている表現ではありません。このことからメキシコ中銀が引き締めスタンスにかじを切ったとは言えないと思います。今回の決定で2名の委員が反対していることからもそのように予想されます。
FOMC後はパウエルFRB議長が緩和的な姿勢を示し金融市場も落ち着き、FRBの利上げ予測も後退したことでドルの上昇が止まりペソの下落も止まりました。
今後はFRBの姿勢次第ですが、FRBが引き締めを急がなければメキシコが引き締めスタンスに移るのはかなり後になるでしょう
経済状況次第ですがメキシコ中銀は今後は様子を見て、金利引き上げがあったとしても連続引き上げにはならない可能性もあります。
今週のFOMCを受けて次回8月12日のメキシコ中銀の金融政策発表が注目されます。

ペソは堅調ながら、もみ合いに

ドル/ペソはFOMCの結果を受けて6月18日に20.7480ペソ付近まで上昇しドル高ペソ安になりましたが、その後はメキシコ中銀の利上げ、パウエルFRB議長のハト派的なスタンスを受けて19.7060ペソ付近に下落しました。その後は20.25ペソ付近まで反発し20ペソをはさんだ動きになっています。
パウエルFRB議長のハト派的スタンス、もしかしたら追加利上げがあるかもしれないとにおわせるメキシコ中銀のスタンスがある限りは前回高値の20.75ペソを超えるドル高ペソ安はないと予想します。とはいえ19.50を下回るドル安ペソ高も難しく、25日移動平均線(20.0180)75日移動平均線(20.06)付近を中心に250日移動平均線(20.41)付近が高値とみており19.80~20.41ペソのレンジを予想します。

メキシコペソ/円はFOMCの結果を受けて6月21日に5.3円付近まで下落しました、メキシコ中銀の利上げを受けて5.62円まで上昇し昨年3月以降の高値となりました。25日移動平均線が5.50円,75日移動平均線が5.46円に位置し、一目均衡表の雲が5.46円付近に位置しています。5.4円付近が維持できれば5.4~5.6円のレンジを予想します。
一方で5.4円を下抜けした場合は6月安値の5.3円に250日移動平均線も位置し、重要なサポートとし意識されます。

メキシコペソ円 日足



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YEN蔵
株式会社ADVANCE代表取締役 米系のシティバンク、英系のスタンダード・チャータード銀行で、20年以上にわたり、為替ディーラーとして活躍。現在は投資情報配信を主業務とする株式会社ADVANCE代表取締役。ドル、ユーロなどメジャー通貨のみならず、アジア通貨をはじめとするエマージング通貨でのディーリングについても造詣が深い。また、海外のトレーダー、ファンド関係者との親交も深い。ブログ「YEN蔵のFX投資術」、メルマガ「YEN蔵の市場便り」で個人投資家に対して為替に関する情報を発信しており、人気を博している。
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